【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
まずは、こちらの動画を見てください。
【トータルケアラボラトリー】では、『ギックリ腰』に悩む方々が多く相談に訪れます。
『ギックリ腰』は一度発症すると再発しやすく、痛みや日常生活への影響も大きいです。
そのため、予防が重要です。
また、万が一『ギックリ腰』になってしまっても、「早期の回復」と「再発予防」が重要です。
今日は、『ギックリ腰』を予防するための5つの取り組みをご紹介したいと思います。
『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。
【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。
『ギックリ腰』とは??
一般的に『ギックリ腰』と呼ばれる状態は、急に起こる激しい腰の痛みを指しますが、これは病名や診断名ではなく、通称です。
この痛みの原因はさまざまで、関節や椎間板などの腰の動く部分に過度の負荷がかかり、捻挫や椎間板の損傷などが考えられます。また、腰を支える筋肉や靭帯などの柔らかい組織の損傷もあります。
『ギックリ腰』は、腰部に発生する急性の痛みや機能障害を特徴とする症候群です。
① 筋肉の緊張やけいれん
『ギックリ腰』の最も一般的な原因の一つは、腰周辺の筋肉の急激な緊張やけいれんです。
これは、急激な動作や不慣れな姿勢を取った際に、筋肉が急激な負荷にさらされ、緊張状態になることで引き起こされます。
特に、腰の筋肉や仙腸関節周辺の筋肉が影響を受けやすい傾向があります。
② 椎間板の損傷やヘルニア
別の一般的な原因は、腰椎の椎間板の損傷やヘルニアです。
椎間板は脊椎を保護し、衝撃を吸収する役割を果たしていますが、急激な圧迫や不適切な姿勢によって損傷を受け、炎症を引き起こします。
腰部に激しい痛みやしびれが生じることがあります。
③ 関節の捻挫や亜脱臼
『ギックリ腰』の原因の一つに、腰椎や仙腸関節などの関節の捻挫や亜脱臼があります。
これは、急激な運動や姿勢の変化によって関節に過度の負荷がかかり、関節の靱帯や軟骨が損傷することで発生します。
関節の動きが制限され、痛みや不快感が生じます。
④ 靱帯の損傷やストレイン
『ギックリ腰』の原因の一つとして、腰周辺の靱帯や腱の損傷やストレインが考えられます。
急激な動作や腰部への外力が加わった際に、靱帯や腱が過度に伸びたり断裂したりすることで引き起こされます。
靱帯の損傷によって、腰部に安定性が欠如し、痛みや不安定感が生じることがあります。
⑤ 姿勢の不良や筋力の不均衡
最後に、『ギックリ腰』の原因として、姿勢の不良や筋力の不均衡が挙げられます。
長時間同じ姿勢を続けたり、運動不足や筋力の低下によって、腰部の筋肉や関節に負担がかかり、痛みや不快感が引き起こされます。
メカニズムは多数ありますが、『ギックリ腰』の原因として頻繁に見られるものばかりでパターン化してとらえることが重要です。適切な予防策や治療法を用いて、腰部の健康を維持することが重要です。
「仕事」がきっかけになりやすい
業務上の疾病の中で、腰痛が6割以上を占めるという事実は、職場の健康管理や労働者の安全にとって重要な情報です。
腰痛は多くの人々に影響を与え、その原因や対策について深く理解することが必要です。
年齢別の発生割合を見ると、若年層では腰痛の発生率が比較的低く、30歳以上になると急激に増加する傾向が見られます。
これは、年齢と共に体力や筋力が低下し、加齢に伴う姿勢の変化や生活習慣の影響が腰痛のリスクを高める要因となる可能性が考えられます。
また、仕事の内容や環境が長時間の座位や重い物の持ち上げなど、腰に負担をかける要素を含む場合、腰痛の発生率が高くなる傾向があります。
腰痛が発生した場合の休業見込み日数についてのデータは、深刻な問題の一端を示しています。
特に、29日以上の休業見込みが全体の4割以上を占め、15日以上の休業見込みが約半数を占めるという数字は驚くべきものです。
これは、腰痛が深刻な症状であり、労働者の日常生活や仕事に大きな影響を与えていることを示唆しています。
このようなデータを踏まえると、腰痛の予防や対策は重要性が高まります。労働環境の改善や適切な姿勢の保持、定期的な運動やストレッチ、体重の管理など、健康な生活習慣の確立が必要です。
また、腰痛が既に発生している場合は、早期の治療やリハビリテーションを行い、再発を防ぐことが重要です。
実際、筆者は、長年のデスクワークや姿勢の悪さから腰痛に悩まされていました。
私は腰痛がひどくなると、仕事に集中できなくなり、日常生活に支障をきたすようになりました。
しかし、適切なリハビリやエクササイズプログラムを実施することで、徐々に症状が改善しました。
定期的なストレッチやエクササイズを取り入れ、腰痛の再発を防ぐための努力をしました。
このような私のエピソードからも分かるように、腰痛は多くの労働者に影響を与え、その予防の重要性は言うまでもありません。
従って、職場や個人レベルでの腰痛の予防と管理に向けた取り組みがますます必要とされています。
参考:運送業務で働く人のための 腰痛予防のポイントとエクササイズ 厚生労働省
予防法① ハムストリングスのストレッチ
立位で行う『ハムストリングス』のストレッチは、ギックリ腰の予防や症状の緩和に効果的な方法です。
『ハムストリングス』は、脚の裏側に位置し、腰部の安定性や姿勢を保つために重要な役割を果たしています。
★スタンディング・ハムストリングス・ストレッチ★
このストレッチは、立った状態でハムストリングスを効果的に伸ばすことができます。
①まず、十分なスペースがある場所で、ゆったりと立ちます。
②次に、片方の足を少し前に出します。反対の足は地面にしっかりとつけたまま、両足を真っ直ぐに伸ばします。膝は伸ばしたままで良いですが、痛みや不快感を感じる場合は少し曲げても構いません。
③その後、前に伸ばした方の足のつま先を上に向け、かかとを地面にしっかりとつけたまま、上体を前に傾けます。背中はまっすぐに保ち、胸は張ったままです。
④前におじぎのように傾いた状態で、両手を伸ばし足のつま先に触れます。もし手がつま先に届かなくても問題ありません。自分の限界まで無理をせず、快適な範囲でストレッチを行います。
⑤ポーズをキープし、深い呼吸を行います。ストレッチを感じる箇所に集中し、そのまま15〜30秒間キープします。呼吸を整え、リラックスした状態を保ちます。
⑥ストレッチを解除する際には、ゆっくりと上体を起こし、元の立位姿勢に戻ります。反対側の足でも同様のストレッチを行います。
このストレッチを定期的に行うことで、『ハムストリングス』の柔軟性を高め、腰部の負担を軽減することができます。
予防法② おしりのストレッチ
ギックリ腰の予防には、お尻のストレッチも重要です。
お尻の筋肉は、腰の安定性や姿勢の維持に密接に関与しています。
ストレッチマットや布団などを床にひいて使用してお尻のストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性を高め、腰部の負担を軽減することができます。
★ヒップストレッチ(ハーフ・ピジョン・ポーズ)★
ヒップストレッチは、お尻や股関節周辺の筋肉を効果的に伸ばすことができるポーズです。
ハーフ・ピジョン・ポーズとしても知られており、ストレッチマットを使用して行うことができます。
① 準備姿勢
まず、ストレッチマットの上に正座の姿勢で座ります。膝を曲げ、お尻をかかとの上に乗せます。
右足を前に伸ばし、右膝を曲げて右足首を左手で持ちます。左足は曲げたまま、かかとの上に置いたままにします。
② ストレッチのポーズ
右膝を右手で持ち上げ、右足を少し外側にひねります。このとき、右足の膝は右手の下に位置するようにします。
右脚を少しずつ外側に引きながら、左足のかかとの上に乗せた右足の膝を床に近づけます。右足の太ももがストレッチマットに平行になるようにします。
上半身はまっすぐに保ち、背筋を伸ばします。両手は床につき、バランスを取ります。
ポーズをキープし、深い呼吸を行います。吸い込む時に腰を引き上げ、吐く時に腰を下げることで、ストレッチの効果を高めます。
この状態で15〜30秒間キープします。呼吸を整え、リラックスした状態を保ちます。
③ 反対側でのストレッチ
反対側のお尻や股関節も同様のストレッチを行います。左足を前に伸ばし、左膝を曲げて左足首を右手で持ち上げます。
右足は曲げたまま、かかとの上に置いたままにします。右手で左膝を持ち上げ、左足を外側に引きながらストレッチを行います。
この『ヒップストレッチ』を定期的に行うことで、お尻や股関節周辺の筋肉の柔軟性を高め、腰の負担を軽減することができます。
予防法③ 腰のストレッチ
ギックリ腰を予防するために、ストレッチマット上で行う腰のストレッチは非常に効果的です。
腰のストレッチは、腰回りの筋肉や関節の柔軟性を高め、姿勢を改善し、腰の負担を軽減するのに役立ちます。
ここでは、ストレッチマット上で行う1つの効果的な腰のストレッチを紹介します。
★ニー・ハグ ストレッチ★
このストレッチは、腰回りの筋肉や背中、ヒップ、太ももの筋肉を効果的に伸ばすことができます。
また、柔軟性を高め、腰痛やギックリ腰の予防にも効果的です。
① 準備姿勢
まず、ストレッチマットの上に仰向けに寝ます。背中がマットにしっかりと接するようにします。腰を安定させるため、両足をマット上に広げ、膝を軽く曲げます。
② ストレッチのポーズ
右膝を伸ばしたまま胸に引き寄せ、両手で膝裏をしっかりと抱えます。左足は伸ばしたまま、マットにしっかりとつけたままにします。
深呼吸をしながら、右膝を更に胸に近づけます。背中をマットに押し付け、腰部を床にしっかりと接するように意識します。
この状態で15〜30秒間キープします。呼吸を整え、リラックスした状態を保ちます。
ストレッチの強度を調整するため、必要に応じて膝を軽く曲げたり伸ばしたりします。また、体が硬い場合は、膝を完全に胸に近づけなくても構いません。
③ 反対側でのストレッチ
同じ手順を反対側でも行います。
左膝を胸に引き寄せ、両足は伸ばしたまま、マットにつけたままにします。深呼吸をしながら、左膝を更に胸に近づけ、ストレッチを感じるまでキープします。この状態で15〜30秒間キープし、呼吸を整えます。
このニーハグストレッチは立位でも可能です。
定期的に行うことで、腰回りの筋肉や関節の柔軟性を高め、腰の負担を軽減することができます。
予防法④ クラムシェル
クラムシェルトレーニングは、ヒップや骨盤周りの筋肉を効果的に強化し、ギックリ腰の予防に役立つエクササイズです。
このトレーニングは、外側ヒップ筋や大腿筋、骨盤底筋など、腰回りの安定性を高めるのに効果的です。
★クラムシェルトレーニング★
① 準備姿勢
ます、ストレッチマットの上に横たわります。体を横向きに寝かせ、脚をしっかりと伸ばし、頭を手で支えます。上半身は直立した状態に保ちます。また、体の安定性を高めるため、腰と背中をまっすぐに保ちます。
② トレーニングのポーズ
脚を曲げて、膝を90度に屈曲させます。この際、下側の脚はマットにしっかりとつけ、上側の脚は少し上に持ち上げます。このポーズで「クラム」という卵の殻を開くような形になります。
次に、上側の脚をゆっくりと開きます。膝が90度の角度を保ちながら、上側の脚を外側に開いていきます。この際、脚を上方に振り過ぎないように注意します。外側ヒップ筋が十分に伸びるまで脚を開きます。
最も外側ヒップ筋が伸びるポイントで数秒間キープします。その後、ゆっくりと脚を元の位置に戻します。
この動作を10〜15回繰り返します。一連の動作を行う際には、呼吸を整えながらゆっくりと動作することが重要です。
③ 反対側でのトレーニング
同じ手順を反対側の脚でも行います。体を反対側に向け、膝を90度に曲げた状態でマットに横たわります。そして、上側の脚を上方に持ち上げ、同様の動作を繰り返します。
両側で同じ回数のセットを行います。バランスを取るために、両側の筋肉を均等に鍛えることが重要です。
この『クラムシェルトレーニング』を定期的に行うことで、外側ヒップ筋や大腿筋、骨盤底筋などの腰回りの筋肉を強化し、腰の安定性を高めることができます。
予防法⑤ アブダクション
ギックリ腰を予防するためには、アブダクショントレーニングが有効です。
アブダクションは、外側のヒップ筋を鍛えることで、腰の安定性を高め、姿勢を改善するのに役立ちます。
★サイドライイングレッグリフト★
サイドライイングレッグリフトは、腰回りの筋肉を効果的に強化するのに役立つトレーニング方法です。
① 準備姿勢
まず、ストレッチマットの上に横になります。
身体を一直線にし、片側の腕をまっすぐ伸ばして頭の下に置きます。もう一方の腕は身体の前に置き、安定性を保ちます。両脚を伸ばし、足首を重ねます。
② トレーニングのポーズ
次に、下側の脚をしっかりとマットにつけたまま、上側の脚を上方に持ち上げます。膝を伸ばし、足をまっすぐに保ちます。
上半身を安定させたまま、外側のヒップ筋を使って上側の脚を上方に押し上げます。その際、脚を無理なく持ち上げ、バランスを崩さないようにします。
上側の脚を最大限に持ち上げた状態で、数秒間キープします。この時、呼吸をゆっくりと行い、姿勢を保ちます。
その後、ゆっくりと脚を元の位置に戻します。下側の脚をしっかりとマットにつけたまま、反動を使わずに脚を下ろします。この動作を10〜15回繰り返します。一連の動作を行う際には、呼吸を整えながらゆっくりと動作することが重要です。
③ 反対側でのトレーニング
同様の手順を反対側の脚でも行います。身体を反対側に向け、同じ手順でアブダクショントレーニングを行います。両側の筋肉を均等に鍛えることが重要です。
この『サイドライイングレッグリフト』を定期的に行うことで、外側のヒップ筋を強化し、腰の安定性を高めることができます。
『健康管理士』鳥飼のまとめ
『ギックリ腰』は、突然の動作や姿勢の変化などが原因で起こる急性の腰痛であり、多くの人々が日常生活で経験する身近な問題です。
筆者『健康管理士』の鳥飼も、数多くのクライアントと接し、腰の健康を守るために日々努めています。その中で、ギックリ腰の予防がいかに重要かを痛感しました。
ある日の私のクライアント、田中さん(仮)のケースをお話しします。
田中さんは普段からデスクワークが多く、長時間同じ姿勢でパソコンに向かっています。
彼は、腰が痛むと訴え、『ギックリ腰』の恐れがあると心配していました。
私は田中さんに、『ギックリ腰の予防法』を紹介しました。
まず、田中さんに適切な姿勢の維持を心がけるようアドバイスしました。デスクワークをする際には、背筋を伸ばし、肩を後ろに引いて座ることが大切です。
また、定期的に休憩を取り、姿勢を変えることも重要です。田中さんは、これらのアドバイスを実践し、デスクワーク中の姿勢に気を配るようになりました。
さらに、田中さんには適切な運動の重要性を伝えました。
特に腰回りの筋肉を強化するエクササイズがギックリ腰予防に効果的です。田中さんは毎日のウォーキングやストレッチを取り入れ、腰の負担を軽減することに成功しました。
そして、田中さんにはストレスの管理も大切であることを伝えました。ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、腰痛の原因になることがあります。
田中さんは、瞑想や深呼吸などのリラックス法を取り入れ、ストレスを軽減することで、腰の健康を保つことに成功しました。
田中さんのケースからもわかるように、ギックリ腰の予防は日常生活の中での細かな心がけが重要です。
適切な姿勢の維持、適度な運動、ストレスの管理など、これらの予防策を実践することで、腰の健康を保ち、日常生活を快適に過ごすことができます。
ギックリ腰の予防には、ただアドバイスを与えるだけではなく、クライアントと共に日々の生活を見つめ直し、改善していくことが重要です。
そして、その過程でクライアントが自らの健康を守るための知識や意識を身につけることが大切です。
私たち健康管理士は、クライアントの健康をサポートするだけでなく、健康への意識を高めることにも努めています。
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