コンテンツへスキップ

ダイエット中にお酒を飲んでいいかは、「肝臓のチェック」で決める

【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】

まずは、こちらの動画を見てください。

ダイエット中にお酒を飲みたくなることってありますよね?

特に普段からお酒を楽しんでいる人は、ダイエット中に我慢するのが難しいかもしれません。

実際、お酒が原因で太ってしまうこともあるでしょう。

そんな方々は、食事制限や運動を頑張りながら、お酒を楽しもうと考えるかもしれません。

実際、お客様の中にも『ダイエット中にお酒は大丈夫ですか?』と聞かれる方がたくさんいます。

でも、ダイエット中にお酒を飲むのは「肝臓の状態次第」です。

肝機能が悪くなると、ダイエットの効果が薄れるばかりか、さらに病気のリスクも高まるかもしれません。

そこで、今日は血液検査で見る肝機能の項目と、ダイエット中にお酒を飲んでも大丈夫かどうかについて解説したいと思います。

『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。

【統合予防医療】【フィットネス】コラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。

【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。

是非、過去の記事も参考にしてください。

ダイエットで「肝臓」の役割

ダイエット中における「肝臓」の役割は、食事、運動、トレーニングなど様々な側面から影響を受けます。

ここではそれらの要素を含め、「肝臓」がダイエットに果たす役割について詳しく解説します。

まず、「肝臓」は体内の代謝に重要な役割を果たしています。

食事から摂取した栄養素を処理し、体内で必要なエネルギーや栄養素に変換します。

例えば、糖質をグリコーゲンとして貯蔵したり、脂肪を分解してエネルギー源として利用したりします。

そのため、食事制限やバランスの取れた食事が肝臓の負担を軽減し、ダイエット効果を高めることに繋がります。

また、運動やトレーニングによって筋肉量を増やすことは、基礎代謝を上げて脂肪を燃焼しやすくします。

しかし、この過程で筋肉が疲労すると、肝臓が乳酸やアンモニアなどの代謝物質を分解して排出する役割があります。

そのため、十分な水分摂取や適切な栄養補給が必要です。

さらに、過度なトレーニングや無理なダイエットは肝臓に負担をかけ逆に代謝を低下させる恐れがあります。

さらに、肝臓は体内での毒素や老廃物の排出を担当しています。

過剰な脂肪や糖分の摂取、アルコールの過剰摂取などは肝臓に負担をかけ、脂肪肝や肝機能障害などの疾患を引き起こす可能性があります。

そのため、適度な飲酒やバランスの取れた食事、定期的な運動が肝臓の健康を維持する上で重要です。

ダイエット中においては、肝臓の健康状態が極めて重要であるということです。

食事や運動、トレーニングなどの要素が密接に関連し合い、肝臓の負担や機能に大きな影響を与えます。

そのため、健康的で持続可能なダイエットを行うためには、肝臓の健康を考慮した生活習慣の改善が不可欠です。

参考: アルコール 厚生労働省

「脂肪代謝」と「筋肉合成」

ダイエット中の肝臓の役割は、「脂肪の代謝」「筋肉の合成」大きく関わっています。

① 脂肪の代謝

「脂肪の代謝」は、体内でのエネルギーの生成脂肪の蓄積の調節に関わる重要な流れです。

食事から摂取した脂肪は、脂肪酸として吸収され、肝臓に運ばれます。

肝臓では、この脂肪酸がさまざまな反応によってエネルギー源として利用されるために、トリグリセリドという形に変換されます。

そして、必要な時にはこのトリグリセリドが再び脂肪酸に分解され、エネルギーとして利用されるか、一時的に貯蔵されます。

ダイエット中肝臓が重要な役割を果たすのは、「脂肪の代謝」が体重管理に直接関係しているからです。

適切な食事運動を通じて肝臓は脂肪を効率的に代謝しエネルギーとして利用することで、体重のコントロールをサポートします。

しかし、食事が不規則で脂肪の摂取が過剰な場合や、運動不足の状態では、肝臓は脂肪を効率的に処理できず、脂肪が蓄積される結果となります。

② 筋肉の合成

「筋肉の合成」は、体内でのタンパク質の合成分解のバランスによって行われます。

運動やトレーニングを行うことで筋肉が受ける刺激によって、筋肉細胞は新しいタンパク質を合成し、筋肉の増加や修復を行います。肝臓は、このタンパク質の合成にも関与しています。

具体的には、肝臓はアミノ酸の代謝に重要な役割を果たします。

食事から摂取したたんぱく質は、消化器官でアミノ酸に分解され、血液を通じて肝臓に運ばれます。

肝臓では、これらのアミノ酸がエネルギー源として利用される他、新しいタンパク質を合成する際の材料としても活用されます。

ダイエット中には、「筋肉の合成」特に重要です。

なぜなら、筋肉量が増加することで基礎代謝が上昇し、脂肪の燃焼が促進されるからです。

そのため、適切なタンパク質摂取適度な運動を行うことで、肝臓は筋肉の合成をサポートし健康的な体重管理を支援します。

ダイエット中の肝臓は、「脂肪の代謝」と「筋肉の合成」に重要な役割を果たしています。

適切な食事と運動を通じて、肝臓がこれらのプロセスを効果的に調節することで、健康的な体重管理を実現することができます。

「お酒」と「肝臓」

お酒を飲むと「肝機能が落ちるメカニズム」について解説します。

① 「アルコールの代謝」

アルコールが体内に入ると、まず肝臓で代謝されます。

代謝は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素によるものです。

ADHはアルコールをアセトアルデヒドに変換し、さらにアセトアルデヒドがアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)という酵素によってアセトンや酢酸に変換されます。

この過程で、酸化還元反応が行われ、NAD+がNADHに変化します。

② 「アルコール」と「肝臓の負担」

アルコールの代謝は、肝臓に負担をかけます。

特に、大量のアルコールを摂取すると、代謝過程で生成されるアセトアルデヒドやその代謝産物が肝臓細胞にダメージを与えることが知られています。

また、アセトアルデヒドが細胞内の酵素やタンパク質と結合することで、さらなる障害が引き起こされます。

③ 「肝臓の炎症」と「脂肪蓄積」

アルコールの摂取によって、肝臓が炎症を起こします。

これは、アルコールが肝細胞にダメージを与え、免疫反応が活性化されることで起こります。

炎症が慢性化すると、肝臓の細胞が脂肪を蓄積し始め、「脂肪肝」と呼ばれる状態が生じます。

脂肪肝は、肝臓の正常な機能を妨げ、肝硬変や肝がんなどの進行性の肝疾患のリスクを高める可能性があります。

④ 「オキシダティブストレス」と「抗酸化物質の不足」

アルコールの代謝過程で生成される活性酸素種は、肝臓の細胞にオキシダティブストレスを引き起こします。

これにより、細胞内の酵素やDNAに損傷が生じ、細胞の機能が低下します。

さらに、アルコールの代謝によって消費されるNAD+が減少するため、抗酸化物質の生成が不足し、オキシダティブストレスがさらに悪化します。

⑤ 「肝臓の線維化」と「肝硬変」

炎症や脂肪蓄積が続くと、肝臓は線維化し始めます。

線維化は、肝臓の組織が瘢痕組織で置き換えられる過程であり、肝硬変として知られる進行性の疾患につながります。

肝硬変は、肝臓の機能が大幅に低下し、重篤な合併症や死亡リスクを引き起こす可能性があります。

お酒を飲むと肝機能が落ちるメカニズムは、アルコールの代謝過程による肝臓へのダメージや炎症、脂肪蓄積、オキシダティブストレス、そして最終的には肝硬変という一連の過程によって引き起こされます。

したがって、適量を守り、過度な飲酒を控えることが肝臓の健康を維持する上で重要です。

「肝機能低下」と「脂肪の燃焼」

ダイエット中にお酒を飲むと、肝機能が落ち、脂肪の燃焼に悪影響があるメカニズムは、複数の要因が絡み合っています。

  1. アルコールの代謝と肝臓への影響

まず、アルコールの代謝が肝臓に負担をかけます。

肝臓はアルコールを代謝する際に、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素を介してアルコールをアセトアルデヒドに変換します。

その後、アセトアルデヒドがアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)によってさらに分解されます。この過程で生成されるアセトアルデヒドは、肝臓細胞にダメージを与え、肝機能の低下を招きます。

  1. 肝臓のエネルギー消費

アルコールの代謝はエネルギーを消費します。

肝臓はアルコールを分解する際に多くのエネルギーを必要とします。

そのため、アルコールの摂取により、肝臓は他の重要な代謝プロセスに必要なエネルギーを失います。

これにより、脂肪の燃焼や代謝が低下し、脂肪が蓄積しやすくなります。

  1. 脂肪酸合成の促進

アルコールの代謝によって、脂肪酸の合成が促進されます。

アルコール代謝の副産物であるNADHは、脂肪酸の合成を促進する酵素であるマロニル-CoAカルボキシラーゼの活性を増加させます。

その結果、肝臓は余分な脂肪酸を合成し、これが脂肪の蓄積や肝臓の脂肪浸潤につながります。

  1. グリセロールの増加

アルコールの代謝は、グリセロール-3-リン酸の生成を促進します。

この化合物は、脂肪細胞においてトリグリセリドの合成に必要なものであり、脂肪の蓄積を増加させます。

  1. オキシダティブストレスの増加

アルコールの代謝によって生成される過剰なNADHは、細胞内の酸化還元バランスを乱し、オキシダティブストレスを引き起こします。

これにより、肝臓の細胞がダメージを受け、炎症や脂肪蓄積が促進されます。オキシダティブストレスはさらに脂肪の燃焼を妨げ、脂肪の蓄積を増加させる可能性があります。

ダイエット中にお酒を飲むことで、肝臓の代謝プロセスが乱れ、脂肪の燃焼が妨げられるメカニズムがあります。

アルコールの代謝による肝臓への負担やエネルギー消費、脂肪酸合成の促進、グリセロールの増加、そしてオキシダティブストレスの増加などがその主な要因です。

したがって、ダイエット中はアルコールの摂取を控えることが、健康的な脂肪燃焼と体重管理にとって重要です。

「肝機能低下」と「筋肉の合成」

ダイエット中にお酒を飲むと、肝機能が落ち、筋肉の合成にも悪影響が及ぶ可能性があります。

  1. アルコールの代謝と肝機能への影響

まず、アルコールの代謝により、肝臓への負担が増加します。

アルコールは肝臓で代謝される際に、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)やアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)といった酵素を介して分解されます。

この代謝過程で生成されるアセトアルデヒドやその他の代謝産物は、肝臓細胞にダメージを与え、肝機能の低下を引き起こす可能性があります。

  1. 筋肉の合成への影響

アルコールの摂取は、筋肉の合成にも悪影響を与える可能性があります。

まず、アルコールの代謝によって生じるNADH/NAD+の比率の変化が、筋肉合成に影響を与えると考えられています。

NADHの増加は、筋肉合成の酵素であるアセチルCoAカルボキシラーゼの活性を抑制し、タンパク質の合成を妨げることが知られています。

さらに、アルコールの摂取は筋タンパク質の分解を促進する可能性があります。

アルコールが摂取されると、筋肉中のタンパク質合成が抑制され、同時にタンパク質分解の酵素であるユビキチン-プロテアソーム系が活性化されるという研究結果もあります。

これにより、筋肉の合成が阻害され、筋肉量の減少や筋力の低下が生じる可能性があります。

  1. 脂肪の蓄積と筋肉量の低下

さらに、アルコールの摂取は脂肪の蓄積を促進し、筋肉量の低下を招く可能性があります。

アルコールの代謝過程で生成されるNADHは、脂肪酸合成を増加させ、脂肪の蓄積を促進します。

その結果、脂肪が増加し、筋肉量が減少することで、身体の代謝率が低下し、ダイエットの効果が低下する可能性があります。

  1. 筋肉疲労と回復の妨げ

また、アルコールの摂取は筋肉の疲労感を増加させることがあります。

アルコールは中枢神経系に影響を与え、筋肉の収縮や運動制御を妨げる可能性があります。

これにより、トレーニング中やトレーニング後の筋肉の回復が遅れ、筋肉の合成が妨げられることがあります。

ダイエット中にお酒を摂取することで肝機能が低下し、筋肉の合成にも悪影響が及ぶ可能性があります。アルコールの代謝による肝臓への負担や筋肉合成の酵素活性の抑制、脂肪の蓄積、筋肉疲労の増加などがその主なメカニズムです。したがって、ダイエット中には適量を守り、お酒の摂取を控えることが、筋肉の合成や体重管理にとって重要です。

お酒を飲んでいい人、ダメな人

トータルケアラボラトリーではお酒を飲んでいい基準として肝臓の健康状態が重要であり、その指標としてγGTP、ALT、AST、および肝臓の硬度が用いられます。

これらの値が基準値内にある場合、肝臓は通常の機能を維持しており、アルコールの摂取による大きな負担を受けずに処理できる状態と言えます。

γGTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)

男性:10~71 U/L
女性:9~38 U/L


γGTPは肝臓や胆道系の障害を示す酵素であり、通常は肝臓で合成されます。

高いγGTPレベルは肝臓の疾患やアルコールの過剰摂取などの影響を示す可能性があります。

基準値内に収まることで、肝臓の状態が正常であることが示唆されます。

ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)

男性:7~56 U/L
女性:5~40 U/L

ALTは主に肝臓に存在し、肝細胞の障害や炎症を示す酵素です。

通常は血液中に漏れ出さず、基準値を超えると肝臓の疾患が疑われます。

AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)

男性:10~40 U/L
女性:9~32 U/L

ASTもまた、肝臓や心臓、筋肉などに存在する酵素であり、特に肝臓の障害や疾患に関連しています。

ASTの増加は、肝臓の病気や損傷を示すことがあります。

肝臓の硬度(FibroScanなどの検査で測定)

良好な肝臓:7.0 kPa以下
肝硬変が疑われる:7.0~9.5 kPa
肝硬変:9.5 kPa以上

肝臓の硬度は、肝臓の線維化の程度を示す指標であり、肝硬変のリスクを評価する上で重要です。

硬度が基準値内に収まる場合、肝臓は正常な状態であり、アルコールの代謝や肝機能が適切に行われていると考えられます。

指標が基準値内にある場合、肝臓は通常の機能を維持しており、アルコールの摂取による肝機能への大きな負担を受けずに処理できる状態と言えます。

ダイエット時は、参考にしてください。

『健康管理士』鳥飼の結論

今日の記事では、お酒がダイエットに悪影響を及ぼす可能性に焦点を当てています。

お酒が摂取されると、その影響は単なるカロリー摂取だけにとどまりません。

実際、アルコールが筋肉合成や脂質代謝に与える悪影響が指摘されています。

まず、筋肉合成におけるアルコールの影響を考えてみましょう。

アルコールは、タンパク質の代謝を調節するプロセスに干渉し、筋肉合成の過程を妨げる可能性があります。

特に、アルコールの代謝過程によって生成されるNADH/NAD+の比率の変化が、筋肉合成に悪影響を及ぼすと考えられています。

NADHの増加は、筋肉合成に必要な酵素の活性を抑制し、タンパク質合成を阻害する可能性があります。

次に、脂質代謝におけるアルコールの影響を考えてみましょう。

アルコールの摂取は、脂質代謝にも影響を及ぼすことが知られています。

アルコールの代謝過程で生成されるNADHは、脂肪酸合成を促進し、脂質の蓄積を増加させる可能性があります。

さらに、アルコールは脂質酸化を妨げ、脂肪の燃焼を抑制することが示唆されています。このようなメカニズムにより、アルコールの摂取は脂質代謝に悪影響を与え、ダイエットの効果を低下させる可能性があります。

ダイエット中にお酒を飲んでいいかどうかを判断する際には、肝機能の評価が重要です。

肝臓はアルコールの代謝に主要な役割を果たす器官であり、アルコール摂取によって肝機能に影響を与える可能性があります。

そのため、γGTP、AST、ALT、肝臓の硬度などの指標を用いて、肝臓の状態を評価することが重要です。

これらの指標が基準値内にある場合、肝臓は正常な状態であり、アルコールの摂取による肝機能への大きな負担を受けずに処理できる状態と言えます。

したがって、肝機能が正常であれば、適量を守ってお酒を飲んでも問題ありません。

お酒がダイエットに悪影響を与える可能性があり、特に筋肉合成や脂質代謝に影響を及ぼすことが指摘されています。

ダイエット中にお酒を飲んでいいかどうかを判断する際には、肝機能の評価が重要であり、γGTP、AST、ALT、肝臓の硬度などの指標を用いて肝臓の状態を確認する必要があります。

これらの指標が基準値内にあれば、お酒を飲んでも問題ありませんが、適量を守ることが重要です。