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糖質制限ダイエットができる体質か、できない体質か評価する方法

【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】

まずは、こちらの動画を見てください。

「ダイエット」をお考えの方々は、運動と食事の両方に努めて、体重を減らそうと頑張ります。

運動は有酸素運動の一環として歩くことや走ることが一般的であり、食事面ではカロリーの削減や糖質の制限が主流です。

主な大手パーソナルジムも「糖質制限を取り入れたプログラム」を提供することが主流となっています。

糖質制限は、短期間で体重や体脂肪率を減らせる魅力的な方法として広く知られています。

そのため、多くの人々が利点ばかりを聞いて、このダイエット方法を選択したくなります。

しかし、残念ながら「糖質制限」が『体質に合う人』と『合わない人』がいます。

『体質に合う人』は、是非とも試してみれば、ダイエットが成功するでしょう。

しかし、『体質に合わない人』が糖質制限を試みると、ダイエットが上手くいかないだけでなく、健康に害を及ぼす可能性があります。

【トータルケアラボラトリー】では、必ず個々の体質に応じて「糖質制限ダイエットの適合性」を事前にチェックします。

血液検査の結果で評価することができます。

今日は、その評価方法についてご説明いたします。

『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。

【統合予防医療】【フィットネス】コラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。

【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。

是非、過去の記事も参考にしてください。

「糖質制限」は、最速で痩せる。

「糖質制限ダイエット」は、炭水化物の摂取を制限し、代わりに脂質やタンパク質を重点的に摂取する食事法です。

このダイエット法では、炭水化物の摂取を制限することで、インスリンの分泌を抑制します。

そして、体内の脂肪燃焼を促進するものです。

炭水化物が制限されることで、血糖値が急激に上昇することを防ぎます。

血糖値が上昇し、下げる働きを持つインスリンが体脂肪を生み出してしまいます。

血糖値が急上昇すればインスリンはどんどん多く分泌され、どんどん多く体脂肪が作られます。

インスリンは糖質に反応しますので、糖質を食べないことでインスリンの分泌をさせないようにします。

その結果、脂肪がエネルギー源として使用されるようになります。

医学的に見ても、「糖質制限ダイエット」が最速で痩せるダイエット方法として認められる理由があります。

第一に、「糖質制限ダイエット」は体内の脂肪燃焼を促進します。

炭水化物が制限されると、体は脂肪を主要なエネルギー源として利用し始めます。

これにより、脂肪が燃焼され、体重が減少します。

第二に、「糖質制限ダイエット」は食欲を抑制する効果があります。

炭水化物の摂取が制限されると、血糖値の急激な上昇が防がれ、血糖値が安定しやすくなります。

その結果、食欲が抑制され、食事量が減少します。

また、「糖質制限ダイエット」は、体内のインスリンレベルを安定させることによって、脂肪蓄積を抑制します。

先ほど説明した通りインスリンは、血糖値を下げる役割を果たしますが、同時に脂肪を蓄積する作用も持っています。

炭水化物の摂取を制限することで、インスリンの分泌が抑制され、脂肪蓄積が防がれます。

さらに、「糖質制限ダイエット」は、体内の水分量を減少させることによって、体重を減少させる効果もあります。

炭水化物は、1gにつき2㎖の水分と結合し体内に貯蔵されます。

そこで500gの糖質が1Lの水分を体内に貯蔵します。

もちろん体重は500g+1Lで1.5kg増加します。

炭水化物500gを食べないだけで、1.5kgも体重が落ちます。

体は水分を保持する傾向がありますが、「糖質制限ダイエット」によって炭水化物の摂取が制限されると、体内の水分量が減少します。

これにより、体重が一時的に減少する効果が得られます。

しかし、あくまで水分が落ちているので体脂肪が落ちているわけではありません。

「糖質制限ダイエット」は、脂肪燃焼を促進し、食欲を抑制し、脂肪蓄積を抑制し、体内の水分量を減少させることによって、最速で痩せるダイエット方法として効果的です。

メカニズム

「インスリン」というのは、私たちの体の中で大切な役割を果たしているホルモンです。

膵臓から出てきます。

「インスリン」は、血糖値を下げたり、体に入ってきたエネルギーを使う手助けをしたりします。

私たちが食事をすると、体は炭水化物を使ってエネルギーを作ります。

このとき、「インスリン」が必要になります。

「糖質制限ダイエット」をすると、ケトーシスといって、体がエネルギーを作るために炭水化物を使わずに脂質を使う状態に変換されます。

炭水化物が少なくなり、体はケトーシス状態に変換され、エネルギーを作るために脂質を使うようになります。

すると、体内で脂質が優先的に燃焼されて、体脂肪が減ります。

このケトーシスの時に、肝臓から「ケトン体」と呼ばれる物質が作られます。

「ケトン体」というのは、体が脂質をエネルギーに変えるときに作られる物質です。

脂質が燃焼されると、「ケトン体」が肝臓から体内にたくさん作られます。

この「ケトン体」は、糖質の代わりになって脳や筋肉などの細胞にエネルギーを供給してくれます。

このように体がケトーシスの状態になると、体の中で脂質、ケトン体をエネルギーに変える力が強くなります。

「糖質を制限する」と、肝臓において「糖新生」という仕組みも働きます。

「糖新生」というのは、体が炭水化物が少ないときに、別の物質から血糖値を作り出すことです。

体は、肝臓という器官を使って、脂質やたんぱく質(筋肉や食事から摂取した肉、魚、豆ねど)を使って血糖値を作り出します。

「糖質制限ダイエット」をすると、体が炭水化物を使わずにエネルギーを作るために、この「糖新生」が活発になり、筋肉を減らして糖に変えたり、食事から得たタンパク質を減らして糖に変えます。

この「糖新生」が行われる肝臓というのは、体の中でとても大切な役割を果たす器官です。

肝臓は、血糖値やコレステロール、タンパク質などを調整する役割があります。

「糖質制限ダイエット」をすると、肝臓が脂質をエネルギーに変えるためのケトン体を作り出し、糖新生を起こして糖を生み出します。

肝臓の仕事が増えます。

炭水化物を減らす「糖質制限ダイエット」は、体内でのエネルギー源を脂質に変えることで、体重を減らす効果が期待できます。

「糖質制限」が、合わない体質がある。

「糖質制限」が合わない体質は、残念ながら身近にいます。

医学的に見ていく事で、自分が糖質制限をして大丈夫なのかダメなのか理論的に把握していきましょう。この章では、それぞれの状態について詳しく説明します。

① インスリン抵抗性

インスリン抵抗性は、体内でのインスリンの働きが十分に効かない状態を指します。

通常、インスリンは血糖値を下げ、細胞にブドウ糖を取り込む役割を果たします。

しかし、インスリン抵抗性があると、細胞がインスリンの信号をうまく受け取れず、ブドウ糖が細胞に入りにくくなります。

その結果、血糖値が上昇し、インスリンの分泌が増えることで、さらにインスリン抵抗性が悪化します。

この状態では、糖質制限ダイエットを行っても、効果が得られにくい場合があります。

② 糖質代謝能力の低下

糖質代謝能力の低下は、体内で炭水化物をエネルギーに変える能力が低下した状態を指します。

これは、糖質をエネルギーに変える酵素や代謝経路が正常に機能しないことが原因です。

この場合、炭水化物を制限しても、体は効率的にエネルギーを作ることができず、疲労や体調不良の原因となる可能性があります。

③ 膵臓の働きの低下

膵臓の働きの低下は、インスリンを分泌する膵臓の機能が低下した状態を指します。

膵臓は、血糖値の上昇に応じて適切な量のインスリンを分泌する役割を担っています。

しかし、膵臓の働きが低下すると、適切な量のインスリンが分泌されず、血糖値のコントロールが難しくなります。

この状態では、糖質制限ダイエットを行っても、血糖値の安定が困難な場合があります。

④ 血糖値の高い人

血糖値が高い人は、通常、糖質摂取後に血糖値が急激に上昇しやすい傾向があります。

この場合、糖質制限ダイエットを行っても、血糖値のコントロールが難しく、体重の減少が十分に実感されない場合があります。

⑤ コレステロール値の高い人

コレステロール値が高い人は、脂質の代謝に問題がある場合があります。

糖質制限ダイエットでは、脂質が主要なエネルギー源となるため、脂質の代謝能力が低い場合は、脂質の摂取によってコレステロール値がさらに上昇する可能性があります。

⑥ ケトーシスになりにくい人

ケトーシスになりにくい人は、体内で脂質をエネルギーに変えるプロセスが十分に機能せず、ケトーシスの状態になりにくいという特徴があります。

この場合、糖質制限ダイエットを行っても、効果的な脂肪燃焼が期待できない可能性があります。

⑦ ケトン体を作り出す肝臓が弱い人

ケトン体を作り出す肝臓が弱い人は、体内で脂質をケトン体に変える能力が低下している状態を指します。この場合、糖質制限ダイエットを行っても、ケトン体の生成が不十分で、十分なエネルギー供給が得られない可能性があります。

⑧脂質の代謝能力が低い人

脂質の代謝能力が低い人は、体内で脂質をエネルギーに変える能力が低下している状態を指します。

この場合、糖質制限ダイエットを行っても、効果的な脂肪燃焼が期待できず、体重の減少が十分に実感されない場合があります。

これらの体質に該当する人は、糖質制限ダイエットが適していません。

個々の状態に応じて、適切な食事や生活習慣の改善が必要です。

ここからはそれぞれの評価方法について解説していきます。

『健康管理士』鳥飼の結論

トータルケアラボラトリーでは、お客様が健康診断などで血液検査を受けた結果を共有していただきます。

そして、「糖質制限ダイエット」をしていいか評価します。

今日紹介した多くの検査をすべて使用する必要はありません。一般的に、鳥飼が健康管理士として使用している検査を紹介します。

① 空腹時血糖値:100 mg/dL以上は控える。

② HbA1cが5.7%以上の場合は、控える。

③ LDLコレステロールが120mg/dl以上で、控える。

④ γグルタミルトランスペプチダーゼ(γGTP)が、男性で9~64 U/L、女性で8~38 U/Lを超えると、控える。

⑤AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)がASTの正常範囲は10~40 U/L、ALTの正常範囲は 7~56 U/Lを超えると控える。

以上を参考に1つでも引っかかる場合は、「糖質制限ダイエットを控えるようにおススメ」しています。

『インスリン抵抗性』の評価法

詳しく見てみましょう。

まずは、「糖質制限ダイエット」を行う前に、『インスリン抵抗性』を確認することが重要です。

インスリン抵抗性は、体内でのインスリンの効果が低下し、血糖値のコントロールが難しくなる状態を指します。

この状態が確認されると、糖質制限ダイエットが効果的でなく、健康への被害も出ます。

トータルケアラボラトリー重要視する『インスリン抵抗性』を確認するための医学的検査とその基準値について解説します。

『インスリン抵抗性』を確認するための主な医学的検査には、3つあります。

① 空腹時血糖値(Fasting Blood Glucose)

インスリン抵抗性を評価する基本的な方法は、空腹時の血糖値を測定することです。

通常、8時間以上の絶食状態で血液を採取し、血液中のブドウ糖濃度を測定します。

一般的に、空腹時血糖値が100 mg/dL以上の場合、インスリン抵抗性のリスクが高いと判断します。

ここからご紹介する②と③は、専門治療の病院でしか検査をすることがない方法です。

そこで、基本的には空腹時血糖で評価を行います。

専門的に糖尿病の治療を行っている方は、以下の検査を参考にしてみてください。

② 経口ブドウ糖負荷試験(Oral Glucose Tolerance Test, OGTT)

OGTTは、インスリン抵抗性をより詳しく評価するために使用される検査です。

空腹時にブドウ糖の溶液を飲み、その後定期的な間隔で血糖値を測定します。

通常、2時間後の血糖値が140 mg/dL以上であれば、インスリン抵抗性があると判断します。

③ ホメオスタシスモデル評価(Homeostasis Model Assessment, HOMA-IR)

HOMA-IRは、インスリン抵抗性を推定するための数学的なモデルです。

この検査では、空腹時のインスリンと血糖値を測定し、特定の式に基づいてHOMA-IRスコアを計算します。

一般的に、HOMA-IRスコアが 2.5以上であれば、インスリン抵抗性のリスクが高いと判断します。

基本的には①のFBGをチェックします。

この評価、確認を行うことで、『インスリン抵抗性』の程度を評価し、「糖質制限ダイエット」が適しているかどうかを判断することができます。

トータルケアラボラトリーでは一般的に言われている基準値である、空腹時血糖値が 100 mg/dL以上、OGTTの2時間後の血糖値が 140 mg/dL以上、HOMA-IRスコアが 2.5 以上で判断していきます。

『糖質代謝能力』の評価法

『糖質代謝能力』を評価するために、使用される医学的検査は3つあります。

基本的には、『インスリン抵抗性の評価法』と重複します。

①から③まで紹介しますが、全て健康診断に基本的には載っていない検査ばかりになります。

気になる方は、専門院で検査を受けると良いかと思います。

① グルコース負荷試験(Oral Glucose Tolerance Test, OGTT)

OGTTは、インスリン抵抗性の評価法と同じです。

糖質代謝能力の評価にもよく使用される検査です。

② ホメオスタシスモデル評価(Homeostasis Model Assessment, HOMA-IR)

HOMA-IRも、インスリン抵抗性の評価にも使用されますが、糖質代謝能力の低下を推定するためにも使用されます。

③ インスリン負荷試験(Insulin Tolerance Test, ITT)

ITTは、インスリンの代謝能力を評価するための検査です。

絶食状態で、インスリンを注射します。

その後、特定の時間間隔で血液サンプルを採取し、血中のブドウ糖およびインスリン濃度を測定します。

この検査は、インスリンの効果や体のブドウ糖への反応を評価します。

基準値は、ITT頂値18μg/dl未満であれば、糖質代謝能力が低いと判断します。

これらの検査は、『糖質代謝能力の低下』を評価するための評価法です。

トータルケアラボラトリーでは、基本的には評価に使用することは少ないものばかりです。

基準値は、一般的な目安を採用し、OGTTの2時間後の血糖値が140 mg/dL以上、HOMA-IRスコアが2.5以上とされることがあります。

『膵臓機能』の評価法

『膵臓の機能』を確認するための医学的検査は、2つあります。

こちらは医療機関にて検診時に受けることができるものとなり、基本的にはトータルケアラボラトリーで評価することは少ないかと思います。

参考程度までにご紹介します。

① Cペプチド検査(C-Peptide Test)

Cペプチド検査は、膵臓がインスリンを正常に分泌しているかどうかを評価するための検査です。

Cペプチドは、インスリンが分泌される際に同時に生成されるタンパク質の一部です。

そのため、Cペプチドの量を測定することで、膵臓のインスリン分泌量を推定することができます。

一般的に、Cペプチドの正常範囲は、0.5〜3.0 ng/mLです。

② 膵臓エコー検査(Pancreatic Ultrasound)

エコー検査は、膵臓の形状や大きさ、病変などを評価するために使用される画像診断法です。

この検査により、膵臓の状態や構造異常が確認され、膵臓の機能に関する情報が得られます。

これらの検査を組み合わせて行うことで、膵臓の機能や健康状態を総合的に評価することが一般的です。

『血糖値』の評価方法

『血糖値』を確認するため主な医学的検査とその基準値について解説します。

① 空腹時血糖値(Fasting Blood Glucose)

空腹時血糖値は、絶食状態で採取される血液サンプルから測定されます。この検査は、患者が絶食状態で8時間以上経過した後に採取されます。

空腹時血糖値は、健康な成人で通常70〜100 mg/dLの範囲内であることが期待されます。この基準値を超える血糖値は、高血糖状態を示す可能性があります。

② HbA1c(ヘモグロビンA1c)

HbA1cは、血液中のグルコースとヘモグロビンが結合している割合を示す指標であり、過去数ヶ月間の平均血糖値を反映します。

一般的な基準値は、HbA1cが5.7%未満であることです。5.7%〜6.4%の範囲の場合は、糖尿病前段階(糖尿病予備軍)と考えられることがあります。6.5%以上の場合は、糖尿病の診断が検討されます。

『コレステロール値』の評価法

「糖質制限ダイエット」を行う際には、『LDLコレステロールの値』を確認することが重要です。

LDLコレステロールは、動脈硬化や心血管疾患のリスクを評価するための重要な指標です。

① LDLコレステロールの検査

LDLコレステロールは、血液中の脂質を評価する血液検査によって測定されます。

朝の絶食状態で血液が採取されます。

LDLコレステロールの測定方法には、直接測定法間接測定法があります。

直接測定法

LDLコレステロールを直接測定する方法です。

この方法は正確で信頼性が高いですが、高価であり、一般的には研究機関や専門医療機関でのみ実施されることがあります。

間接測定法

LDLコレステロールは間接測定法によって推定されます。

この方法では、フリードワルドの式と呼ばれる数学的な計算式を使用して、総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド値からLDLコレステロールを推定します。

一般的に利用されており、費用対効果が高いです。

LDLコレステロールの基準値

LDLコレステロールの基準値は、心血管リスクを評価するための重要な指標です。

一般的な基準値

  普通 :100 mg/dL以下
 上限値 :100-129 mg/dL
 増加値 :130-159 mg/dL
  高値 :160-189 mg/dL
非常に高値:190 mg/dL以上

トータルケアラボラトリーでは、120mg/dl以上でプロテインは控えるようにお伝えをしています。

『ケトーシス』の評価法

『ケトーシスになりやすいか』を確認するため医学的検査や基準値について解説します。

『ケトーシス』は、体内の糖質供給が不足した際に、脂肪が分解されてケトン体が生成される代謝状態です。

「糖質制限ダイエット」を行う場合、ケトーシスの状態になりやすいかどうかを確認することが重要です。

① 血中ケトン体測定

血中ケトン体の測定は、ケトーシスの状態を評価するための直接的な方法です。

ケトン体には、β-ヒドロキシ酪酸(BHB)、アセトアセテート、アセトンなどがありますが、血中検査では主にBHBが測定されます。

血中BHB濃度が増加することで、ケトーシスの状態を確認することができます。

一般的に、血中BHB濃度が0.5 mmol/L以上であれば、ケトーシスの状態と考えられます。

② 尿中アセトン測定

ケトーシスの状態を評価する別の方法として、尿中アセトンの測定があります。

ケトン体が尿中に排泄されるため、尿中アセトンの検査を行うことで、ケトーシスの程度を推定することができます。

一般的に、尿中アセトンの検査は、専用の試験ストリップを使用して自宅で簡単に行うことができます。

③ 呼気中アセトン測定

最近では、ケトーシスの状態を非侵襲的に評価するために、呼気中アセトンの測定が利用されることもあります。

この方法では、特殊な機器を使用して呼気中のアセトン濃度を測定し、ケトーシスの程度を評価します。

『ケトン体』を生み出す肝臓の評価法

『ケトン体』を生み出す肝臓の機能を確認するための医学的検査と基準値について解説します。

① γグルタミルトランスペプチダーゼ(γGTP)検査

『γGTP』は、肝臓や胆道系などの組織で産生される酵素であり、肝臓の健康状態を評価するための重要な指標の一つです。

γGTPの血中濃度が高い場合、肝臓の損傷や疾患が疑われます。

ケトン体の生成に関連して、肝臓の機能が低下するとγGTPの値が上昇する可能性があります。

一般的には、男性で9~64 U/L、女性で8~38 U/Lが正常範囲とされています。

② AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)

ASTALTは、肝臓での細胞損傷や炎症を反映する指標です。

肝細胞が損傷されると、これらの酵素が血中に放出され、血中濃度が上昇します。

ケトーシスの状態で肝臓がストレスを受けると、ASTおよびALTの値が上昇します。

ASTの正常範囲は10~40 U/L、ALTの正常範囲は7~56 U/Lです。

③ γグロブリン(γGlobulin)検査

γグロブリンは、免疫系の一部であり、肝臓の機能にも関与しています。肝臓の疾患や炎症が進行すると、γグロブリンの血中濃度が上昇します。

γグロブリンの値も肝臓の健康状態を評価する上で重要な指標です。

正常範囲は一般的に0.6~1.6 g/dLですが、機関や検査方法によって異なる場合があります。

④ フィブロスキャン

『フィブロスキャン』は、肝臓の硬度を非侵襲的に評価するための画像診断法です。

この検査では、超音波を用いて肝臓の硬度を測定し、肝臓の線維化や脂肪浸潤などの病変を検出します。

肝臓の線維化が進行すると、ケトン体の生成に関わる肝細胞の機能が低下します。

これらの検査を通じて、肝臓の機能や健康状態を総合的に評価することができます。

ケトン体を生成する肝臓の機能が低下している場合、糖質制限ダイエットによるケトーシスの状態が適切に制御されません。

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