こんにちは。運動指導士の鳥飼です。
腰が痛くてトータルケアラボラトリーにご相談に来られる方が、最近多い気がします。
腰が痛くなる原因を知ることで予防に役立つと思います。
また、トレーニングなどの運動によって、腰が痛くならないように補強する方法も解説していけたらと思います。
トータルケアラボラトリーではブログ記事を配信するのに合わせ、今回の記事もYoutube版も発信しています。良ければそちらもご覧になってください。
1.腰が痛くなる原因と予防
①特異性腰痛と非特異性腰痛
腰が痛くなる原因はたくさんあります。
筋肉に疲れがたまっていたり、血行不良によりコリやハリが続いたりと様々な原因が考えられます。
その他にも、ストレスやや内臓の病気、脊柱周辺の怪我、脊柱を中心とした変形などで痛みが出ている場合もあり、その場合は病院の受診をお勧めしています。
腰痛がレントゲンなどで原因を特定できる場合を特異性腰痛と呼びます。
全体の15%~30%の腰痛はこの特異性腰痛です。
しかし、残りの70%以上の腰痛は腰に原因がなかったり、原因を特定することができません。
これらを非特異性腰痛と呼びます。
②急性腰痛と慢性腰痛
腰が痛くなる原因をまずご紹介していきます。
腰痛と一言で言っても、実際には腰の付近に痛みやハリ、しびれなどの違和感を感じている症状の総称です。
その中でも、予兆もなく一気に痛みが来る場合を『急性腰痛』と呼びます。
一方で、長期間痛みに悩まされ続ける腰痛を『慢性腰痛』と呼びます。
急性腰痛は、性別関係なく多くの方が経験すると言われています。
多くの場合は、自然と回復します。
しかし、長引くこともありますので適切な対処を学んでおくことは大切なことだと思います。
病院に行かれる方で多くの場合は、腰の筋肉や靭帯の損傷、骨の変形や骨折であることが多いです。
病院では、腰痛からは想像もつかない内臓の病気やがんで腰が痛くなっていたと後からわかる場合もあります。
腰痛以外にも、下半身の麻痺、発熱、痛みのエスカレートなども稀にありますので、そういった症状がでたら迷わず病院へ相談に行ってください。
③腰の構造
腰の構造を少しお話しします。
腰の構造を把握すると、腰の痛みが起きる原因を理解することに役立ちます。
まずは脊柱の話をします。
腰は、腰椎と言われる5つの同じ形をした骨が積み重なっています。
腰椎と腰椎の間には椎間板と呼ばれる、クッションの役割をする部分があります。
腰の骨に強い衝撃や負荷を感じたり、椎間板の形が変形したりすると痛みを感じます。
腰椎と椎間板は体幹前面の前縦靭帯と、体幹後部の後縦靭帯とつながっています。
この2つの靭帯は、椎間板が腰椎の間から動いてしまうことを防ぐガードレールのような役割を果たします。
それでも椎間板が動いてしまい、神経に触れてしまうと痛みが出ます。
この状態を椎間板ヘルニアと呼びます。
④代表的な症例
『特異性腰痛』の代表的な症例をご紹介します。
★腰椎椎間板ヘルニア
★腰部脊柱管狭窄症
★脊椎分離症・脊椎すべり症
★圧迫骨折
★骨粗しょう症
『非特異性腰痛』に多い症例もご紹介します。
★ぎっくり腰 ➡ 急性腰痛の総称です。特定の原因はありません。重たいものを抱えたときや、体幹をひねる動作をしたとき、朝起きたばかりの時に起きやすいと言われています。
★筋・筋膜性腰痛症 ➡ 急に強い負荷が腰にかかる、想定より重いものをもって体が想定以上の動作を必要としたときに筋、靭帯などが傷ついてしまうことが原因で痛みが生じます。
★慢性腰痛 ➡ 痛みを感じて3カ月以上たっても痛い場合、慢性腰痛と診断されます。慢性腰痛は自然と回復することが少ないです。過去の腰痛が原因の場合や、加齢、肥満、喫煙、精神障害、認知症などに原因がある場合があります。
★変形性腰椎症 ➡ 腰椎の変形が原因で痛みが生じます。年齢とともにリスクが高まりますが、無症状の場合もあります。症状が進むと骨の回復過程で骨が尖った状態になる骨棘ができます。この棘によって痛みや腰が硬くなってしまいます。骨棘が神経に触れるとしびれます。
2.腰痛の予防
①トレーニング
腰痛の予防について話していきます。
一部の筋力トレーニングも効果があります。
体幹部を鍛えることで、背骨や腰部を支える力が強くなります。腰部の変形を予防する効果もあります。毎日コツコツと頑張って鍛えていきましょう。
長い時間同じ姿勢を取り続けたり、体に歪みを起こさせるような動作をしないように注意しましょう。
同じ負荷が加わり続けると筋肉が疲労し、腰が痛くなります。
猫背や巻き型、足を組む癖などは身体をゆがませる原因となります。
②ストレス
また、ストレスも腰痛の原因です。
精神ストレスが強い方ほど、職場の腰痛と関連があることが分かっています。
自分がどうしたらストレスを感じるのか、どうしたらストレスを解消できるのかを把握し、ストレスをためないようにしましょう。心因性の腰痛は解決方法が難しいため、ストレスケアを重要視しましょう。
③食事のバランス
食事のバランスを整えることもお勧めします。
骨や筋肉に必要な栄養をしっかりと食事から摂取しましょう。
タンパク質であればまぐろ、かつお、あじ、サンマ、牛肉、鶏肉、チーズ、卵、大豆がおすすめです。
カルシウムであれば、緑黄色野菜、乳製品、海藻、大豆などがおすすめです。
ビタミンであれば、ビタミンB1、B6、B12がおすすめです。お肉やレバー、卵に含まれています。
ビタミンEもお勧めです。緑黄色野菜、植物油、ナッツなどに含まれます。
④身体を休ませる
腰痛の予防には身体を休ませることも重要です。
お風呂に浸かるなどの筋肉も心も休ませられる時間を作ったり、ストレッチやマッサージを心がけてあげましょう。
3.腰痛を改善する
腰回りの筋肉をほぐすことで、血行が良くなります。
筋肉のコリは血行を改善してあげれば、改善されます。
筋肉をほぐす為に、マッサージやをしてあげることも有効です。
今からケアしたい4つの筋群をご紹介します。
①ケアしたい4つの筋群
指圧マッサージが可能な筋肉は是非マッサージをしてみてください。
インナーマッスルは、基本的には指圧は難しいのでストレッチや熱で温めることによって、血行を高めてあげましょう。
1.腰方形筋
2.脊柱起立筋
一言で脊柱起立筋と言っても、実際は腰肋筋.最長筋.棘筋のそれぞれが3つから成る総称です。
3.多裂筋
脊柱の回旋・伸展・側屈に関わる最も深い深層にあるインナーマッスルです。
オーバーユースになりやすく、コルと腰痛の原因筋になります。
残念ながら、ここの指圧は深層筋なので難しいと思われます。ストレッチやお灸などの熱によって血行改善を図ってみましょう。
4.腹横筋
腹横筋も体幹、骨盤を安定させるインナーマッスルです。
これもストレッチなどで血行を良くしていきたい筋肉です。
腹横筋は強化すると腰痛の予防にも役立ちます。
場所が分かれば、マッサージはそこを指で押したりテニスボールを当てて体重をかけることで効果が発揮できます。
押せる箇所であっても、押せない箇所であっても役立つケアの方法がストレッチです。
②4つのストレッチ
腰痛に役立つストレッチの方法について解説します。
各ストレッチを呼吸を止めずに、30秒ずつ行いましょう。
1.腰方形筋
腰方形筋のストレッチは、側屈で効果を出すことが可能です。
様々なストレッチで効果が期待できますが、簡単に間違いなく効果を出すには側屈が良いでしょう。
2.脊柱起立筋
脊柱起立筋のストレッチです。
これは仰向けに寝た状態で行う方法と、座位で行う方法とあります。
首の後ろに両手を当てて、前、斜め横と身体を前かがみに倒していきましょう。
3.多裂筋、を含む脊柱後部
多裂筋だけをストレッチするというより、一緒にユニットとして活動する脊柱後部のストレッチをしましょう。
腰にバスタオルやポールを当てます。
片膝を引き、膝がおへその位置に来るところでキープします。
その後、下肢をひねるようにしてお尻、腰を伸ばしていきましょう。
4.腹横筋を含む体幹ユニット
まず四つん這いになります。
土下座で頭を下げるイメージで腰を丸めながら、呼吸は深呼吸を繰り返しながらキープしていきます。
次に、お腹を伸ばすように胸を張って、下肢をべったり床につけます。
前を向いたままキープ、その後ひねりを加えてキープさせましょう。
いかがでしたか?
ストレッチはこの種目を行い、それぞれのユニットを緩めてあげてください。
4.腰を強くする
腰回りをトレーニングすることには2つの目的があります。
1つめは、腰痛を起きない体にする目的です。
2つめは、腰回りを綺麗に見せるためのボディメイク目的です。
それぞれ解説していきます。
①腰痛予防の為のトレーニング
まずは、腰痛にならないようにする為に行うトレーニングを解説していきます。
腰痛にならないようにする為には、お腹や腰回りといった体幹部やお尻の筋肉を含めた骨盤のトレーニングを行うことが有効です。
体幹部と骨盤をトレーニングすることの狙いをお話しします。
1.体幹と骨盤が安定する
腰やお腹、骨盤まわりの筋肉が落ちると体幹や骨盤は不安定な状態になります。
不安定になったり、逆に固まってしまったりすると痛みの原因となります。
腰やお腹、骨盤周りの筋肉を補強してあげることで体幹や骨盤は安定します。
日常動作で生じる負荷をなくすことはできないので、いかに身体にかかる負荷を減らすということが大切になります。
体幹や骨盤が安定することによって、体にかかる負荷が減り、正しい姿勢を保つことができるようになります。
2.血流・リンパの流れが改善する
腰痛の原因の中でも身体の冷えが影響して腰が痛くなる人がいます。
体が冷えるということは、血流が悪くなっている状態です。
血流だけではなく、老廃物を流してくれるリンパの流れも悪くなってしまいます。
しかし、筋力トレーニングを行うことによって血流は流れが良くなります。
血流だけではなく、リンパも流れが良くなります。
リンパの流れが良くなると、痛みの元となる老廃物も滞留が流れやすくなることで痛みを軽減してくれます。
結果的に、代謝機能も改善します。
3.筋肉のほぐれ
トレーニングを含め、運動を行うことで血流量が増えます。
筋肉内の血流量が増えることで、筋温が高くなります。
筋温が高くなると筋肉のコリが和らぐため、腰痛の予防になります。
トレーニング以外にも、ストレッチや体操も同じ効果があります。
筋力トレーニングには注意点があります。
トレーニング中に痛みが強くなる
腰痛の痛みがひどい
発熱やしびれがある場合
このような状況では、腰痛予防の為のトレーニングであったとしても、お勧めすることができません。
②腰痛改善の為のトレーニング
では、腰痛改善のためのトレーニング種目を紹介します。
1.プランク
腹横筋をはじめとした体幹のインナーマッスルを鍛える種目です。
30秒から初めて、最長90秒までできるようにチャレンジしてみてください。
2.片足ヒップリフト
片足ヒップリフトは腰、お尻、ハムストリングスを鍛えることができます。
姿勢が良くなったり、ヒップアップに役立ちます。
30秒キープからはじめて90秒までできるように頑張ってチャレンジしてみましょう。
3.クラムシェル
クラムシェルは横に寝た状態で、膝を90°に曲げ膝を開閉するトレーニング種目です。
股関節の中でもお尻の筋肉の深層部にある深層外旋六筋を鍛えることができます。
20回から始め60回できるようになるまで頑張ってチャレンジしてみましょう。
4.アブダクション
アブダクションは中殿筋と言われるお尻のインナーマッスルを鍛える種目です。
横に寝た状態で足を延ばし、上の足だけ45度上に開いたら閉じます。
このアブダクションも20回から始め60回を目指して頑張りましょう。
③ボディメイク目的のトレーニング
ここからは腰痛がなく、綺麗な身体を見せたくなったときに行うトレーニングを紹介します。
腰回りを綺麗に見せるためのボディメイク目的のトレーニングです。
1.グッドモーニング
立位で重りを肩の上に乗せた姿勢からスタートします。
胸を張ったまま90°お辞儀をする状態まで身体を前傾させ戻ります。
10回1セットを基本とし、フォームが崩れなくできる重さまでチャレンジしてみてください。
2.片足デッドリフト
これも90度までお辞儀をする種目です。
デッドリフトは、両足で行うイメージがあると思います。
しかし、今回は腰痛の改善というテーマに沿うと臀部に大きな刺激を入れたいので片足で行いましょう。
片足デッドリフトは、足を浮かせてバランスを取ることが難しい種目でもあります。
片足は、椅子などの段差に載せて行うことで楽にできます。
10回を基本として、フォームが崩れず行える重量で行いましょう。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
腰に痛みがあると気になって日常生活や仕事に支障が出てしまう方も多いと思います。
是非今回の記事を参考に腰痛予防、また、腰の綺麗な身体を作ってみましょう。
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