【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
痛みやしびれが出現すると、しばしばその症状の強さを基準にして治療の進行や病状の改善を判断してしまうことにあります。
例えば、痛みやしびれが軽くなれば、治りかけであると感じ、そして完全に消え去れば治癒したと思い込みがちです。
そのため、痛みやしびれが強くなると、状態が悪化したと感じることが一般的です。
しかし、これらの痛みやしびれは単なる症状に過ぎず、その根本的な原因を解決しているかどうかを示す指標ではありません。
今回の記事では、この誤った指標に基づく治療の誤りと、適切な治療指標について解説したいと思います。
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是非、過去の記事も参考にしてください。
痛みを指標にすべきでない理由
痛みの強さだけを治癒の指標にすることは間違いです。
痛みやしびれが出現すると、しばしばその症状の強さを基準にして治療の進行や病状の改善を判断してしまうことにあります。
例えば痛みやしびれが軽くなれば、治りかけであると感じ、そして完全に消え去れば治癒したと思い込みがちです。
そのため、痛みやしびれが強くなると、状態が悪化したと感じることが一般的です。
しかし、これらの痛みやしびれは単なる症状に過ぎず、その根本的な原因を解決しているかどうかを示す指標ではありません。
たとえば、腰椎間板ヘルニアの場合、坐骨神経痛が生じることがあります。
しかし、坐骨神経痛の程度が軽くなったからといって、腰椎間板ヘルニアが治癒したとは限りません。
なぜなら、坐骨神経痛の原因は脊椎の髄核が神経を圧迫しているからであり、その根本的な解決策は圧力を軽減することにあります。
この場合、腰椎にかかる圧力を和らげるために、圧を高めている特定の筋肉を緩める必要があります。
さらに、圧力を下げる筋肉を強化してサポートすることも重要です。
したがって、痛みやしびれの強さではなく、これらの筋肉の状態が治癒の指標となるべきです。
再発を防ぐためには、痛みやしびれの消失よりも、身体が再びヘルニアを発症しにくい状態になったかどうかが重要です。
つまり、症状の消失だけではなく、身体の構造や筋肉のバランスが改善され、再発リスクが低下したかどうかを評価すべきです。
従って、痛みやしびれの程度を治癒の指標とすることは不適切であり、症状の消失だけでなく、その背後にある根本的な原因や身体の状態の改善を考慮する必要があります。
怪我や傷害を評価する際には、単なる症状の緩和だけでなく、再発リスクを低減し、身体の機能を最適化することに焦点を当てるべきです。
対処療法と根本治療
対処療法と根本治療は、疾患や症状に対する2つの異なる側面です。
それぞれ、異なる目標や方法を持ち、怪我や病気の性質に応じて適切な治療法を選択する際に重要です。
対処療法は、主に症状の緩和や管理に焦点を当てます。
これは、症状を経験している間に不快感を軽減したり、生活の質を改善したりするために使用されます。
例えば、疼痛管理や炎症抑制のための鎮痛剤や抗炎症薬の処方、リハビリテーションの実施などが対処療法です。
対処療法は、症状の即時的な緩和が必要な場合や、病気や障害の根本的な原因に直接対処することが難しい場合に特に有効です。
また、症状が患者の日常生活に影響を与えている場合や、治癒が困難な状況下での緩和が必要な場合にも適しています。
一方、根本治療は、疾患や症状の原因に対処し、その根本的な原因を解決することを目指す治療です。
これは、病気や障害の根本的なメカニズムやプロセスを理解し、それらを修正または改善することで、持続的な効果を得ることを目指します。
根本治療は、病気や症状の進行を防ぎ、再発や合併症のリスクを減らすために非常に重要です。
例えば、根本治療の一形態として、疾患の原因となる生活習慣の改善や食事療法の導入、運動療法やストレス管理などが挙げられます。
また、疾患の進行を遅らせ、患者の健康と生活の質を向上させることを目指して、根本治療には抗ウイルス薬や抗生物質などの特定の薬物療法も含まれます。
対処療法と根本治療は、一般的に相補として使用されることがあります。
対処療法は症状の管理を行いながら、根本治療が進むまでの期間を橋渡しする役割を果たします。
また、根本治療が完全に実施される前に症状の緩和が必要な場合には、対処療法が有効であることがあります。
疾患や症状によっては、対処療法のみで十分な場合もありますが、根本治療が必要な場合もあります。
適切な治療法を選択するためには、状態や病歴、症状の重症度などを総合的に評価することが重要です。
対処療法と根本治療の両方が適切に組み合わせられることで、患者の健康と生活の質を最大限に改善することができます。
まとめ
痛みやしびれが発生する障害や怪我をしたとき、その症状が身体の何らかの異常を示していることは明白です。
しかし、痛みやしびれが単なる症状であり、その背後にある根本的な原因を見逃してはなりません。
なぜなら、症状の緩和だけでなく、その原因の解決こそが真の治療の目的であり、再発の発生を防ぐ鍵となるからです。
痛みやしびれは、神経系や筋肉、骨格などの身体の部位に何らかの異常がある場合に生じる典型的な症状です。
症状は、怪我や障害、炎症、神経圧迫、筋肉の緊張などさまざまな原因によって引き起こされます。
そのため、まず痛みやしびれが何を示しているのかを正確に把握することが不可欠です。
痛みやしびれが症状であるということは、身体に何らかの問題が存在していることを示しています。
しかし、その症状のみ考え、その原因を解決しないまま症状の緩和だけを行うのは、治療の一時的な手段に過ぎません。
例えば、痛みを抑える薬や痛みを和らげる物理療法を行うことで、一時的に痛みやしびれを軽減することができますが、その背後にある根本的な原因が解決されない限り、再発のリスクが高まります。
根本療法とは、症状の背後にある根本的な原因を解決することを目指す治療です。
これは、痛みやしびれの原因を特定し、その原因を修正または改善することで、持続的な効果を得ることを目指します。
根本療法の目的は、症状の緩和だけでなく、再発の発生を防ぎ、患者の健康と生活の質を向上させることです。
例えば、腰痛や坐骨神経痛の場合、腰椎間板ヘルニアや神経の圧迫などが原因となることがあります。
この場合、根本療法は、圧迫された神経を解放する手術や、筋肉のバランスを改善し、脊椎の安定性を回復するためのリハビリテーションプログラムの実施などが含まれます。
これにより、痛みやしびれの原因が解決され、再発のリスクが低減されます。
また、痛みやしびれが慢性的なストレスや不良姿勢、運動不足などの生活習慣や環境要因によって引き起こされる場合もあります。
この場合、根本療法は、生活習慣の改善や適切な運動プログラムの導入などが含まれます。これにより、身体のバランスが回復し、痛みやしびれの原因が解決されることが期待されます。
痛みやしびれが再発するリスクを最小限に抑えるためには、根本療法のみならず、対処療法も重要です。
対処療法は、痛みやしびれの緩和や管理を行いながら、根本療法が実施されるまでの期間を橋渡しする役割を果たします。
また、根本療法の一環として、対処療法が使用されることもあります。
例えば、痛みを和らげるための薬物療法や物理療法が、根本療法が完全に実施されるまでの間、症状の管理に役立つ場合があります。
痛みやしびれが発生する際には、痛みやしびれが症状であることを認識し、その背後にある根本的な原因を把握することが重要です。
そして、その原因を解決するために、根本療法を実施することが必要です。根本療法によって再発のリスクが低減され、患者の健康と生活の質が向上することができます。