【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
体脂肪を燃やしたいと思ってダイエットを頑張っている方で筋力トレーニングをされている方は多いと思います。
ダイエットと言えば、食事、有酸素運動、筋力トレーニングと3つ選択肢があると思います。
どは、筋力トレーニングをしている方はどのようなトレーニングをすると良いのでしょうか?
筋肉量を増やす為の筋肥大トレーニングも良いでしょう。
燃焼効率を増やすための筋持久力トレーニングも良いと思います。
どちらかに絞ってもいいですし、バランス型でもいいですよね。
今日はこの選択ができるように、筋肥大トレーニングや筋持久力トレーニングについて解説していきたいと思います。
トータルケアラボラトリーでは健康管理士資格保有者とトレーナー資格保有者があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
予防医療とフィットネスをコラボさせたパーソナルトレーニングジムです。
健康管理士であり、トレーナーでもある鳥飼が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。
1章.トレーニングと脂肪の燃焼
脂肪の燃焼は、脂肪組織からエネルギーを作り出すことです。
筋力トレーニングは、筋肉を強くすることや増やすことを目的とした運動です。
一般的には有酸素運動が脂肪燃焼に効果的なイメージですが、実際には筋力トレーニングも脂肪燃焼に重要な役割を果たしています。
筋力トレーニングは筋肉量を増やすさため、基礎代謝率(BMR)というものを増やします。
BMRとは、何もしていないときに身体が消費するエネルギー量のことであり、筋肉量が多いほど高くなります。
高いBMRは、脂肪を燃焼するために必要なエネルギーの消費量を増やすため、脂肪燃焼に役立ちます。
また、筋力トレーニングは、運動後の代謝率も増やすアフターバーン効果というものも生み出します。
運動中に筋肉が受けるダメージを修復するために、身体はエネルギーを8時間にわたって消費します。
これは運動後から数日間続くこともあります。
その結果、筋力トレーニング後も8時間から数日間は基礎代謝率が上昇し、脂肪燃焼が促進されます。
更に、筋力トレーニングはインスリン感受性を向上させる効果があります。
インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、血糖値を下げるときにカロリーは脂肪に変えられます。
つまり、食事をしてインスリンが出れば出るほど脂肪は増えます。
インスリン感受性とはインスリンがどれくらいの量で血糖値が安定するかを示したものです。
インスリン感受性が高いということは、少しのインスリンで血糖値が元に戻るので脂肪は少ししか蓄えられません。
しかし、インスリン感受性が低くなると大量にインスリンを分泌するため、大量に脂肪が作られてしまいます。
トレーニングはこのインスリン感受性を高める効果があり、高いインスリン感受性は血糖値の調節に役立ちます。
筋力トレーニングによって筋肉が強化されると、筋肉が血糖をより効果的に取り込むことができるようになります。
結果として、血糖値の上昇を抑え、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
他にも筋力トレーニングは骨密度を向上させ、姿勢や身体機能を改善する助けとなります。さらに、筋力トレーニングは心血管疾患や2型糖尿病のリスクを低減する効果もあります。
2章.アフターバーン効果
筋力トレーニング後のアフターバーン効果は、脂肪燃焼に対して重要です。
トレーニング後の体内の代謝活動が増加し、エネルギー消費が持続し脂肪が燃焼します。
筋力トレーニングによって筋肉が受ける刺激により、筋肉内のミトコンドリアが活性化します。
ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを作る役割を担っており、その活性化によってエネルギー生産が増加します。
このエネルギーは、脂肪酸の酸化(燃焼)に利用されます。
さらに、筋力トレーニングによって筋肉内のグリコーゲンの消費量も増加します。
グリコーゲンは筋肉内でメインのエネルギー源であり、その消費によって血液中の血糖値が低下します。
低血糖状態では、体内の脂肪組織から脂肪酸が遊離し分解され、遊離脂肪酸として運搬され筋肉に取り込まれ、最終的にエネルギーとして燃焼されます。
さらに、筋力トレーニングによって筋肉の合成が促進されます。
筋肉の合成は、エネルギー消費が増加するだけでなく、基礎代謝率の向上ももたらします。
基礎代謝率は、安静時に消費されるエネルギー量を指し、筋肉量が多いほど高くなります。
したがって、筋力トレーニングによって筋肉量が増えることで、基礎代謝率が上昇し、脂肪燃焼が促進されます。
また、筋力トレーニング後のアフターバーン効果は、エポック(運動後の酸素消費量)の増加にも関連しています。
運動後の酸素摂取量が安静時よりも高い状態を指し、トレーニング後の体内の代謝活動を反映しています。
つまり、トレーニング後に持続的なエネルギー消費をもたらし、脂肪燃焼を促進します。
3章.基礎代謝率
筋力トレーニング効果は基礎代謝率の向上にも役立ちます。
基礎代謝率とは、安静時に身体が消費するエネルギー量のことであり、体内の生命維持活動や基本的な代謝に必要なエネルギーのことです。
筋力トレーニングによって筋肉が増強されると、筋肉組織の量が増えるため、基礎代謝率が上昇します。
筋肉はエネルギーを消費する組織であり、酸素を使用して脂肪や糖質を燃焼させるため、筋肉量が増えると基礎代謝率も増加します。
筋力トレーニングによって筋肉が収縮する際に必要なエネルギーは、主にアデノシン三リン酸(ATP)から供給されます。
ATPは酸素を必要とせずに速やかにエネルギーを供給できるため、高強度の運動時に重要な役割を果たします。
筋力トレーニングによって筋肉が増強されると、筋肉内のミトコンドリア(エネルギー生産の場)の数や活性も増加し、ATPの合成能力が向上します。
さらに、筋肉は安静時でもエネルギーを消費するため、筋力トレーニングによって増強された筋肉量が基礎代謝率の向上に役立ちます。
筋肉は脂肪組織よりもエネルギーを多く消費するため、筋肉量が増えると基礎代謝率が上昇し、脂肪燃焼効果も高まります。
筋力トレーニングによって増強された筋肉は、身体活動時のエネルギー需要を満たすためにも重要です。
例えば、日常生活での歩行や階段の昇降などの身体活動では、筋肉が必要なエネルギーを供給し、脂肪燃焼を促進します。
4章.高重量トレーニング
高重量ウェイトトレーニングと筋持久力ウェイトトレーニングは、それぞれ異なる効果を持つトレーニング方法です。
高重量ウェイトトレーニングは、筋力や筋肥大を目的としたトレーニング方法です。
このトレーニングでは、一度に扱う重量が非常に重くなります。
高重量を扱うことで、筋肉繊維に強い刺激を与えることができます。これにより、筋肉の成長や強化が促進されます。
脂肪燃焼とは体脂肪を減らすためのプロセスです。
脂肪燃焼は主に有酸素運動によって行われます。
有酸素運動は心拍数を上げ、エネルギーを消費することで脂肪を燃焼させます。
実は、高重量ウェイトトレーニング後に脂肪燃焼が行われると、筋肉の成長を促進します。
筋肉量が増え基礎代謝率が高いと、日常生活や休息時にも多くのカロリーを消費することができます。その結果、脂肪燃焼が促進されます。
また、実際はトレーニングをしていないトレーニング後の時間にも脂肪燃焼は行われます。
高強度トレーニングにはトレーニング後にエネルギーを消費し続ける効果があります。
この現象はエポック効果と呼ばれ、運動後の代謝率が一時的に上昇します。
これにより、トレーニング後にも脂肪燃焼が続く可能性があります。
また、高重量ウェイトトレーニングは筋肉の成長を促進するため、筋肉量が増加します。筋肉は体脂肪を燃焼するのに効果的な組織であり、筋肉量の増加により脂肪燃焼が促進される可能性があります。
また、筋肉の形成により体組成が改善され、より引き締まった体型を実現することができます。
高重量トレーニングの反対の効果をもたらすのが筋持久力ウェイトトレーニングです。
これは一度に扱う重量が低く、回数やセット数を増やすトレーニング方法です。
このトレーニングは筋持久力を向上させるため、筋力や筋肥大よりも持久力を重視します。
筋持久力ウェイトトレーニングは高強度ではないため、1回のエネルギー消費量は高くありません。
そのため、1回の脂肪燃焼効果は高重量ウェイトトレーニングほどではありません。
ただし、筋持久力ウェイトトレーニングは有酸素運動としての側面も持ちます。
回数やセット数を増やすことで心拍数を上げ、心肺機能の向上に寄与します。心肺機能の向上により、有酸素運動による脂肪燃焼が促進されます。
5章.筋持久力トレーニング
筋持久力ウェイトトレーニングは、脂肪燃焼能力を高めるための効果的な方法です。
このトレーニングは、筋肉の持久力を向上させることで、エネルギー消費を増やし、脂肪を燃焼させる効果があります。
ウェイトトレーニングは、重い重量を使って筋肉を鍛えることで知られていますが、筋持久力トレーニングでは、重量よりも回数やセット数に焦点を当てます。つまり、一度に行う重量は軽くても、多くの回数やセットを行うことで筋持久力を向上させます。
このトレーニング方法によって筋持久力が向上すると、脂肪燃焼能力が高まります。
筋持久力トレーニングによって筋肉が強化されると、筋肉の代謝率が上昇します。
つまり、筋肉が休息している間でもエネルギーを消費しやすくなります。これにより、日常生活や運動中により多くの脂肪が燃焼されるようになります。
筋持久力トレーニングは、トレーニング中に筋肉を酸素不足にします。
この酸素不足によって、エネルギー供給のために体内の糖質や脂肪は利用されます。
その結果、トレーニング後も基礎代謝率が上昇し、脂肪燃焼が促進されます。
また、筋持久力トレーニングは、インスリン感受性を向上させる効果があります。
インスリンは、血糖値を下げる役割を果たすホルモンであり、高いインスリン感受性は血糖値のコントロールに役立ちます。
筋持久力トレーニングによって筋肉が強化されると、筋肉がより効率的に血糖を取り込み、利用することができるようになります。これにより、血糖値の安定化や脂肪燃焼が促進されます。
6章.どちらか一択なら高重量
脂肪燃焼に特化してダイエットを考えるなら、筋持久力ウェイトトレーニングと高重量トレーニングのどちらを選択すべきかについて解説します。
まず、脂肪燃焼を促進するためには、エネルギー消費が重要です。
筋持久力ウェイトトレーニングは、長時間にわたって継続的な筋肉の収縮を必要とするため、エネルギー消費が高くなります。
一方、高重量トレーニングは短時間で高強度の筋肉収縮を行うため、エネルギー消費は比較的低くなります。
したがって、エネルギー消費を重視する場合は、筋持久力ウェイトトレーニングを選択することが適しています。
次に、筋持久力ウェイトトレーニングは、筋肉の持久力や耐久性を向上させる効果がありますが、筋肉の増加効果は比較的低いです。
一方、高重量トレーニングは筋肉の増加を促進する効果があります。
筋肉量が増えると、基礎代謝が上昇し、脂肪燃焼が促進されます。
したがって、筋肉増加を重視する場合は、高重量トレーニングを選択することが適しています。
さらに、筋持久力ウェイトトレーニングは、トレーニング中の筋肉の収縮により、一時的な代謝効果をもたらします。
一方、高重量トレーニングは筋肉の再建や修復に時間がかかるため、長期的な代謝効果が期待できます。
長期的な代謝効果は、休息時のエネルギー消費を増加させ、脂肪燃焼を促進させます。
したがって、代謝効果を重視する場合は、高重量トレーニングを選択することが適しています。
ここまでのことを総合的に考えると、脂肪燃焼に特化したダイエットでは、筋持久力ウェイトトレーニングよりも高重量トレーニングを選択することが効果的です。
高重量トレーニングはエネルギー消費は低いものの、筋肉増加や長期的な代謝効果が期待できるため、脂肪燃焼を促進する効果が高いと考えられます。
7章.組み合わせるメリット
脂肪燃焼に特化したダイエットにおいて、時間と労力があるなら筋持久力ウェイトトレーニングと高重量トレーニングを組み合わせることにメリットがあります。
筋持久力ウェイトトレーニングは、軽めの重量を使って多数の反復を行うトレーニング方法です。
このトレーニングは、筋肉の持久力や耐久力を向上させる効果があります。
このようなトレーニングでは、筋肉繊維のエネルギー供給に主に酸素が使われるため、有酸素運動としても効果的です。
また、筋持久力ウェイトトレーニングは筋肉の成長を促すため、基礎代謝を上げる効果も期待できます。
一方、高重量トレーニングは、重い重量を使って少ない反復を行うトレーニング方法です。
このトレーニングは、筋肉の力強さやパワーを向上させる効果があります。具体的な例としては、バーベルを使って行うデッドリフトやベンチプレスなどが挙げられます。
高重量トレーニングでは、筋肉繊維のエネルギー供給に主に糖質が使われるため、無酸素運動としても効果的です。
また、高重量トレーニングは筋肉の大きさを増やすため、基礎代謝を上げる効果も期待できます。
筋持久力ウェイトトレーニングでは有酸素運動としても効果的であり、高重量トレーニングでは無酸素運動としても効果的です。
このため、筋持久力ウェイトトレーニングと高重量トレーニングを組み合わせることで、有酸素運動と無酸素運動の両方を行うことができます。
これにより、トレーニング中だけでなく、トレーニング後もエネルギー消費が増加し、脂肪燃焼効果が高まります。
筋持久力ウェイトトレーニングは筋肉の成長を促し、高重量トレーニングは筋肉の大きさを増やす効果があります。
筋肉量が増えると、基礎代謝が上がり、静止時にも多くのエネルギーを消費するようになります。
また、筋肉は脂肪を燃焼するためのエネルギー源としても利用されるため、筋肉量の増加は脂肪燃焼効果を高める要素となります。
筋持久力ウェイトトレーニングと高重量トレーニングは、それぞれ異なる刺激を筋肉に与えます。
これにより、筋肉がより効率的に成長し、適応しづらくなる効果があります。
また、トレーニングのバリエーションを取り入れることで、飽きずにモチベーションを高めることができます。
8章.高重量トレーニングの重量と回数、セット数
一般的なガイドラインとしては、高重量トレーニングでは回数1レップを行うセット数は3〜5セット程度が推奨されています。
また、高重量トレーニングでは十分な休息時間を確保することも重要です。
回数1レップを行う際には非常に高い負荷がかかるため、十分な休息時間を取ることで十分な回復を促すことができます。
一般的なガイドラインとしては、セット間の休息時間は2〜3分程度が推奨されています。
100%の重量では怪我のリスクもあるため、少し軽くしてトレーニングを行うことも効果的です。
脂肪燃焼を促進するためには、筋肉を効果的に刺激する必要があります。
一般的には8〜12回程度のレップ数が推奨されています。
この範囲では、筋肉が適度な負荷を受けることができ、脂肪燃焼に効果的な刺激を与えることができます。
セット数は初心者の場合は2〜3セット程度から始めることが一般的です。
中級者以上の場合は3〜4セット程度を目安に設定することが多いです。
ただし、高重量トレーニングでは筋肉への負荷が大きいため、セット数を増やしすぎると過度の疲労を引き起こす可能性があります。適度な負荷と十分な回数のセットを行うことが重要です。
また、高重量トレーニングでは休息時間も重要な要素です。筋肉の回復を促すために、セット間の休息時間は60〜90秒程度を目安に設定することが一般的です。
これにより、筋肉が適切にリカバリーし、次のセットで最大限の力を発揮することができます。
9章.筋持久力トレーニングの重量、レップ数、セット数
重量の設定ですが、脂肪燃焼を促進するためには筋肉を効果的に刺激する必要があります。
一般的には50%程度の重量を選ぶことが推奨されています。
これは、1RM(1回最大持ち上げ可能重量)の約50%の重量を使用することを意味します。このような軽い重量を選ぶことで、筋肉を長時間使用することができます。
次に、レップ数の設定です。
脂肪燃焼を促進するためには、筋肉を疲労させる必要があります。一般的には12〜15回程度のレップ数を行うことが推奨されています。
これにより、筋肉が疲労し、エネルギー消費が増加します。
最後に、セット数の設定です。
脂肪燃焼を促進するためには、筋肉に負荷をかける回数を増やす必要があります。
一般的には5セット程度行うことが推奨されています。
これにより、筋肉が繰り返し刺激され、エネルギー消費が増加します。
10章.まとめ
いかがだったでしょうか。
時間がある人であれば、筋持久力も含めたトレーニングと高重量トレーニングを組み合わせて行うと良いと思います。
しかし、時間がない場合は高重量トレーニングに絞ってトレーニングを行ってみることも良い手だと思います。
回数やセット数も記事を参考に組んでみてください。