【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
食欲の調節はダイエットや健康において重要です。
近年の研究により、運動によって分泌される乳酸フェニルアラニン(Lactate Phenylalanine)が食欲を抑制する役割を持つことが明らかになってきました。
この記事では、乳酸フェニルアラニンについて詳しく解説します。
『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。
【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。
是非、Udemyの講座も受講してください。
乳酸フェニルアラニン
乳酸とフェニルアラニン
乳酸は、主に運動中にエネルギーを作るときに出る代謝産物です。
燃えカスみたいなものです。
筋肉の疲労や筋肉を酸性にする原因となります。
一方、フェニルアラニンは、必須アミノ酸の一つです。
体内でさまざまな重要な仕事をしています。
乳酸フェニルアラニンとは、この2つが結合した化合物です。
生成
運動中に筋肉が運動すると、エネルギーを供給するために糖(グルコース)が代謝され、乳酸が生成されます。
同時に、筋肉や肝臓に存在するフェニルアラニンと結合し、乳酸フェニルアラニンが作られます。
この化合物は、血液に乗って全身を巡り、特定のセンサー(受容体)に作用することで様々な効果を発揮します。
食欲調節と乳酸フェニルアラニン
メカニズム
乳酸フェニルアラニンが食欲を抑制するメカニズムは、脳の視床下部に作用することによります。
視床下部は食欲とエネルギーバランスを調節する中枢であり、ここに存在する特定の神経ニューロンが食欲の増減に関わります。
受容体と作用
乳酸フェニルアラニンは、視床下部の特定の受容体に結合することで、その効果を発揮します。
この結合により、食欲を刺激するニューロンの活動が抑えられ、満腹感を引き起こします。
結果として、食欲が抑制され、食事量が減少します。
乳酸フェニルアラニンを作るのは運動
有酸素運動
有酸素運動(ランニング、サイクリング、水泳など)は、乳酸の生成を促進する効果があります。
これにより、乳酸フェニルアラニンの生成が増加し、食欲抑制効果が発揮されます。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)
高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、短時間で高い運動強度を繰り返すトレーニング方法です。
HIITは、乳酸の急激な生成を促進し、乳酸フェニルアラニンの分泌を増加させる効果があります。
これにより、食欲抑制効果が得られやすくなります。
筋力トレーニング
筋力トレーニング(ウェイトリフティングなど)も乳酸の生成を促進し、乳酸フェニルアラニンの分泌を増やすことができます。
特に、大筋群を対象としたトレーニングは効果的です。
食欲調節ホルモンの相互作用
グレリン
グレリンは、空腹感を引き起こすホルモンであり、主に胃から分泌されます。
乳酸フェニルアラニンは、グレリンの分泌を抑制する効果があるとされています。
これにより、食欲がさらに抑制されます。
レプチン
レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、満腹感を引き起こします。
乳酸フェニルアラニンは、レプチンの作用を増強することで、食欲抑制効果を高めます。
ペプチドYY(PYY)
ペプチドYYは、腸管から分泌されるホルモンで、食事後に分泌が増加し、食欲を抑制します。
乳酸フェニルアラニンは、PYYの分泌を促進することで、さらなる食欲抑制効果を発揮します。
食欲抑制
運動の定期的な実践
乳酸フェニルアラニンの食欲抑制効果を最大化するためには、定期的な運動が必要です。
週に3〜5回の運動を目指し、有酸素運動、HIIT、トレーニングをバランスよく取り入れることが推奨されます。
食事の工夫
タンパク質や食物繊維食を摂取することで、食欲抑制ホルモンの分泌を促進し、乳酸フェニルアラニンの効果を補完することができます。
特に、運動後の食事は重要で、適切な栄養を摂取することでホルモンバランスを整えることが可能です。
睡眠とストレス解消
十分な睡眠と適切なストレス管理も、乳酸フェニルアラニンの効果を最大化するために重要です。
睡眠不足やストレスは食欲調節ホルモンのバランスを乱し、食欲を増進させる可能性があります。
科学的研究と実証
乳酸フェニルアラニンの研究
乳酸フェニルアラニンの食欲抑制効果に関する研究は、動物モデルおよびヒト試験の両方で行われています。
これらの研究により、乳酸フェニルアラニンが視床下部の食欲調節メカニズムに作用することが示されています。
実践に基づく証拠
運動プログラムを取り入れた人々の報告によると、乳酸フェニルアラニンの分泌が増加することで、食欲が抑制され、体重管理が容易になることが多く報告されています。
これらの実践に基づく証拠は、乳酸フェニルアラニンの効果を裏付けています。
実践
運動の設定
乳酸フェニルアラニンの分泌を最大化するためには、適切な運動ルーチンを設定することが重要です。
週に少なくとも3回の有酸素運動、1〜2回のHIIT、そして2〜3回のトレーニングを組み合わせることが理想的です。
栄養バランス
運動後のリカバリー食として、タンパク質の食品(鶏肉、魚、大豆製品など)や食物繊維の食品(野菜、果物、全粒穀物など)を積極的に取り入れることで、乳酸フェニルアラニンの効果をサポートします。
睡眠とリラクゼーション
毎晩7〜8時間の質の高い睡眠を確保することが、ホルモンバランスの維持に役立ちます。
また、日常生活にリラクゼーション(ヨガ、瞑想、深呼吸など)を取り入れることで、ストレスを軽減し、乳酸フェニルアラニンの効果を高めることができます。
まとめ
乳酸フェニルアラニンは、運動によって生成される化合物であり、食欲抑制に重要な役割を果たします。
このホルモンの効果を最大化するためには、定期的な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠、そして適切なストレス管理が必要です。
科学的な背景に基づいたこれらの方法を実践することで、健康的な体重管理と理想的な食欲調節が実現します。
乳酸フェニルアラニンのメカニズムを理解し、日常生活に取り入れることで、持続的な健康が達成されるでしょう。
是非やってみましょう!