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巡りから見る体質8種

【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】

東洋医学は数千年にわたる歴史を持つ伝統医学であり、中国を中心に発展しました。
古代中国では、健康と病気は自然界との調和を基盤に考えられており、「気・血・水」のバランスが重要視されました。
古代の医師たちは観察と経験を重ね、人体の健康を保つための理論を構築しました。
これらの理論は「黄帝内経」や「神農本草経」といった古典にまとめられ、現代でも多くの人々の健康管理に利用されています。

『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。
【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。

体質

東洋医学は西洋医学とは異なる視点で健康を捉え、全身のバランスを重視します。
このため、個々の体質や症状に応じたアプローチが求められます。
特に、体質を8つの証(寒証、熱証、気虚、気滞、血虚、瘀血、陰虚、水滞)に分類し、それぞれに適した治療法を提案することで、効果的な健康管理を実現しています。

1. 寒証

寒証は、体が冷えやすく、寒さに弱い体質を指します。
冷えによって気・血・水の巡りが滞りやすくなり、さまざまな症状を引き起こします。

気・血・水との関係

  • : 気の流れが滞りやすく、エネルギー不足を感じることが多いです。寒さによって体が硬直し、気の巡りが妨げられます。
  • : 血の循環が悪くなり、冷え性や貧血、手足の冷えが見られます。冷えが血管を収縮させ、血流を阻害します。
  • : 水分代謝が悪くなり、むくみや頻尿が起こることがあります。冷えが体内の水分調整を妨げるためです。

熱と冷え

  • 冷え: 寒証の主な特徴は冷えです。寒さに敏感で、温かい環境や食事を好みます。

具体的な対策

  • 温める食事: 生姜やシナモンなどの温性食材を摂取します。
  • 適度な運動: 血行を促進し、体を温める運動を取り入れます。
  • 漢方薬: 附子理中湯などの温補薬が有効です。

2. 熱証

熱証は、体に熱がこもりやすく、熱さに弱い体質を指します。体内の熱が過剰になることで、さまざまな不調を引き起こします。

気・血・水との関係

  • : 気の巡りが過剰になり、興奮しやすく、イライラしやすいです。熱によって気が上昇し、精神的不安定を引き起こします。
  • : 血が熱を帯びて、炎症や出血しやすい状態になります。熱が血液の流れを速め、炎症を促進します。
  • : 水分が熱によって蒸発しやすく、乾燥やのどの渇きが見られます。体内の水分が不足しやすくなります。

熱と冷え

  • : 熱証の主な特徴は体内の熱です。体温が高く、熱さに敏感です。

具体的な対策

  • 冷やす食事: きゅうりや西瓜などの涼性食材を摂取します。
  • 冷却法: 冷たいタオルや風呂で体温を下げます。
  • 漢方薬: 黄連解毒湯などの清熱薬が有効です。

3. 気虚

気虚は、気(エネルギー)が不足している状態を指します。体力や免疫力が低下しやすく、疲れやすい特徴があります。

気・血・水との関係

  • : 気が不足しているため、疲労感や倦怠感が常にあります。体のエネルギーが不足し、元気が出ません。
  • : 気が不足することで、血の巡りも悪くなりやすいです。気が血を推動する力が弱くなります。
  • : 気の不足は水分代謝にも影響し、むくみや水滞が起こることがあります。体内の水分循環が滞ります。

熱と冷え

  • 冷え: 気が不足していると、体を温める力も弱くなり、冷えを感じやすくなります。

具体的な対策

  • 補気食材: 人参や山薬などの補気作用のある食材を摂取します。
  • 休息とリラックス: 十分な休息とストレス管理が必要です。
  • 漢方薬: 四君子湯や補中益気湯が有効です。

4. 気滞

気滞は、気の流れが滞っている状態を指します。ストレスや精神的な緊張が原因で気の巡りが悪くなります。

気・血・水との関係

  • : 気の流れが滞ることで、精神的な不調やストレスが増加します。気の停滞が心理的な影響を及ぼします。
  • : 気の滞りは血の巡りにも影響し、痛みや不快感を引き起こします。気の流れが悪いと、血も滞ります。
  • : 気滞が進行すると、水の巡りも悪くなり、むくみや水滞が見られます。気が水を動かす力が弱まります。

熱と冷え

  • 冷え: 気の流れが滞ることで、局所的な冷えが生じることがあります。

具体的な対策

  • リラックス法: ヨガや瞑想などのリラックス法を取り入れます。
  • 理気食材: 柑橘類や薄荷などの理気作用のある食材を摂取します。
  • 漢方薬: 半夏厚朴湯や柴胡疎肝湯が有効です。

5. 血虚

血虚は、血が不足している状態を指します。貧血や栄養不足が原因で、全身に十分な血液が供給されません。

気・血・水との関係

  • : 血が不足すると、気の巡りも悪くなり、疲労感が増します。血虚が気虚を引き起こすことがあります。
  • : 血が不足しているため、肌の乾燥やかすみ目、爪の割れなどが見られます。血液が不足すると、各組織が栄養不足になります。
  • : 血虚は水分代謝にも影響し、乾燥や便秘が起こることがあります。水分のバランスが崩れます。

熱と冷え

  • 冷え: 血が不足していると、体を温める力も弱くなり、冷えを感じやすくなります。

具体的な対策

  • 補血食材: レバーや黒豆などの補血作用のある食材を摂取します。
  • 栄養バランスの改善: 栄養豊富な食事を心がけます。
  • 漢方薬: 四物湯や当帰芍薬散が有効です。

6. 瘀血

瘀血は、血の流れが滞り、血が部分的に凝り固まっている状態を指します。瘀血は痛みや腫れの原因となります。

気・血・水との関係

  • : 血の滞りは気の流れも悪くし、気滞を引き起こすことがあります。血の停滞が気の停滞を促進します。
  • : 血の滞りが顕著で、痛みやしこり、皮膚の変色が見られます。血液が固まって流れなくなります。
  • : 血の滞りが進行すると、水の巡りにも影響し、むくみが生じることがあります。体液の循環も阻害されます。

熱と冷え

  • 冷え: 血の滞りが冷えを引き起こすことがあり、特に痛みのある部分が冷たく感じることがあります。

具体的な対策

  • 活血食材: 魚介類や玉ねぎなどの活血作用のある食材を摂取します。
  • 適度な運動: 血行を促進する運動を取り入れます。
  • 漢方薬: 血府逐瘀湯や桂枝茯苓丸が有効です。

7. 陰虚

陰虚は、体内の陰(潤い)が不足している状態を指します。体が乾燥しやすく、熱を感じやすくなります。

気・血・水との関係

  • : 陰が不足すると、気の巡りも乱れやすくなります。陰の不足が気の過剰を引き起こすことがあります。
  • : 陰が不足することで、血液の質が低下し、乾燥や栄養不足が起こります。陰虚は血虚と関連します。
  • : 陰の不足は水分の巡りにも影響し、乾燥やのどの渇きが見られます。体の潤いが不足します。

熱と冷え

  • : 陰虚の主な特徴は体内の熱感です。体が熱っぽく感じ、夜間に汗をかきやすくなります。

具体的な対策

  • 滋陰食材: クコの実や梨などの滋陰作用のある食材を摂取します。
  • 潤いを保つ: 十分な水分補給と湿度のある環境を心がけます。
  • 漢方薬: 六味地黄丸や麦味地黄丸が有効です。

8. 水滞

水滞は、体内の水分が過剰に滞っている状態を指します。水分代謝が悪くなり、むくみや水の滞留が生じます。

気・血・水との関係

  • : 水分の滞りは気の流れも阻害し、エネルギー不足を引き起こします。水滞が気虚を悪化させます。
  • : 水の滞りが進行すると、血の巡りも悪くなり、冷えや血行不良が見られます。血行が阻害されます。
  • : 水が過剰に滞っているため、むくみや重だるさが主な症状となります。水分の過剰蓄積です。

熱と冷え

  • 冷え: 水滞は冷えを伴うことが多く、特にむくんでいる部分が冷たく感じられます。

具体的な対策

  • 利水食材: 冬瓜やハトムギなどの利水作用のある食材を摂取します。
  • 運動とマッサージ: 水分代謝を促進するための運動やリンパマッサージを行います。
  • 漢方薬: 五苓散や猪苓湯が有効です。

まとめ

東洋医学の8つの証(体質タイプ)は、体質や症状に応じた改善の重要な指標です。
気・血・水のバランスが崩れると、様々な健康問題が発生します。
各証に応じた食事、運動、漢方薬の利用などを通じて、体のバランスを整えることが美容やダイエット、健康維持と病気予防につながります。
東洋医学の深い歴史と理論を理解し、日常生活に取り入れることで、より健やかでバランスの取れた生活を実現しましょう。