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トレーニングやりすぎに警告!突然死リスクをチェックしながら取り組もう

【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
筋肉を鍛えることは健康に良いとされ、多くの人が筋トレに励んでいます。しかし、過度な筋トレや過度な筋肉量の増加は、逆に突然死リスクを高めます。
筋肉量が過剰になり過ぎると、心臓や血管系の病気による突然死のリスクが高まります。
トレーニングを頑張りすぎることが悪いわけではありません。
無策にやりすぎることが危険なのです。
リスクを常にチェックしながらコントロールする必要があります。
この記事では、そのリスクと予防策について詳しく説明します。
『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。
【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。

筋肉量と健康リスク

筋肉量が増えること自体は悪いことではありません。
筋肉量が多いと外見美だけでなく、基礎代謝を高め、日常生活の活動能力を向上させ、怪我のリスクを減少させることができます。
しかし、筋肉量だけを増やし続けると、心臓にかかる負担が増し、心血管系の病気のリスクが高まります。

LBMiとVO2MAX

筋肉量を評価する指標の一つにLBMi(Lean Body Mass index)があります。これは体重から脂肪量を引いた値を体重で割ったもので、筋肉量の割合を示します。
LBMiが25を超えると、筋肉が過剰となり、心臓に過度の負担がかかることがあります。

一方、VO2MAXは最大酸素摂取量を示し、体力の指標として用いられます。VO2MAXは筋肉が増えるほど相対的に低下する傾向があります。
これは、筋肉量が増えると体全体の酸素消費量が増えるためです。
VO2MAXが42を下回ると、心血管系の健康に悪影響を及ぼす可能性が高まり、特に20を下回ると突然死リスクが急上昇することが知られています。
筋肉を増やすなら心臓や血管も鍛える必要があります。

筋肉量と心臓への影響

筋肉量が増加すると、心臓はより多くの血液を筋肉に送り込む必要があります。
これにより、心臓の負担が増し、心筋肥大(心臓の筋肉が肥大すること)が起こることがあります。心筋肥大は心臓の機能を低下させ、心不全や不整脈のリスクを高めます。

また、筋肉量が増加することで血圧が上昇します。
高血圧は動脈硬化を引き起こし、心血管系の病気のリスクをさらに高めます。
したがって、筋肉量を増やす際には、適度な範囲を維持することが重要です。

適切な筋肉量の維持

適切な筋肉量を維持するためには、筋トレだけでなく有酸素運動も取り入れることが重要です。
有酸素運動は心肺機能を向上させ、VO2MAXを維持または向上させる効果があります。
これにより、心血管系の健康を保ちながら筋肉量を適切に管理することができます。

バランスの取れた運動プログラム

バランスの取れた運動プログラムを設計することが重要です。

  1. 有酸素運動の導入:週に3〜5回、30分から60分の有酸素運動(ジョギング、サイクリング、水泳など)を行う。
  2. 筋力トレーニングの適切な量:週に2〜3回、全身の主要な筋群を対象とした筋力トレーニングを行う。ただし、過度な負荷を避け、適度な負荷で行うことが重要です。
  3. 休息と回復:十分な休息と回復時間を確保する。筋肉の成長と回復には適切な休息が必要です。
  4. 栄養バランスの確保:高タンパク質の食事を摂りながら、全体のカロリー摂取量を調整する。過度なカロリー摂取は肥満や心血管系の問題を引き起こします。

VO2MAXの向上と維持

VO2MAXを向上させるためには、有酸素トレーニングが有効です。

  1. インターバルトレーニング:高強度の運動と低強度の運動を交互に行うトレーニング方法です。30秒の全力疾走と90秒の軽いジョギングを交互に4セット行います。
  2. 持久力トレーニング:長時間、一定の強度で行う有酸素運動です。これは心肺機能を向上させるのに効果的です。ジョギングを30分以上実施するなどが代表的です。
  3. クロストレーニング:異なる種類の運動を組み合わせることで、特定の筋肉や関節に過度な負担をかけずに全体的な体力を向上させます。サーキットトレーニングなどが代表的です。

突然死リスクの理解と予防

突然死のリスクを理解し、それを予防するためには、定期的なリスクチェックと自分の体の状態を常に把握しておくことが重要です。

定期的な健康診断:特に心血管系のチェックを重視する。高血圧や高コレステロールなどのリスク要因がないか確認する。

自分の限界を知る:過度な負荷を避け、体のシグナルを無視しない。疲労や痛みを感じたら、無理をせず休むことが大切です。

専門家の指導を受ける:適切なトレーニング方法や栄養管理について、専門家からの指導を受けることをお勧めします。

まとめ

筋肉を鍛えることは健康に良い影響を与える一方で、過度な筋肉量の増加は心臓や血管系の病気による突然死のリスクを高めます。
筋肉量がLBMiで25を超えないようにし、VO2MAXが42を下回らないように注意することが重要です。
特に、VO2MAXが20を下回ると突然死リスクが急上昇するため、これを防ぐために適度な有酸素運動とバランスの取れたトレーニングプログラムを維持することが推奨されます。

健康的な生活を送るためには、筋肉量と心肺機能のバランスを保ちながら、適切な運動と栄養管理を行うことが不可欠です。
自分の体と向き合い、無理のない範囲でトレーニングを続けることで、長期的な健康とフィットネスを実現しましょう。