【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
脂質制限ダイエットの方法について解説します。トータルケアラボラトリーでの脂質制限ダイエットは6ヶ月の実施期間です。
実績はお客様63人の平均で体脂肪率が11.35%減らすことができました。
やり方は、体質・適正チェック、脂質の制限、脂質の選択、糖質の選択、カロリーの管理、食品の選択、栄養の管理の6パートです。
脂質の制限では、特に飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を避け、健康な脂質源である多価不飽和脂肪酸やモノ不飽和脂肪酸を摂取することが重要です。
脂質の選択においては、オメガ-3脂肪酸を含む魚やナッツ、アボカドなどを積極的に取り入れましょう。
糖質の選択では、低GI食品を選び、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
カロリーの管理は、適切なエネルギー摂取量を計算し、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを保ちます。
食品の選択では、加工食品や高カロリーな食品を控え、野菜や果物、全粒穀物などの栄養価の高い食品を中心に食事を構成します。
栄養の管理は、バランスの取れた食事を心がけ、必要な栄養素を適切に摂取することが大切です。今回の記事を参考にして、ダイエットの成功へ向けて頑張りましょう。
『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。
【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。
体質から適性をチェック
脂質制限ダイエットを行う前に体質と脂質制限ダイエットへの適性をチェックしましょう。体質には寒証、熱証、気虚、気滞、血虚、瘀血、陰虚、水滞の8つがあります。
これらの体質に合う食品を選択することが重要です。
寒証:体が寒く、冷え性や手足の冷えがある状態です。この場合、体を温める食材が適しています。生姜、ニンニク、シナモン、ニラ、ネギ、ニンジンなどがおすすめです。
熱証:体が熱く、のぼせや便秘、口内炎などの症状が見られる状態です。体を冷やす効果のある食材が適しています。例えば、ゴーヤ、セロリ、トマト、レタス、キュウリ、モヤシなどが挙げられます。
気虚:体が虚弱で、疲れやすく、元気がない状態です。この場合は、体を補う効果のある食材を摂取することが重要です。鶏肉、卵、牛肉、イモ類、豆類、海藻類などが有効です。
気滞:消化不良や胃もたれ、胃の不快感がある状態です。この状態では、消化を助ける食材が重要です。生姜、山椒、シソ、にんにく、柑橘類などが効果的です。
血虚:体が貧血傾向にあり、顔色が悪く、疲れやすい状態です。血を補う食材が適しています。赤身の肉、レバー、桑の実、赤い野菜(トマト、赤ピーマン)、紅茶、黒ごまなどがおすすめです。
瘀血:血液の滞りがあり、肌荒れや生理痛などの症状が見られる状態です。血の流れを良くする食材が有効です。赤穂鶏、紅花、桃仁、クコの実、山楂などが効果的です。
陰虚:体内の水分不足で、のぼせや便秘、口渇などの症状が見られる状態です。体を潤す食材が適しています。海藻類、豆腐、牡蠣、白木耳、桃、バナナなどがおすすめです。
水滞:体内の水分が過剰で、むくみや浮腫などが見られる状態です。利尿作用のある食材を摂取することが重要です。セロリ、大根、キャベツ、クランベリー、柚子、トウガラシなどが有効です。
そして、脂質制限ダイエットへの適性を判断するためには、血液検査のデータを利用します。
脂質制限ダイエットが向いている人
① 総コレステロール、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)などがあります。
LDLコレステロールが高い場合は脂質制限ダイエットが向いています。
② 中性脂肪(トリグリセリド)が150mg/dLを超えると、脂質制限ダイエットが効果的です。
脂質制限ダイエットに向いていない人
① 中性脂肪が30以下の低値の人。
② 空腹時血糖が100を超えている高値の人。(糖質制限ダイエットに適性がある可能性)
③ 体脂肪率が女性で15%以下、男性で5%以下の人。
脂質の制限
脂質の制限は3段階から選択します。初級は1日60g、中級は1日50g、上級は1日30gまでです。
上級になればなるほど、効果は出やすいですがストレスが高まりリバウンド率やリタイア率が高まります。
逆に初級は無理なく行いやすいですが、効果が限定恵的なものになる可能性があります。
また、管理する方法を決めます。お勧めはアプリでの管理です。「カロミル」という無料である程度使える栄養管理用のアプリが便利です。食事の記録をつけると摂取した栄養のg数が計算されます。
脂質の選択
脂質制限ダイエットを行う場合には脂質の選択を行います。
脂質制限だからと言って脂質を減らしすぎるとデメリットがあります。
脂質は良質な脂質にこだわって、自分で選択した60g、50g、30gのどれかを目指して計画的に摂取する必要があります。
ここでは脂質をカットしすぎた場合のデメリットと、良質な脂質をご紹介していきます。
脂質を過剰にカットすると、健康に悪影響を及ぼします。
脂質は、体内での栄養素の吸収や細胞膜の構成要素として重要な役割を果たしています。
過剰な脂質制限は、栄養不足や健康上の問題を引き起こします。
脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収が阻害され、栄養不足や免疫機能の低下が起こります。
また、健康な細胞膜を維持するために必要な量の脂質が確保できなければ、細胞の機能が低下し、代謝やエネルギー生産に支障をきたす可能性があります。
一方、良質な脂質は、健康を維持するために重要です。
良質な脂質は、オメガ-3脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸で、内臓脂肪を代謝するサポート、余分な脂肪を増やさないガード機能があります。他にも心血管疾患のリスクを低減し、炎症を抑制する効果があります。
これらの脂質は、魚やナッツ、アボカドなどの食品から摂取することができます。
また、オリーブオイルや亜麻仁油などの植物油も良質な脂質源として推奨されています。
良質な脂質食材 食品一覧
アボカド(脂質量約15g/食品量100g) オリーブオイル(約10g/10g) アーモンド(約49g/100g)
サーモン(約13g/100g) ピスタチオ(約45g/100g) ラム肉(約30g/100g)
パルム油(約10g/10g) ゴマ(約50g/100g) カシューナッツ(約44g/100g)
マグロ(約6g/100g) ココナッツオイル(約10g/10g) タラ(約1.5g/100g)
イクラ(約8g/100g) イワシ(約11g/100g) タラコ(約8g/100g)
エビ(約1g/100g) スズキ(約5g/100g) さば(約13g/100g)
カボチャ(種子)(約49g/100g) タラの子(約3g/100g) ウナギ(約28g/100g)
オクラ(約1g/100g) ピーナッツ(約49g/100g) ウニ(約8g/100g)
イワシの缶詰(約10g/100g) オリーブ(種)(約23g/100g) アジ(約7g/100g)
シラスウナギ(約32g/100g) イワシの塩漬け(約15g/100g) タラのフライ(約12g/100g)
サンマ(約10g/100g) アワビ(約9g/100g) イカ(約4g/100g)
サバ缶詰(約8g/100g) イワシの蒲焼き(約10g/100g) ウニの缶詰(約8g/100g)
タコ(約1g/100g) ウナギの蒲焼き(約28g/100g)
糖質の選択
脂質制限ダイエットを行う場合には糖質の選択を行います。
糖質には60以下の低GI(グリセミックインデックス)の炭水化物を選択しましょう。GIは、食品が血糖値を上昇させる速度を示す指標であり、低GIの食品は血糖値の急激な上昇を防ぎます。したがって、脂質制限ダイエットでは、穀物や野菜、果物などの糖質源を選択する際に、GIが低いものを優先しましょう。
これにより、血糖値の安定化や満腹感の持続が促進され、ダイエット効果を高めることができます。
そして、カロリーをオーバーしないように量も管理しましょう。
低GI炭水化物 食品一覧
オートミール(GI: 55、カロリー: 約379kcal/100g) そば(GI: 40、カロリー: 約336kcal/100g)
はと麦(GI: 50、カロリー: 約332kcal/100g) パン(全粒粉)(GI: 51、カロリー: 約247kcal/100g)
ライ麦パン(GI: 41、カロリー: 約259kcal/100g)とうもろこし(GI: 52、カロリー: 約86kcal/100g)
春雨 (GI:32、カロリー342kcal/100g) オールブランシリアル (GI:45 カロリー353kcal/100g)
おかゆ(玄米) (GI:58、カロリー128kcal/100g)
パスタ(GI:55 カロリー149kcal/100g) 玄米 (GI:56、カロリー349kcal/100g)
おかゆ(精白米) (GI:57、カロリー65kcal/100g)
カロリーの管理
脂質制限ダイエットを行う場合にはカロリーの管理を行います。
まず筋肉量LBMを体重-体脂肪量で計算します。
体重×体脂肪率÷100で体脂肪量が計算できます。
その後、体重-体脂肪量を計算するとLBMが計算できます。
脂質制限ダイエットでの1日の摂取カロリー計算法
例は女性体重55kg、体脂肪率27.5%、LBM39.875。
男性は体重65kg、体脂肪率23.5%、LBM49.725を想定
上級→女性はLBM×37 例.1475kcal
男性はLBM×39 1939kcal
中級→女性はLBM×40 1595kcal
男性はLBM×42 2088kcal
初級→女性はLBM×42 1675kcal
男性はLBM×44 2188kcal
で計算できます。
栄養の管理
摂取カロリーをオーバーすると、ダイエットの効果はその分減ってしまいます。
しかし、高カロリー食材を食べると、1日に食べることができる食事量は減ってしまいます。
また、食事量を減らすことで絶食気味のダイエットを行うと栄養失調になるリスク、筋肉量が落ちリバウンドリスクや、痩せにくい体質になるリスクが高まります。
エネルギー食(脂質、炭水化物、アルコール)を抑え、栄養食(栄養価の高い野菜やキノコなど)を増やしていく事で栄養価の高く健康的な脂質制限ダイエットが成功します。
「カロミル」のアプリを使って、脂質とカロリーは決めた数値に抑えられるようにします。
逆に、食物繊維やタンパク質はアプリ上で基準値まで食べることができるようにしましょう。
栄養価の高くカロリーの低い野菜やキノコ、タンパク質の一覧です。
野菜:
ほうれん草(カロリー: 約23kcal/100g)
レタス(カロリー: 約15kcal/100g)
きゅうり(カロリー: 約15kcal/100g)
トマト(カロリー: 約18kcal/100g)
キャベツ(カロリー: 約25kcal/100g)
キノコ:
しいたけ(カロリー: 約34kcal/100g)
えのき茸(カロリー: 約25kcal/100g)
しめじ(カロリー: 約30kcal/100g)
まいたけ(カロリー: 約30kcal/100g)
なめこ(カロリー: 約32kcal/100g)
タンパク質:
鶏胸肉(皮なし):約165kcal
ささみ(皮なし):約98kcal
タラ:約80kcal
イワシ:約124kcal
豚の肩ロース:約122kcal
豆腐(絹ごし):約70kcal
こんにゃく:約9kcal
鶏むね肉(皮なし):約120kcal
白身魚(たら、さば、あじなど):約80-100kcal
ツナ缶詰(水煮):約90kcal
まとめ
6か月間の脂質制限ダイエットにおいて、リバウンドリスクは確実に存在します。
長期的なダイエットを続ける際には、ダイエット期間中に減量した体重を維持することが難しいという事実を認識することが重要です。脂質制限ダイエットが終了した後も、元の食生活に戻ることで体重が戻るリスクが高まります。これは、一時的なダイエットではなく、食生活の改善と健康的な習慣の確立が必要であることを示しています。
また、脂質制限ダイエットを自己流で行うことは健康リスクを伴います。脂質は身体にとって重要な栄養素であり、適切な量を摂取することが必要です。極端な脂質制限は、栄養不足や身体のバランスの崩れ、さらには健康問題を引き起こす可能性があります。そのため、バランスの取れた食事プランを立てることが重要です。
健康的で美しい身体を手に入れるためには、単なる減量だけでなく、健康的なライフスタイルの習慣を身につけることが不可欠です。今日紹介した方法を実践することで、健康的な食生活を築き、リバウンドや健康リスクを軽減することができます。
まず、食事のバランスを意識した食事プランを立てることが重要です。脂質制限ダイエットを行う際には、脂質だけでなく、炭水化物やタンパク質の摂取量も考慮する必要があります。食事は栄養バランスが重要であり、必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
次に、適度な運動を取り入れることも大切です。運動は体重管理だけでなく、代謝の向上や筋力の維持にも効果的です。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動や、筋トレなどの筋力トレーニングを組み合わせることで、健康的な身体を保つことができます。
また、ストレス管理も重要です。ストレスは食欲や代謝に影響を与えることがあり、過剰なストレスはダイエットの妨げになる可能性があります。ストレス発散法やリラックス法を取り入れ、心身ともにリラックスした状態を保つことが大切です。
さらに、睡眠もダイエットにおいて重要な要素です。十分な睡眠を確保することで、代謝が正常に機能し、ストレスを軽減することができます。睡眠不足は食欲を増加させるホルモンの分泌を促し、ダイエットの効果を低下させる可能性があります。
健康的な身体を手に入れるためには、食事、運動、ストレス管理、睡眠などの要素をバランスよく取り入れることが必要です。単なる一時的なダイエットではなく、継続的な生活習慣の改善が大切です。健康的で美しい身体を手に入れるために、今日紹介した方法を実践し、長期的な健康を目指しましょう。