【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
薬膳ダイエットは、漢方の考え方の元、季節や食べる人の症状、体質に合わせて食材の効能を選び、組み立てる健康料理です。
漢方薬や薬草がなくても、スーパーで売っている食材で作れるし、ダイエットにも効果的です。今回は、薬膳を作る上で必須の食べる人の体質の見立て方と、各々の体質に合わせた薬膳を紹介します。
ぜひ日常の食事に取り入れてみてください。
『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。
【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/001-5-585x1024.jpg)
薬膳ダイエット
薬膳ダイエットは、古くから漢方の考え方を基に、季節や食べる人の症状、体質に合わせて食材の効能を選んで組み立てる健康料理です。
漢方薬や薬草がなくても、スーパーで手に入る一般的な食材を利用することができ、その効果はダイエットにも効果的です。
薬膳ダイエットは、一般的なダイエットとは異なり、体質に合わせて調理されるため、効果的でありながら健康的な方法として知られています。
この方法は、一人一人の体質や症状に応じてカスタマイズされるため、自分に最適な食事を見つけることができる最強のダイエット法と言えます。
漢方の考え方に基づいた薬膳ダイエットは、体質を考慮した食事療法の一種です。
体質によって体に不足している要素を補い、バランスを整えることで、健康を保ちながらダイエットを行うことができます。
たとえば、気虚体質の人は、気を補う食材を摂取することで、消化器官の機能を改善し、体内のエネルギー循環を促進します。
同様に、血虚体質の人は、血を補う食材を摂取することで、体内の栄養供給を改善し、肌の色や質を向上させることができます。
薬膳ダイエットの特徴は、季節や症状に合わせて食材を選ぶことです。たとえば、夏場には体を冷やさないようにするために、温性の食材を重視し、冬場には体を温めるために、温かいスープや蒸し料理を取り入れることが推奨されます。
また、症状によっても食材を選ぶことがあります。例えば、便秘の改善には食物繊維が豊富な食材を摂取することが有効です。
さらに、薬膳ダイエットは体質に合わせた料理法も重要です。
気虚体質の人は、消化器官の弱い特徴を考慮して、消化に良い料理法を選ぶことが必要です。
煮込み料理や蒸し料理など、火を通して柔らかくすることで、消化吸収をサポートします。
また、血虚体質の人は、体内の栄養供給を改善するために、食材を細かく刻んで調理することが推奨されます。これにより、栄養素が効率よく吸収されます。
薬膳ダイエットは、ただ単に食材を組み合わせるだけでなく、食材の効能や調理法を理解し、自分の体質や症状に合わせて料理を作ることが重要です。
また、健康的な食生活を送るためには、適度な運動や十分な睡眠も欠かせません。適度な運動は体内の代謝を促進し、血液循環を改善する効果があります。十分な睡眠は体内の修復やリフレッシュに必要不可欠です。
薬膳ダイエットは、食事だけでなく、生活習慣やストレス管理にも配慮されています。
この方法を継続的に実践することで、健康的な体重管理が可能となり、健康と美容を同時にサポートすることができます。
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/003-4-585x1024.jpg)
5つの体質
薬膳は、一人一人の体質と症状に合わせて作るものです。
漢方の考えに基づいて作られる薬膳は、体質を理解し、それに応じた食材を選んで調理することで、健康をサポートします。
体質は漢方の考え方からチェックできます。
「気・血・水(き・けつ・すい)」が最も基本的な考え方で、それぞれが体の異なる側面を表します。
まず、気は体を動かす生命エネルギーであり、体力や代謝に深く関わります。
気の不足は体力の低下や疲労感を引き起こし、代謝が低下することで体重増加の原因となります。
気を補う食材を摂取することで、体力を回復させ、代謝を促進することが重要です。
次に、血は全身に栄養や潤い、熱を運びます。
血の不足は肌の乾燥や貧血などの問題を引き起こし、体の健康と美容に悪影響を与えます。
血を補う食材を摂取することで、肌や髪の健康を保ち、体内の栄養供給を改善することができます。
そして、水は体を潤し、血以外の体液を管理します。
水のバランスが崩れると、体内の代謝や排泄が正常に行われず、体調不良を引き起こす可能性があります。水を調節することで、体内のバランスを整え、健康を維持することができます。
これらの考え方に基づいて、薬膳はさまざまな体質に合わせて調理されます。以下に、代表的な体質の一部を紹介します。
①気虚体質
気の不足が特徴であり、体力が低下しやすく、疲れやすい状態です。気虚体質の人には、気を補う食材を摂取し、体力を回復させることが重要です。例えば、山芋や牛肉、鶏肉などが挙げられます。
②気滞体質
気の流れが滞っている状態であり、消化不良や胃腸の不調を引き起こしやすいです。気滞体質の人には、気の流れを促進する食材を摂取することが有効です。例えば、ミントやセロリ、レバーなどが良いでしょう。
③血虚体質
血の不足が特徴であり、肌の乾燥や貧血などの症状が現れやすいです。血虚体質の人には、血を補う食材を摂取することが必要です。例えば、玉ねぎや黒豆、牛肉などが適しています。
④瘀血体質
血の流れが滞っており、体内に血液が凝固しやすい状態です。瘀血体質の人には、血の流れを改善し、血液の循環を促進する食材を摂取することが有効です。例えば、黒米や玉ネギ、桃などが役立ちます。
⑤水滞体質
体内の水分代謝が乱れており、むくみや水分の滞留が起こりやすい状態です。水滞体質の人には、体内の水分バランスを整える食材を摂取することが重要です。例えば、セロリやハトムギ、海藻類などが有効です。
これらの体質に合わせて薬膳を調理することで、体内のバランスを整え、健康をサポートすることができます。
また、薬膳は体質だけでなく、季節や症状に合わせて調理することも重要です。しっかりと体質や状態を把握し、適切な薬膳を取り入れることで、健康的で美しい体を手に入れることができます。
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/fotor-ai-20240423121059-585x1024.jpg)
体質チェック法
チェックシートを使って自分の体質を判断してみましょう。
複数の質問に答え、最もチェックが多くついた項目を確認します。
ただし、必ずしも一つのタイプに当てはまるとは限りません。
複合する場合もあるので、各タイプを読んで参考にしてください。
自分の体質を把握することで、より適切な薬膳や生活習慣の改善が可能になります。
「気・血・水」体質チェック
タイプ1 「気」が不足している体質(気虚、ききょ)
□疲れやすくだるい
□風邪をひきやすい
□胃腸が弱い
□声が小さい
□舌の色が薄ピンク
□舌の縁に歯の跡がつく
タイプ2 「気」の巡りが滞っている体質(気滞、きたい)
□神経質
□ため息が多い
□不安やイライラ、落ち込みがある
□ゲップ・しゃっくり・おならが多い
□胸の脇が張ったように痛い
□舌は両端が赤い、苔がある
タイプ3 「血」の働きが不足している体質(血虚、けっきょ)
□目や皮膚が乾燥しがち
□顔色が悪い
□唇や爪、舌の色が薄い
□眠りにくいか夢が多い
□めまいや立ちくらみがある
□舌が痩せて小さい
タイプ4 「血」の巡りが滞りやすい体質(瘀血、おけつ)
□顔や唇の色が暗い
□あざができやすい
□シミ、そばかすが多い
□目のクマがある
□舌の色が紫色がかり、黒いシミのようなものが見える
□肩こりや頭痛など体に刺すような痛みがあり、同じところが痛む
□生理痛がひどい、生理にレバーのような血塊が混じる
□舌の裏の血管が太く紫色
タイプ5 「水」の巡りが滞っている体質(水滞、すいたい)
□体がだる重い
□脂っこいものや甘いものが好き
□吐き気やめまいが出やすい
□汗が多い
□口の中が粘っこい
□皮脂が多い、吹き出物ができやすい
□(冷えの自覚がある場合)舌に白いベトベトの苔
□(冷えに自覚がない場合)舌に黄色いベトベトした厚い苔
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/004-1-585x1024.jpg)
体質に合う食材紹介
タイプごとに、薬膳でおすすめの食材と料理の仕方を紹介します。
「気」が不足している気虚体質の人におすすめの食材は、山芋、牛肉、鶏肉などです。
このタイプの人は胃腸が弱く、消化不良や下痢を起こしやすい傾向があります。
そのため、よく煮込むなどして火を通し、脂質控えめのあっさりした味付けにすることがおすすめです。
また、運動は無理のない程度で行い、ホットヨガなどは避けるようにしましょう。
気虚体質の人に合う食材を30個以下にリストアップします。
山芋
牛肉
鶏肉
ウナギ
大豆
枝豆
栗
エビ
うるち米
もち米
カボチャ
ニンニクの茎
キノコ類
おかゆ
豆腐
青菜類(ほうれん草、小松菜など)
ジャガイモ
さつまいも
白身魚(たら、鯛、鱈など)
明太子
柚子
なめこ
白菜
トマト
イカ
バナナ
とうもろこし
ピーマン
ニラ
ごぼう
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/fotor-ai-2024042312215-585x1024.jpg)
気滞体質の人におすすめの食材はミント、セロリ、みつ葉などです。
このタイプの人は香りの良い食材が向いていますので、ハーブティーも効果的です。
体が温まったほうが気の巡りが良くなりやすいため、温かい料理を食べるのがおすすめです。
また、運動は外で行うことがいちばんですが、気持ちの発散を意識して行いましょう。
気滞体質の人に合う食材を30個以下にリストアップします。
ミント
セロリ
レバー
みつ葉
グレープフルーツ
ミカン(皮、陳皮)
ユズの皮
ジャスミン茶
カモミール
ローズ
ラベンダー
さば
さんま
さつま揚げ
しょうが
にんにく
かぼちゃ
たまねぎ
ほうれん草
レタス
みょうが
わかめ
もずく
ひじき
あさり
かつお節
ささ身
あおさ
ねぎ
さつまいも
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/fotor-ai-20240423113055-585x1024.jpg)
血虚体質の人におすすめの食材は玉ねぎ、黒豆、牛肉などです。
このタイプの人は消化良く火を通した料理が良いですし、夜は早めに寝ることも血液の生成に良いです。
運動は無理のない範囲で行い、汗をかきすぎることやサウナは避けましょう。
血虚体質の人に合う食材を30個以下にリストアップします。
玉ねぎ
黒豆(黒大豆)
黒キクラゲ
シメジ
ニンジン
黒ごま
イワシ
サンマ
アジ
牛肉
牛レバー
豚肉
豚レバー
鶏肉
鶏レバー
さば
わかめ
ひじき
あおさ
ねぎ
とうもろこし
さつまいも
ほうれん草
もやし
きのこ類(しいたけ、えのきたけ、まいたけなど)
たけのこ
しそ
じゃがいも
なめこ
ごぼう
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/fotor-ai-20240423121542-585x1024.jpg)
瘀血体質の人におすすめの食材は黒米、玉ネギ、桃などです。
このタイプの人は体が冷えやすいため、温かい料理や温性食材を摂ることが大切です。
また、血の巡りを促進するために定期的なストレッチや湯船に浸かることも効果的です。
瘀血体質の人に合う食材を30個以下にリストアップします。
黒米
ラッキョウ(エシャレット)
玉ネギ
桃
栗
イワシ
サンマ
シシャモ
黒酢
味噌
甘酒
生姜
大豆
小豆
えのきだけ
れんこん
カボチャ
あずき
青じそ
きゅうり
さつまいも
わかめ
むぎ
かぼちゃ
たけのこ
ほうれん草
にら
ごぼう
しいたけ
なめこ
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/fotor-ai-20240423121822-585x1024.jpg)
水滞体質の人におすすめの食材は、上半身向けにセロリやバジル、下半身向けにハトムギや海藻類などです。
脂質控えめで甘くない料理が良いですし、運動は無理のないものを少し長めに行うことが良いです。
毎日湯船に浸かることもおすすめしますし、利尿作用のある飲み物も意識して摂取することが大切です。
水滞体質の人に合う食材を30個以下にリストアップします。
セロリ
バジル
ヨモギ
山椒
ハトムギ
黒豆
緑豆もやし
キュウリ
トウモロコシ(トウモロコシのヒゲも)
水菜
ワカメ
コンブ
海苔
アオサ
モズク
春菊
ショウガ
大根
玉ネギ
ニンニク
コショウ
れんこん
さつまいも
むぎ
かぼちゃ
たけのこ
ほうれん草
にら
ごぼう
しいたけ
![](https://totalcarelab.net/wp-content/uploads/2024/04/fotor-ai-20240423122517-585x1024.jpg)
まとめ
薬膳の考え方を取り入れたダイエットには、数々のメリットがあります。
まず、その美容効果は高く、健康的な方法で体重を減らすことができるため、リバウンドの心配が少ないです。
また、薬膳は体にとって良い食材を選んで組み合わせるため、健康維持や内臓機能の改善にも効果的です。さらに、薬膳の考え方に基づいた食事は栄養バランスが良く、身体に必要な栄養素を摂取しながらダイエットすることができます。
薬膳のダイエットは単なる一時的な取り組みではなく、一生涯続けられるダイエット方法としても注目されています。
なぜなら、薬膳は季節や体調に合わせて食材を選んで組み合わせるため、常に自分の体に合った食事を取ることができます。
また、薬膳の料理法は多岐にわたりますが、簡単に調理できるレシピも多いため、忙しい現代人でも取り組みやすいのが特徴です。
薬膳のダイエットを実践する際には、まず自分の体質や症状を理解し、それに合った食材や料理法を選ぶことが重要です。
体質や症状に応じて食材を選ぶことで、効果的なダイエットが可能になります。例えば、気虚体質の人は体力が不足しているため、栄養価の高い食材を重点的に摂取することが重要です。
一方で、瘀血体質の人は血の巡りが滞りやすいため、血行促進や体を温める効果のある食材を積極的に摂取する必要があります。
また、薬膳のダイエットでは、食材の組み合わせや調理法にも注意が必要です。
例えば、特定の食材同士を組み合わせることで相乗効果が得られる場合があります。さらに、適切な調理法を選ぶことで食材の栄養価を最大限に引き出すことができます。こうした工夫によって、より効果的なダイエットが可能になります。
薬膳のダイエットを実践する際には、食事だけでなく生活習慣全般に気を配ることも重要です。十分な睡眠をとったり、ストレスを溜めないように心がけたりすることで、ダイエット効果をさらに高めることができます。また、適度な運動を取り入れることで体力をつけると同時に、代謝を促進する効果も期待できます。
最後に、薬膳のダイエットを実践する際には、継続することが大切です。一時的なダイエットではなく、長期的に取り組むことで、健康的で美しい体を手に入れることができます。自分の体質や症状に合わせた食材や料理法を選び、地道に取り組むことで、確実なダイエット効果を実感することができるでしょう。