【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板が損傷し、その内部のゼリー状の髄核が脊髄神経や神経根に圧迫されることで痛みやしびれを引き起こす疾患です。
この状態は、激しい痛みを伴うことがあり、特に坐骨神経症を伴う場合は、腰から足にかけての痛みやしびれが生じます。
今回は、椎間板ヘルニアの緩和方法として提案されているストレッチやトレーニングについて解説します。
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是非、過去の記事も参考にしてください。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板が損傷し、その内部のゼリー状の髄核が椎間板の線維輪を通して外に飛び出す状態を指します。
この状態では、椎間板の線維輪が弾力性を失い、亀裂が生じ、髄核が周囲の神経組織に圧迫を加えることで、痛みやしびれが生じます。特に、坐骨神経が圧迫され痛みを伴うことがあります。
椎間板ヘルニアの症状は、その部位や圧迫される神経によって異なります。
例えば、第4腰椎と第5腰椎の間で椎間板ヘルニアが起こる場合、膝の後ろ側から足の裏側にかけて痛みやしびれが生じることがあります。
また、第5腰椎と仙骨の間での椎間板ヘルニアの場合、ふくらはぎの外側から足の親指にかけて痛みやしびれが生じることがあります。
椎間板ヘルニアの症状を緩和するためには、腰部の筋緊張を緩和するストレッチや腰椎の負担を減らすトレーニングが特に重要です。
痛みやしびれを軽減し、患者の日常生活の質を改善するのに役立ちます。
ストレッチは、腰部の筋肉や周囲の組織の柔軟性を高め、症状の緩和に役立ちます。また、トレーニングは、腰椎の安定性を向上させ、負担を軽減し、再発を防ぐのに役立ちます。
さらに、適切な姿勢や体の使い方の指導、生活習慣の見直し、適切な姿勢や体の使い方の指導も重要です。また、椎間板ヘルニアの症状を持つ人は、定期的な運動やストレッチを行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。
ストレッチ
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は、しばしば患者に激しい痛みをもたらします。
この痛みを和らげるためには、腰部の筋緊張を緩和するストレッチと腰椎の負担を減らすトレーニングが非常に重要です。
①仰向けでの片膝曲げストレッチ:
仰向けに寝て片膝を曲げ、反対の足は伸ばします。曲げた膝を胸に引き寄せ、腰を伸ばします。このストレッチは、腰部の筋肉を緩和し、坐骨神経の圧迫を和らげます。
②片膝に反対の足の甲を引っ掛けるストレッチ:
仰向けに寝て片膝を曲げ、反対の足の甲を曲げた膝に引っ掛けます。そして、引っ掛けた足をゆっくりと引っ張りながらお尻を地面に近づけ、お尻を伸ばします。このストレッチは、坐骨神経にかかる圧力を緩和し、痛みを和らげます。
③うつ伏せでの上体浮かせストレッチ:
うつ伏せになり、肘を床につけた状態で上体を浮かせ、前方を見ます。このストレッチは、お腹や首の筋肉を伸ばし、腰椎の負担を軽減します。
④仰向けでの腰捻りストレッチ:
仰向けに寝て両膝を曲げ、足を床につけた状態で、腰を左右にゆっくりと捻ります。このストレッチは、腰部の筋肉をほぐし、坐骨神経痛を緩和します。
これらのストレッチは、日常生活での腰部の筋肉の緊張を緩和し、坐骨神経痛の症状を軽減するのに役立ちます。しかし、症状の重篤化を避けるために、これらのストレッチを行う際には、無理な姿勢を避け、痛みを感じる場合は即座に中止することが重要です。
また、ストレッチだけでなく、日常生活での姿勢の改善や体の使い方の見直しも大切です。適切な姿勢や体の使い方を意識することで、腰椎にかかる負担を減らし、痛みを予防することができます。
トレーニング
椎間板ヘルニアからくる坐骨神経痛の痛みを緩和するためには、腰椎の負担を減らすトレーニングが非常に重要です。
適切なトレーニングを行うことで、腰部の筋肉を強化し、姿勢の改善や腰椎の安定性を高めることができます。
①ドローイン(腹式呼吸)トレーニング:
仰向けに寝て、両膝を曲げます。両手を腹部に当て、深く息を吸いながら腹部を膨らませます。次に、息を吐きながら腹部を引き込み、背中を床に密着させるようにします。このトレーニングは、腹部の筋肉を強化し、腰椎の安定性を高めます。
②膝つけプランク:
四つん這いの姿勢から、両手を肩幅に開き、膝を床につけます。次に、腕立て伏せのポジションに移行し、腰を下げずに体をまっすぐに保ちます。この姿勢をキープし、腹部や背中の筋肉をしっかりと使います。膝つけプランクは、コアの筋力を高め、腰椎の負担を減らします。
③四つばいトレーニング(Hand&knee):
四つん這いの姿勢から、片手を前に伸ばし、反対の足を後ろに伸ばします。この状態で背中を平らに保ち、体を安定させます。反対の手と足を交互に伸ばす動作を繰り返します。このトレーニングは、背中や腰部の筋肉を強化し、脊椎の安定性を高めます。
④四つ這いトレーニング(Cat&Dog):
四つん這いの姿勢から、背中を丸めて頭を下げる「猫背」のポジションと、胸を張り上げて背中を反らせる「胸を張る」ポジションを交互に行います。このトレーニングは、腰椎の可動域を広げ、柔軟性を向上させます。
⑤ヒップリフト:
仰向けに寝て両膝を曲げ、足を踏み付けます。次に、お尻を上げて体を直線に保ち、お尻の筋肉を収縮させます。最後に、お尻を床に戻します。このトレーニングは、臀部の筋肉を強化し、腰椎への負担を軽減します。
これらのトレーニングを定期的に行うことで、腰部の筋力を向上させ、姿勢の改善や腰椎の安定性を高めることができます。
まとめ
椎間板ヘルニアとそこからくる坐骨神経痛は、多くの人々にとって深刻な問題です。
腰椎や仙椎の損傷により、椎間板の柔軟性が低下し、髄核が圧迫されることで、激しい痛みやしびれが生じます。
このような症状に苦しむ人々の中には、普段の生活や活動に支障をきたすこともあり、日常生活の質を低下させることがあります。そこで、適切なストレッチとトレーニングを行うことで、症状を緩和し、生活の質を改善することができます。
椎間板ヘルニアと坐骨神経痛を緩和するためのストレッチとトレーニングを紹介しました。
ストレッチとトレーニングを定期的に実践することで、腰部の筋力を増強し、脊椎の安定性を向上させることができます。
また、姿勢の改善や腰椎の負担軽減にもつながり、椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の症状を緩和する効果が期待されます。
椎間板ヘルニアで悩む人々は決して少なくありません。しかし、適切なストレッチとトレーニングを行うことで、症状を軽減し、日常生活の質を向上させることができます。
皆さんもぜひ、これらの方法を実践し、健康な生活を送るための一歩を踏み出してみてください。