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『冷え性』を東洋医学視点で評価し、改善するガイドライン

【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】

まずは、こちらの動画を見てください。

冷え性は、日本人にとってよく知られた症状ですが、西洋医学ではあまり注目されていません。

この状態は女性に特によく見られ、実際、女性の約54.5%がこれに悩まされていると報告されています。

女性の場合、筋肉の量が男性よりも少ないため、血流が豊富で体温を維持する筋肉が不足しているため、冷えやすいと考えられています。

筋肉量は体組成計などの特殊な器具を使用して簡単に測定できます。

運動は血流を増加させるだけでなく、筋肉量を増やすことで体温の維持にも役立ちます。

また、冷え性は思春期や更年期によく見られ、自律神経の不調と関連しているようです。

今日は東洋医学の視点を交えた冷え性の考え方と、解決法をご紹介したいと思います。

『トータルケアラボラトリー』では、
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【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。

是非、過去の記事も参考にしてください。

「東洋医学」と「冷え性」

東洋医学や漢方医学では、西洋医学とは異なる解決法を取ります。

体質や個人差を重視し、詳細な問診の後、舌の状態や腹部の筋肉の緊張、脈の状態などを組み合わせて診断します。

また、「気・血・水」などの東洋医学特有の理論もあります。

これらの理論は、古代の医療では画像診断や血液検査がなかった時代に、患者の微細な変化を把握する手助けとして活用されてきました。

現代の医療ではこのような方法だけでは全ての疾患を診断するのは難しいですが、西洋医学だけでは見逃されがちな冷え性などの病態に対しては有益な手段となります。

冷え性は東洋医学の特有の疾患とされていますが、現代社会ではむしろ冷えが増加していると考えられます。

運動不足に加えて、現代社会は冷房が普及し、冷蔵庫や夏季に摂取されるべき食品が冬でも利用されるなど、冷やす要素が増えています。

冷え性には大まかに3つのタイプがあります。

症状を詳しく見ると、それぞれに冷え以外の症状が一緒に見られることがほとんどです。

①末梢冷えタイプ
手足の冷えが中心で、「四逆(しぎゃく)」と呼ばれるこの症状は、末梢の血液循環の不全によるものです。

日常生活では、運動が最も効果的な対策です。

また、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」という長い名前の漢方薬がよく用いられます。

ストレスが原因とされる冷え症状には、「四逆散(しぎゃくさん)」という漢方薬が使われます。

さらに、末梢の血行を改善する効果がある魚の脂から作られたEPAという西洋薬も使用されます。

②お腹冷えタイプ
胃腸の弱い人や下痢をしやすい人がこのタイプに該当します。

日常生活では、冷たい飲食物の摂り過ぎに注意が必要です。漢方薬では、胃腸の調子を整える作用がある薬剤が使用されます。

③冷えのぼせタイプ
下半身が冷え、一方で上半身が熱くなるタイプです。

更年期障害の症状に典型的ですが、ストレスや精神的な落ち込みが原因となっていることが多いとされます。

漢方薬では、血行を促進する作用がある薬剤が選択されます。

「冷え性」の西洋医学的評価法 『Pi値』

冷え症状は一般的に季節的なものとして現れる場合もありますが、中には通年で冷えを感じる人もいます。

トータルケアラボラトリーでは、このような冷え性を評価する際に、オキシメーターと呼ばれる装置を使用してPI値(Perfusion Index)を計測する方法を基本としています。

PI値は血液の末梢部位での循環の良し悪しを示す指標です。

オキシメーターは、指や耳たぶなどの末梢部位に装着される小型の装置で、赤外線を利用して血液中の酸素濃度を測定します。

PI値は、血液の末梢部位での酸素供給量と循環の関係を示す指標であり、一般的には0から20の範囲で表されます。

PI値が高いほど血液の循環が良好であることを示し、低い場合は循環が不十分であることを示します。

冷え性の評価では、特にPI値が注目されます。

トータルケアラボラトリーでは季節性の冷え性を評価する場合、一般的にはPI値が6以下であることが指標としています。

これは、季節の変化によって血液の循環が一時的に悪化し、冷えを感じることが多いとされる人々の特徴的な数値です。

一方、通年の冷え性を評価する場合には、PI値が4以下であることが一般的な基準としています。

これは、血液の循環が長期間にわたって悪化していることを示し、一年を通じて冷え性の症状が継続している可能性が高いことを示唆します。

PI値を用いた冷え性の評価は、非侵襲的で簡便な方法であり、患者の血液の循環状態を客観的に評価することが可能です。

また、季節性の冷え性と通年の冷え性を区別することで、適切な治療やケアの選択に役立つ情報を提供します。

例えば、季節性の冷え性の場合は季節の変化に伴う対策が有効であり、通年の冷え性の場合はより長期的な対処が必要とされます。

しかしながら、PI値だけで冷え性を診断することは難しく、他の臨床的な情報や患者の症状との総合的な判断が重要です。

冷え性の原因や症状は患者によって異なるため、個々の状況に応じた適切な改善法やケアプランを立案するためには、オキシメーターで測定されたPI値を含めた複数の情報を総合的に考慮する必要があります。

要するに、オキシメーターを用いてPI値を計測することで、冷え性の客観的な評価が可能となります。

季節性の冷え性と通年の冷え性を区別し、適切な改善法やケアプランを選択するための重要な情報源となります。

しかし、トータルケアラボラトリーではPI値単独で解釈するのではなく、今日お話しする東洋医学的な評価と改善方法が重要です。

冷え性の評価法① 脈診

トータルケアラボラトリーで行う冷え性のチェックには、東洋医学における4つの評価方法があります。

まず1つ目は「脈診」です。

東洋医学では、脈の状態を診て体の状態を判断します。

冷え性の場合、脈が弱く、乱れたリズムや不規則な動きを示すことがあります。

東洋医学では、脈は人体の状態を反映する重要な情報源とされています。

脈診は、患者の脈を観察し、その特徴やパターンを読み取ることで、体のバランスや健康状態を把握する手法です。

冷え性の診断においても、脈診は重要な手段として使います。

①脈の弱さ

冷え性の患者の脈は通常、弱く感じられます。これは、末梢の血流が低下しているために生じるものであり、全身の血行不良の一症状として捉えられます。脈が弱いということは、身体のエネルギーが不足していることを示しています。

②不規則なリズム

冷え性の脈は、通常のリズムを欠いていることがあります。

これは、体のエネルギーのバランスが乱れていることを示唆し、自律神経系の働きにも影響を与えている可能性があります。

③脈の遅さ

冷え性の場合、脈が遅く感じられることがあります。これは、血流が遅れることによって生じるものであり、末梢の血行不良を反映しています。

④寒の影響

冷え性の脈は、特に寒い環境下の場合には、その特徴がより顕著に現れます。

寒さによって血管が収縮し、血流がさらに悪化するため、脈の弱さや不規則なリズムがより明確になることがあります。

冷え性の脈診は、これらの特徴が揃ったときに判断します。

体質や症状に合わせて適切な改善法を選択する際の重要な手がかりとなります。

冷え性の評価法② 舌診

2つ目は「舌診(ぜっしん)」です。舌の形状や色、舌苔(舌の表面につく膜状のもの)の状態を観察して診断します。冷え性の場合、舌が淡白で舌苔が厚く白っぽい場合があります。

舌診は、東洋医学における診断方法であり、舌の状態を観察することで体の状態を判断する手法です。

舌は身体の内臓器官や経絡の反射区でもあり、その色や形状、舌苔(ぜったい)、舌の湿り具合などから、身体の健康状態やバランスを知ることができます。

①舌の色

冷え性の舌は、通常淡白な色をしています。健康な舌はピンク色をしているのに対し、冷え性の場合は色が薄くなりがちです。また、舌が紫色や青みを帯びている場合もあります。これは、血液循環の不良や血行不全を反映している可能性があります。

②舌苔(ぜったい)

舌の表面につく薄い膜状のものである舌苔も舌診の重要な要素です。冷え性の場合、舌苔は通常、厚くて白っぽい状態を呈します。これは体内の湿気や冷気が蓄積していることを示しています。舌苔が厚いほど、冷え性の症状が強い可能性があります。

③舌の形状

冷え性の舌は、通常、腫れや縦線が見られることがあります。これは、体内の湿気や水分の停滞を反映している可能性があります。また、舌の表面が滑らかでなく、凹凸がある場合もあります。これらの特徴は、冷え性の診断に役立つ情報となります。

④舌の湿り具合

舌の湿り具合も舌診の重要な情報です。冷え性の場合、舌は通常、乾燥している傾向があります。これは、体内の水分が不足していることを示しています。舌が乾燥しているほど、冷え性の症状が強い可能性があります。

トータルケアラボラトリーでは舌診は、冷え性の原因や症状を把握し、その改善法を決定する上で欠かせない手段です。

冷え性の評価法③ 腹診

3つ目は「腹診」です。

腹部の触診を行い、腹部の状態や筋肉の緊張度などを診断します。冷え性の場合、腹部の筋肉が緊張して硬くなっていることがあります。

腹診は、東洋医学における診断方法であり、腹部の状態を触診することで体の状態を把握する手法です。

腹部は内臓器官が集中する場所であり、その状態や筋肉の緊張度などから、身体のバランスや健康状態を知ることができます。

①腹部の緊張度

冷え性の患者の腹部は、通常、筋肉の緊張が高い傾向があります。これは、内臓器官や血管が収縮しているために生じるものであり、末梢の血行不良や内臓機能の低下を反映しています。腹部が硬くなっているほど、冷え性の症状が強い可能性があります。

②腹部の温度

腹部の表面温度や触感も腹診の重要な要素の1つです。冷え性の場合、腹部は通常、冷たく感じられることがあります。これは、末梢の血流が低下しているために生じるものであり、内臓器官や血管が冷えていることを示しています。

③腹部の凹凸

腹部の表面にはさまざまな凹凸がありますが、冷え性の場合、特に凹凸が目立つことがあります。これは、内臓器官の位置や腹部の筋肉の状態に変化があることを示唆し、体のバランスや内臓機能の異常を反映しています。

④腹部の鳴動音

腹部の触診中に聴かれる腸の鳴動音も腹診の重要な情報です。

冷え性の場合、腸の鳴動音が弱い場合があります。これは、腸の運動が低下していることを示し、消化器系の機能低下や代謝の低下を反映しています。

冷え性の評価法④ 問診

問診は、東洋医学における診断方法の1つであり、患者に対して詳細な質問を行うことで体の状態や症状を把握する手法です。

身体だけでなく、生活環境や食生活などの情報も取得することで、総合的な診断が可能となります。

①冷えや寒さに関する質問

冷え性の患者に対しては、まず冷えや寒さに関する質問を行います。例えば、手足の冷えや体の冷えを感じる頻度や程度、特に寒い時期や寒冷な環境下での症状の有無などを詳しく尋ねます。これにより、冷え性の主な症状や特徴を把握することができます。

②体質や体の特徴に関する質問

患者の体質や体の特徴も問診の重要な要素の1つです。例えば、体型や体格、皮膚の状態、発汗の状況、睡眠の質やパターン、排尿や排便の状態などについて質問します。これにより、冷え性と関連する体の特性や機能について理解することができます。

③食生活や生活環境に関する質問

食生活や生活環境も冷え性の症状や原因に影響を与える重要な要素です。患者に対して、日常の食事内容や食べ方、飲酒や喫煙の状況、運動量や運動習慣、ストレスや精神的な負荷、睡眠環境などについて質問します。これにより、生活習慣や環境が冷え性に与える影響を理解し、適切なアドバイスや治療法を提案することができます。

④その他の症状や疾患に関する質問

最後に、その他の症状や関連する疾患についても質問します。例えば、冷え性以外の症状や不調、既往歴や家族歴、現在の病歴や治療歴、服用している薬やサプリメントなどについて確認します。これにより、冷え性と関連する他の病気や症状を排除し、正確な診断を行うことができます。

冷え性の問診は、これらの質問を総合的に分析し、患者の体質や生活環境、症状の特徴などを把握することで、適切な治療法を提供する上で重要な手がかりとなります。経験豊富な東洋医師による正確な問診は、患者の健康回復をサポートする重要な役割を果たします。

7つの解決法① 薬膳

薬膳は、東洋医学の理論に基づいて特定の食材を組み合わせて作る食事法であり、体のバランスを整えることや健康を促進することを目的としています。

冷え性の改善においても薬膳は有効であり、体を温め、体内のエネルギーの流れを活性化させる効果が期待されます。

薬膳は、東洋医学の理論である陰陽五行説や経絡学などに基づいて作られます。体のバランスを整えるために陰陽のバランスを考慮し、季節や体質に応じて適切な食材を組み合わせることが特徴です。

①体を温める

薬膳に使用される食材には、体を温める効果があるものが多く含まれています。特に、生姜やニンニク、シナモン、ハトムギ、根菜類などを使用しましょう。これらの食材は体の内部から温め、冷え性の改善に効果が期待されます。

②薬効を持つ食材

薬膳では、漢方薬と同様に、特定の食材が持つ薬効を活用します。例えば、食材の組み合わせや調理法によって、体を補う、疲労回復、消化を助けるなどの効果を得ることができます。

③薬膳の冷え性改善への効果
身体の内部から温める効果に使用される生姜やニンニク、シナモンなどのスパイスやハトムギ、根菜類などの食材は、体の内部から温める作用があります。これにより、血行が促進され、体温が上昇し、冷え性の症状が改善されると期待されます。

④血液循環を改善する効果

薬膳に含まれる一部の食材には、血行を促進し、血液循環を改善する効果があります。例えば、生姜やシナモンには血行を促進する作用があり、これにより体の末梢部分まで十分な血液が行き渡り、冷え性の改善につながると考えられます。

⑤腸内環境を整える効果

薬膳に使用される食材には、腸内環境を整える効果があります。これにより、消化吸収が促進され、体内の栄養素が効率よく吸収されるため、体のバランスが整い、冷え性の改善につながると考えられます。

薬膳の具体的なレシピ
薬膳のレシピは季節や個々の体質に合わせて変化しますが、薬膳のレシピを4つ提案します。

生姜湯:生姜をスライスして水に入れ、加熱して生姜の成分を溶かした飲み物です。体を温める効果があり、冷え性の改善に効果的です。

白鶴湯(はくかくとう):シナモンや乾燥生姜、大豆などを煮出した飲み物で、体を温める効果があります。

当帰芍薬生姜湯(とうきしゃくやくしょうきょうしょうとう):当帰や芍薬、生姜などを組み合わせて煮出した飲み物で、血行を促進し、体を温める効果があります。

羊肉と山芋の煮込み:羊肉や山芋、生姜などを煮込んだ料理で、体を温め、栄養を補給する効果があります。

薬膳は東洋医学の理論に基づいて体を温める効果が期待できる食事法であり、冷え性の改善に効果的です。

7つの解決法② 経穴への指圧

経穴への指圧は、東洋医学的な解決法として効果的です。

体内に存在する経絡と呼ばれるエネルギーの流れる経路上にある特定のポイントを指圧することで、体のバランスを整え、健康を促進する目的があります。

経穴への指圧は、経絡のエネルギーの流れを調整し、体の内部からの自然治癒力を高めることで、様々な症状や不調の改善に効果が期待されます。


経穴への指圧は、東洋医学の基本的な原理である経絡学に基づいています。

経絡学では、体内をエネルギーが流れる経路が存在し、その経路上には特定のポイントである経穴があります。

経絡のエネルギーの流れが滞ると、体のバランスが崩れ、様々な症状や不調が生じると考えられています。

経穴への指圧は、この経絡のエネルギーの流れを調整し、体のバランスを整えることで、健康を促進する目的があります。

経穴への指圧により、血液やリンパ液の流れが促進されます。特に、指圧を行うことで経穴周辺の血管が拡張し、血行が改善されます。これにより、組織への栄養供給が増え、老廃物の排出が促進されます。

経穴への指圧によって、経穴周辺の筋肉の緊張が緩和されます。特に、ストレスや疲労によって硬直した筋肉が緩み、体のリラックス効果が高まります。これにより、身体全体の疲労感やストレスが軽減されます。

経穴への指圧によって、内臓の機能が調整されます。特に、特定の経穴を刺激することで、関連する内臓の働きが正常化され、消化吸収や代謝などの機能が改善されます。また、内臓の温める効果も期待され、全身の体温が上昇し、冷え性の改善につながります。


経穴は全身に約360ヵ所存在し、それぞれが特定の経絡に関連しています。冷え性の改善に特に有効な経穴を紹介します。

①足三里(あしさんり)

足の外側、膝の下3寸(約10センチ)の位置にある経穴で、体全体の血行を促進し、体温を上昇させる効果が期待されます。

②大椎(だいつい)

首の付け根、第7頚椎と第1胸椎の間にある経穴で、自律神経のバランスを調整し、ストレスや緊張の緩和に効果的です。

③关元・関元(かんげん)

へそから下2寸(約6センチ)の位置にある経穴で、体の中心に位置し、腸や子宮の機能を調整し、体内のエネルギーの流れを活性化させます。

④気海(きかい)

へそから下4寸(約12センチ)の位置にある経穴で、内臓の働きを調整し、消化吸収を促進する効果があります。

経穴への指圧を行う際には、決まった手順に従って行います。

①適切な経穴を選択

冷え性の改善に効果的な経穴を選択します。上記で紹介した経穴、冷え性に関連する経穴を選択しましょう。

②指の腹を使って圧を加える

択した経穴に指の腹を使って優しく圧を加えます。圧を加える際には、痛みや違和感を感じる場合は強すぎる可能性があるため、力加減に注意しましょう。

③経穴を丁寧にマッサージする

経穴を指でなぞり、丁寧にマッサージすることで、血行を促進し、経絡のエネルギーの流れを活性化させます。

④呼吸を整えながら行う

経穴への指圧を行う際には、深くゆっくりとした呼吸を意識しながら行うことで、リラックス効果が高まります。また、経絡のエネルギーの流れが円滑になります。

経穴への指圧は東洋医学の基本的な改善法です。

血行促進や内臓機能の調整、自律神経のバランス調整などの効果が期待されます。

7つの解決法③ 漢方

漢方は、東洋医学の一翼を担う改善法であり、体内のバランスを整えることで健康を促進する目的があります。

漢方薬は、漢方医学の理論に基づいて、天然由来の植物や動物性の原料を組み合わせて調合され、様々な症状や不調に対応するための薬剤です。

冷え性の改善においても、漢方薬は体内のエネルギーのバランスを調整し、体温を上昇させる効果が期待されます。

漢方は、体内のエネルギーのバランスを整えることで健康を促進する改善法です。

漢方医学では、「気」「血」「水」といった体内のエネルギーの流れが正常であることが健康の基本とされています。

冷え性の場合、体内のエネルギーの流れが滞り、血行不良や内臓の機能低下が生じることがあります。漢方薬は、このような体内の不調を整え、体温を上昇させることで冷え性を改善します。

漢方薬に含まれる成分が体内のエネルギーの流れを活性化し、体温を上昇させる効果が期待されます。特に、体内のエネルギーの流れが滞っている部分を補う漢方薬が冷え性の改善に有効です。

漢方薬に含まれる成分が血液やリンパ液の流れを促進し、血行不良を改善します。血行不良が改善されることで、手足の冷えや体全体の冷えが軽減されます。

漢方薬に含まれる成分が内臓の機能を調整し、消化吸収や代謝を促進します。内臓の機能が正常化されることで、体内の栄養素の利用が改善され、体温の調整機能も向上します。

漢方薬は、天然由来の植物や動物性の原料を組み合わせて調合されるため、様々な種類があります。冷え性の改善に特に効果的な漢方薬を紹介します。

①帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

四逆散(しぎゃくさん)とも呼ばれます。この漢方薬は、体内のエネルギーの流れを活性化し、体温を上昇させる効果が期待されます。特に手足の冷えが中心の冷え性に有効です。

漢方薬は、できれば専門家による処方や指導のもとで適切に使用することが理想です。

しかし、ハードルが高いため自分でドラッグストアで買うこともできます。

冷え性の症状や体質に合わせて、適切な漢方薬を処方してもらうためには、漢方医師の診断を受けることが必要です。漢方医師は、患者の症状や体質を詳しく把握し、適切な漢方薬を選択します。

漢方薬は、生薬を粉末や丸薬、湯剤などの形で服用します。適切な量を服用しましょう。また、食事との相性や時間帯などにも注意が必要です。

漢方薬を服用した後は、体調の変化や症状の改善を定期的にモニタリングしましょう。漢方薬の効果や副作用を適切に把握することで、効果を確認し、必要に応じて処方の修正を行います。

漢方は体内のエネルギーのバランスを整えることで健康を促進する治療法であり、冷え性の改善にも有効な手段の一つとして利用されます。

7つの解決法④ 温める飲み物の摂取

冷え性を解消するための東洋医学のアプローチに、温める飲み物の摂取があります。

体内の冷えを改善するためには、内側から体を温めることが重要であり、温かい飲み物を摂取することで体温を上昇させ、血液循環を促進し、代謝を活性化させる効果が期待されます。


温かい飲み物を摂取することで、体内の冷えを改善する効果が期待されます。

温かい飲み物を摂取することで、体内の体温が上昇します。体温が上昇することで、手足や体全体の冷えを和らげる効果があります。

体内が温められると、血管が拡張し、血液循環が促進されます。血行が良くなることで、手足の末端まで血液が行き渡り、冷えを改善する効果が期待されます。

消化器官の働きが活性化されます。特に、冷え性の人は消化機能が低下しやすいため、温かい飲み物によって消化を促進することで、栄養素の吸収を助けます。


冷え性を改善するためには、体を温める効果が期待できる温かい飲み物を選ぶことが重要です。

温かいお茶は、体を温めるだけでなく、カフェインやカテキンなどの成分が含まれることで、血行促進や新陳代謝の活性化にも役立ちます。特に、生姜やシナモンを加えたお茶は、体を温める効果が高く、冷え性の改善に効果的です。

温かいスープには、栄養豊富な具材が含まれており、消化吸収が良く、体を温める効果が期待できます。特に、鶏ガラや豚骨をベースにしたスープは、体を温める効果が高く、冷え性の改善に効果的です。

温かい豆乳や牛乳には、良質なタンパク質やカルシウムなどが含まれており、体を温めるだけでなく、栄養補給にも役立ちます。特に、寝る前に飲むと、体を温めて眠りを深くする効果が期待できます。


温める飲み物を摂取する際には、注意点を確認し摂取することが重要です。

飲み物が熱すぎると口の中や食道を傷つける可能性があるため、適温に冷ますことが重要です。一般的に、40〜50℃程度が適切な温度とされています。

過剰な摂取は胃腸に負担をかける可能性があるため、適量を摂取することが重要です。一般的に、1日に数杯程度を目安に摂取します。

特に、就寝前や冷えが気になる時に摂取すると、体を温めて眠りを深くする効果が期待できます。

温かい飲み物の摂取は冷え性の改善に効果的な方法の一つです。体を温める効果が期待できるお茶やスープ、豆乳や牛乳などを適切な温度で摂取することで、体内の冷えを改善し、健康を保つことができます。

7つの解決法⑤ 適度な運動

冷え性の解決法として、適度な運動が重要です。

運動によって血液循環が促進され、体温が上昇しやすくなるため、冷え性の改善に効果的です。

運動の中でも特に効果的なのは、筋トレ、有酸素運動、ストレッチです。


筋力トレーニングは、筋肉を強化することを目的とした運動であり、冷え性の改善にも効果的です。筋肉量が増加し、代謝が向上するため、体温の上昇や冷えの軽減につながります。特に、下半身の筋肉を鍛えることで、足先や足首の冷えを改善する効果が期待できます。

スクワットは足幅を肩幅よりやや広めにし、両手を前方に伸ばしておきます。膝を曲げてお尻を後ろに突き出し、太ももが地面と平行になるまで下ります。その後、力を入れて元の姿勢に戻ります。腰や背中が丸まらないように注意しましょう。

ランジは片足を前に出して大きく一歩踏み出し、膝が90度に曲がるまで下ります。その後、元の姿勢に戻ります。両足を交互に行うことで、下半身全体の筋肉をバランスよく鍛えることができます。

プランクは腕立て伏せの姿勢から肘を曲げ、腕を直角にします。体をまっすぐに保ち、腰が浮かないようにします。この姿勢を保持し、体幹や背中の筋肉を鍛えます。


有酸素運動は、心臓や肺の機能を向上させる運動であり、体全体の血液循環を促進し、体温の上昇や代謝の活性化に効果的です。

特に、有酸素運動によって体内の脂肪が燃焼されるため、体温が上昇しやすくなります。有酸素運動の例としては、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどがあります。

ウォーキングは一定のペースで歩くことで、心臓や肺の機能を向上させることができます。毎日の散歩や通勤時の歩行など、日常生活に取り入れやすい運動です。

ジョギングは軽い走りを行うことで、体温が上昇しやすくなります。初心者でも気軽に始められる運動であり、体を温める効果が高いです。

サイクリングは自転車に乗ることで、脚や臀部の筋肉を鍛えると同時に、有酸素運動を行うことができます。自然の中を走ることでリラックス効果もあります。

ストレッチは、筋肉や関節の柔軟性を向上させる運動であり、冷え性の改善にも効果的です。

筋肉が柔軟になることで、血行が良くなり、冷えの軽減や体温の上昇につながります。特に、下半身のストレッチを行うことで、足先や足首の冷えを改善する効果が期待できます。

足首のストレッチは座った状態で片足を前に出し、かかとを地面に付けたまま膝を伸ばします。膝を曲げたままかかとを上げ、足首の筋肉を伸ばします。その後、反対側も同様に行います。

太もものストレッチは立った状態で片足を後ろに伸ばし、かかとを地面に付けたまま膝を伸ばします。腰を前方に倒し、後ろの足の裏側の筋肉を伸ばします。その後、反対側も同様に行います。

背中のストレッチは座った状態で両足を伸ばし、背筋を伸ばします。両手を後ろに回し、胸を開いて背中の筋肉を伸ばします。

無理な負荷をかけるとケガのリスクが高まるため、適度な負荷で行うことが重要です。初心者は無理のない程度から始め、徐々に負荷を増やしていきましょう。

定期的に運動を行うことで、効果的に体温を上昇させることができます。週に数回程度の運動を継続することが理想的です。

運動後は十分な休息を取り、リラックスすることが重要です。ストレッチや呼吸法を行うことで、体をリフレッシュさせましょう。

適度な運動は冷え性の改善に効果的な方法の一つです。筋トレ、有酸素運動、ストレッチを組み合わせて行うことで、体を温める効果が高まり、冷え性の症状を軽減することができます。

7つの解決法⑥ 保温対策

冷え性の解決法の一つとして、保温対策が重要です。

東洋医学では、体を冷やさないようにすることで体温を維持し、冷え性の改善に効果的です。


保温対策によって体表面や体内の熱を逃がさず、体温を維持することができます。これによって、手足や体全体の冷えを軽減し、快適な体温を保つことができます。

体を冷やさないことで、血管が収縮せずに血液の循環が促進されます。血行が良くなることで、手足の末端まで血液が行き渡り、冷えを改善する効果が期待できます。

体を冷やすことで交感神経が優位になりがちですが、保温対策によって副交感神経が活性化され、自律神経のバランスが整います。これによって、体の緊張が緩み、冷え性の改善につながります。


保温対策の基本は、適切な服装をすることです。冷え性の人は特に、重ね着や防寒具を用いて体を十分に温めることが重要です。下着や靴下は吸湿性の高い素材を選び、厚手のセーターやコートを着用して体を包み込みましょう。また、頭部や手足の保温も重要なポイントです。帽子や手袋、靴下などを利用して、熱の逃げ道を減らしましょう。


温かい飲食物を摂取することで、体内から温めることができます。温かい飲み物やスープ、温かい食事を摂ることで、体温を上昇させ、冷え性の改善につながります。特に、生姜やシナモンを加えた飲み物や料理は体を温める効果が高く、冷え性の人におすすめです。


保温グッズを利用することで、体を外部の寒さから守ることができます。電気毛布や湯たんぽ、保温マットなどを使用して、就寝時や長時間の外出時に体を温めましょう。特に、足元を温めることで全身の体温を上昇させる効果が期待できます。

7つの解決法⑦ ストレス管理

冷え性の解決法のとして、最後はストレス管理です。

ストレスは体の血管を収縮させ、血流を悪化させるため、冷え性の悪化につながります。

東洋医学では、心と体は密接に関連しており、心のバランスを整えることで体の状態も改善されると考えられています。

ストレスは交感神経を優位にし、体を緊張させます。しかし、ストレス管理を行うことで副交感神経が活性化され、リラックス状態が促進されます。副交感神経が優位な状態では血管が拡張され、血流が良くなります。このため、ストレス管理は冷え性の改善に直接的な効果をもたらします。

ストレスによって分泌されるストレスホルモン(コルチゾールやアドレナリンなど)は血管を収縮させ、血流を悪化させます。ストレス管理を行うことでストレスホルモンの分泌が抑制され、ホルモンバランスが整い、血流が改善されます。

ストレスが原因で体が緊張し、血管が収縮すると血液循環が悪化します。ストレス管理を行うことで心身のリラックスが促進され、血管が拡張し、血液循環が改善されます。これにより手足の冷えや全身の冷えを軽減する効果が期待できます。

深い呼吸をすることで副交感神経が活性化され、リラックス状態に入ります。ストレスを感じた時や疲れた時に、ゆっくりと深呼吸を行い、心身をリフレッシュさせましょう。腹式呼吸や瞑想などの呼吸法を取り入れることで効果が高まります。

ヨガやストレッチは体を柔軟にし、同時に心をリラックスさせる効果があります。ストレス解消やリラックス効果が高いポーズを取り入れて、心身のバランスを整えましょう。

趣味やレジャー活動はストレスを解消し、心身をリフレッシュさせる効果があります。好きなことをすることで気分が高まり、ストレスを忘れることができます。散歩や読書、料理など、ストレス発散に適した活動を楽しみましょう。

『健康管理士』鳥飼の結論

冷え性に関する本日の記事では、東洋医学における冷え性の解説と解決法について述べてきました。ここでは、結びとして、統合予防医療の観点から冷え性についても少し触れてみたいと思います。トータルケアラボラトリーは、その名の通り、統合予防医療、つまり西洋医療と東洋医療を組み合わせた予防医療の理念を掲げる施設です。

西洋医療においては、最近になって慶應大学が遺伝子レベルで冷え性の原因となる特定のDNAを発見したという発表がありました。この研究によれば、特定の遺伝子を持つ人間の温度を司るタンパク質や酵素の働きが冷え性に影響していることが示唆されています。西洋医学では、このような遺伝子レベルでの解析によって冷え性の原因を明らかにし、今後の治療法の開発にも役立てることが期待されています。

一方で、東洋医学も冷え性に対する独自のアプローチがあります。体のエネルギーの流れやバランスを重視し、体の内側からのアプローチを行います。経絡や気の流れを整えることで、冷え性の改善を図ります。また、東洋医学では冷え性を体質や個体差に基づいて総合的に診断し、それに応じた治療法を提供します。

統合予防医療の視点からは、西洋医学と東洋医学のアプローチを組み合わせることで、より効果的な治療法やケアが提供されると期待されます。両者のアプローチを統合することで、個々の患者の特性や状況に合わせた最適な治療法が提案され、冷え性の改善や予防に向けたサービスが進化していくでしょう。

トータルケアラボラトリーでは、このような統合予防医療の理念に基づき、西洋医学と東洋医学を融合させたサービスの開発に取り組んでいます。患者のニーズや症状に合わせて、最適な治療法やケアプランを提供し、健康な生活をサポートしていきます。

結論として、冷え性に対するアプローチは多岐にわたりますが、西洋医学と東洋医学の両者がそれぞれの視点から独自の解決策を提供しています。統合予防医療の視点からは、これらのアプローチを組み合わせることで、より包括的で効果的なサービスが提供されることが期待されます。トータルケアラボラトリーでは、患者の健康と幸福を追求し、統合的な医療サービスの実現に向けて努力を続けていきます。

睡眠の質の改善:十分な睡眠はストレス対策の基本です。睡眠不足はストレスの原因となりますので、良質な睡眠を確保することが重要です。就寝前にリラックスする習慣を取り入れ、快適な睡眠環境を整えましょう。

コミュニケーションの活性化:ストレスを抱えているときは、話を聞いてもらったり、愚痴を聞いてもらったりすることで気持ちを軽くすることができます。家族や友人とコミュニケーションを活発化させ、ストレスを分散させましょう。

環境の整理と時間管理:ストレスの原因となる環境やタスクを整理し、時間を上手に管理することもストレス管理の重要なポイントです。計画的な行動や優先順位の設定を行い、無理なスケジュールやストレスの溜まる環境を避けましょう。

ストレス管理は冷え性の改善に重要な役割を果たします。心身のリラックスを促進し、自律神経のバランスを整えることで血流が改善され、冷え性の症状が軽減されます。ストレス解消のために、呼吸法やヨガ、趣味やレジャー活動など、様々な方法を取り入れて心と体の健康を保ちましょう。