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「血糖値が高い人」の評価法と9つのダイエットのコツ

【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】

まずは、こちらの動画を見てください。

トータルケアラボラトリーでは、お客様の血液検査結果を分析しているのですが、多くの方が基準を超えた高血糖値を示します。

高血糖は健康上のリスクを増大させます。

血糖値が自然に下がる場合は問題ありませんが、血糖値を下げる能力が低下している場合は警戒が必要です。

血糖値の管理が難しい場合、慢性的な病気や合併症のリスクがあります。

そこで、血糖値を下げるためにダイエットを始める方が多いのですが、これがまた注意が必要です。

たしかに、血糖値を下げるためには、体重を減らすことが有効です。

しかし、血糖値が低い方のダイエットには慎重になる必要があります。

流行している一般的なダイエット方法は、血糖値が低い人にとって適切でないことがあります。

過度な食事制限や急激な体重減少は、更に血糖値の乱れを引き起こす可能性があります。

これにより、病状が悪化するリスクが高まります。

血糖値が下がらない人向けのケアやダイエット方法について、今日は解説したいと思います。

『トータルケアラボラトリー』では、
【健康管理士資格保有者】と【トレーナー資格保有者】があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。

【統合予防医療】と【フィットネス】をコラボさせた『パーソナルトレーニングジム』です。

【健康管理士】であり、【トレーナー】でもある『鳥飼』が情報をブログにて配信しています。

是非、過去の記事も参考にしてください。

血糖値が高い人の「ダイエット」

以前、トータルケアラボラトリーにご相談に来られたAさんのエピソードをお話しします。

Aさんは健康診断で高血糖と評価を受けました。再検査で医師からダイエットを勧められ別のパーソナルジムに通い始めました。

ジムでは糖質制限ダイエットとプロテインの摂取を指導され、体重を減らすことを目指しました。

確かに体重は10kgほど落ちました。

しかし、予想外の結果として、これらの取り組みが健康に悪影響を及ぼし、糖尿病へと進行してしまいました。そして、膵臓や腎臓といった複数の臓器の損傷を招いてしまいました。

このエピソードはAさんだけのものですが、実はこのケースはよくあるんです。

高血糖の人がダイエットやトレーニングを行う際には、健康状態や身体への影響を適切に理解し、注意深くアプローチすることが重要です。

糖質制限ダイエットは、一般的に血糖値の上昇を抑制する効果がありますが、その過程で血糖値の急激な低下が生じることがあります。

高血糖の人は、このような急激な変動に対する耐性が低く、低血糖症のリスクが高まります。

低血糖症は、めまいや倦怠感から、意識障害や健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。

さらに、高血糖の人が過剰なプロテインを摂取すると、それが腎臓に負担をかけます。

腎臓は、過剰なタンパク質を排出する役割を果たしていますが、過度の摂取によって負担が増加し、機能が損傷されるリスクがあります。

高血糖と腎臓の機能低下との相乗効果が生じ、腎臓に深刻な損傷をもたらす可能性があります。

Aさんのケースでは、トレーナーが彼の高血糖の状態や健康リスクを十分に把握をしたのか疑問です。

血糖値の状態など把握し、理解し、適切なアドバイスを提供していたかどうかが問われます。

高血糖の人がダイエットや運動を行う際には、高血糖の方のために応じたアプローチが必要です。

「インスリン」と「膵臓」

高血糖は、膵臓のインスリンを作る機能やインスリンの効果に悪い影響を与えます。

インスリンは、血糖値をコントロールし、細胞にブドウ糖を取り込む役割を果たす重要なホルモンです。

まず、高血糖の状態では、膵臓が通常よりも大量のインスリンを分泌します。

これは、高血糖に対する体の反応です。

膵臓は、血糖値が上昇するとインスリンを分泌して、血糖値を下げようとします。

しかし、高血糖が継続すると、膵臓が長期間にわたって過度のインスリンを分泌し続けることになります。

この過剰なインスリン分泌は、膵臓の機能に影響を与え負担をかけることになります。

これにより、膵臓の細胞が機能不全に陥る可能性があります。

膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌が不足、血糖値のコントロールが難しくなり、高血糖が持続しはじめます。

また、高血糖の状態では、体の細胞がインスリンに対する抵抗性を示します。

インスリン抵抗性が高まると、体の細胞がブドウ糖を効果的に利用できなくなります。

その結果、血糖値が上昇し、膵臓はさらに多くのインスリンを分泌しようとします。

この悪循環が続くと、膵臓の機能が低下し、インスリン抵抗性がさらに悪化する可能性があります。

このような状況下では、膵臓は常に高い負荷にさらされます。

過度のインスリン分泌とインスリン抵抗性の両方が、膵臓に悪影響を与える可能性があります。

長期間にわたってこの負荷が続くと、膵臓の機能が低下し、最終的にはインスリンの産生が不足する可能性があります。これが2型糖尿病です。

参考:糖尿病 厚生労働省

血糖値が高い人の「リスク」

高血糖とは、血液中の血糖(ブドウ糖)濃度が正常範囲を超える状態です。

長期間にわたって持続すると、健康上の問題を引き起こします。

高血糖は、インスリンの不足または体内の細胞がインスリンに対する抵抗性を示すことによって引き起こされます。

インスリンは、ブドウ糖を細胞に取り込むためのホルモンであり、血糖値を調節する役割を果たしています。血糖値が高くなると、インスリンが分泌されインスリンの力によって血糖値は低くなります。

高血糖は、糖尿病などの疾患の特徴で、長期的な高血糖は、心血管疾患、神経障害、腎臓病、視覚障害などの合併症を引き起こします。

高血糖状態が続くと、身体の各組織や臓器に影響が現れます。

まず、高血糖は血管にダメージを与えます。

高血糖が血管内皮細胞、血管壁を損傷させることで、動脈硬化や動脈狭窄を引き起こします。

この結果、心臓病や脳卒中などの血管系疾患のリスクが増加します。

また、高血糖は神経系にも影響を与えます。

末梢神経障害や自律神経障害などの神経障害が発生します。

手足の感覚異常、痛み、しびれ、筋力低下などの症状が現れます。

また、自律神経障害は、消化器系の機能低下や心拍数の異常などを引き起こします。

さらに、腎臓にも影響します。

高血糖は、腎臓の機能を低下させ、尿中に糖が排出されるため、多尿や脱水症状が現れます。

また、高血糖は腎臓の血管を損傷し、腎不全のリスクを増加させます。

他にも視覚にも糖尿病性網膜症と呼ばれる網膜の損傷が発生する可能性があります。

これは、視力低下や失明の原因となります。

高血糖はまた、水晶体の腫れや硬化を引き起こすことがあり、白内障のリスクを増加させる可能性があります。

血糖値が高い人の「評価」

高血糖の人を評価するためには血液検査の結果を見ることが特に重要です。

トータルケアラボラトリーでは、高血糖の人の健康状態や病態生理を把握し、適切な管理計画を立案する上で不可欠な情報となります。

①血糖値(グルコース)
血糖値は、高血糖の主要な指標であり、空腹時血糖値(FPG)や食後2時間の血糖値(PPG)など、異なる時間帯での測定が行われます。

高血糖の人の血糖値が安定しているかどうかを確認するために、定期的な血糖値のモニタリングが重要です。

血糖値が高いと、多くの場合、糖尿病やその合併症のリスクが増加します。

また、適切な血糖値の管理は、糖尿病やその合併症の予防や管理に重要です。

空腹時血糖値が110 mg/dL以上、または食後2時間の血糖値が140 mg/dL以上の場合は、高血糖と診断されます。

②グリセイル化ヘモグロビン(HbA1c)
HbA1cは、血液中のグルコースとヘモグロビンが結合した状態を示す指標であり、過去数か月間の平均血糖値の推定値として使用されます。

HbA1cの測定は、日々の血糖値の変動を補完し、長期的な血糖コントロールの評価に役立ちます。

一般的に、HbA1cが6.5%以上の場合は、糖尿病の診断が検討されます。

HbA1cが高いと、血糖コントロールが不十分であり、合併症のリスクが高まる可能性があります。

③血清インスリン
血清インスリンレベルは、高血糖の原因やインスリン抵抗性の程度を評価するための重要な指標です。

高血糖の人は、インスリンの分泌不足や組織へのインスリンの効果低下が起こることがあります。

血清インスリンの測定は、これらの問題を把握し、適切な管理法を選択するために重要です。

インスリンの不足や効果の低下が見られる場合、医療施設にて適切な治療法やインスリン補充療法が必要となります。

④リピドプロファイル
リピドプロファイルは、血液中のコレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロール、LDLコレステロールなどのリピドパラメータを評価するものです。

高血糖の人のリピドプロファイルの異常は、心血管疾患のリスクを増加させる可能性があります。

例えば、高トリグリセリドや低HDLコレステロール、高LDLコレステロールなどの異常は、心血管リスクの指標となります。

適切なリピドプロファイルの管理は、高血糖の人の心血管疾患の予防や管理に重要です。

9つのダイエットポイント

トータルケアラボラトリーでは、高血糖の人のための専門的なダイエット方法を準備しています。

通常のダイエット方法では痩せたとしても身体の内面に危険が伴います。

血糖値の安定化や健康を促進することを目指し、高血糖の人が健康的な体重管理と血糖コントロールを実現するための戦略について考えています。

①低GI食品の選択
炭水化物の量を減らすことはしません。代わりに、グリセミックインデックス(GI)の低い食品へと変えていただくようにしています。

GI値とは食品が血糖値を上昇させる速度を示す指標です。

高血糖の人は、GI値が低い食品を選択することで、急激な血糖値の上昇を抑制できます。

例えば、全粒穀物、玄米やオートミール、野菜、果物、豆類などが低GI食品に含まれます。

吸収が緩やかにしていくだけではなく、低GI値の食材は栄養価も高いことが多いです。

②適切な炭水化物摂取
高血糖の人が適切な炭水化物を摂取することは重要です。

糖質制限は行いません。

過剰な炭水化物摂取は血糖値を上昇させるリスクを高めますが、過度に制限すると低糖症に陥ります。

適切な量の炭水化物を摂取し、GI値のコントロールを行い、血糖値の上昇をコントロールすることが重要です。

③タンパク質のバランス
タンパク質は血糖値の上昇を抑制し、満腹感を促進します。

高血糖の人は、健康な植物性タンパク質源を摂取し、食事のバランスを保つことが重要です。

豆類などを中心に良いタンパク質源として挙げられます。

動物性たんぱく質と同等量の植物性たんぱく質を摂取しましょう。

お肉は減らし、魚の量を増やしていきましょう。

一見健康的に見える鶏肉もプリン体が多く含まれている為、あくまでバランスにこだわり様々な動物性たんぱく質を摂取しましょう。

④食事の分食と量の管理
高血糖の人は、食事の頻度と量を適切に管理することが重要です。

大量の食事や食事の間隔が長いと、血糖値の変動が大きくなります。

適切な量の食事を定期的に分食摂取することで、血糖値の安定化を図ります。

⑤適切な脂質摂取
高血糖の人は、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を避け、心臓血管疾患や脂質異常を予防するために、健康的な不飽和脂肪酸を摂取することが重要です。

オリーブオイル、アボカド、ナッツ類などが良い脂質源として挙げられます。

⑥食物繊維の摂取
高血糖の人は、食物繊維を豊富に含む食品を摂取することで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。野菜、果物、穀物などが良い食物繊維の源となります。

⑦適切な水分摂取
適切な水分摂取は、血糖値の安定化や体内の代謝をサポートするために重要です。

高血糖の人は、定期的に水分を摂取し、脱水を防ぐことが必要です。

⑧運動
運動は、血糖値のコントロールや体重管理に役立ちます。有酸素運動や筋力トレーニングを組み合わせたプログラムを推奨しています。健康状態に応じて適切な運動を選択することが重要です。

⑨血糖値のモニタリング
高血糖の人は、定期的に血糖値をモニタリングし、食事や運動の効果を把握することが重要です。

モニタリング結果をもとに、食事や生活習慣の調整を行います。

戦略を組み合わせることで、高血糖の人が健康的な体重管理と血糖値のコントロールを実現し、糖尿病やその合併症のリスクを軽減することができます。しかし、個々の状況や健康状態に応じて、適切なアプローチを選択することが重要です。常に医師や栄養士との協力を求め、個々のニーズに合ったプランを策定することが大切です。

『健康管理士』鳥飼の結論

トータルケアラボラトリーでは、血糖値が高い人に対するダイエットプログラムや評価法を確立しています。

通常のダイエット方法が高血糖の人にとっては危険を伴うことがあるため、専門的なアプローチが求められます。

高血糖は糖尿病やその他の健康問題のリスクを増加させる可能性がありますが、適切な管理とケアによってそのリスクを軽減することができます。

トータルケアラボラトリーが提供する高血糖の人向けのダイエットプログラムや評価法は、ニーズや健康状態に合わせて作成されています。

これにより、高血糖の人が安全かつ効果的に血糖コントロールを行い、健康な生活を送るためのサポートを受けることができます。