~心理学でダイエットを考察~
【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
現実には起こっていないことに対して不安や思い悩むことは、ネガティブな思考と言われています。
「ダイエットをしても1年後痩せることができていなかったらどうしよう」
「食事のコントロールが失敗したらどうしよう」
「私は続かないタイプだからダイエットは無理」
このようなネガティブ思考は心理学の言葉で言えば、「破滅的思考」または「もしも思考」として知られています。
このタイプの考えは、最悪のシナリオを想像したり、起こるか分からない出来事について心配することが多いです。
破滅的な思考は否定的な感情を引き起こし、ダイエットを前向きに考えて積極的に努力する能力を妨げます。
破局的思考は、「どうせ無理」などの、否定的な感情や「どうせ無理ならダイエットをやめておこう」などと不適応な行動を取る、非合理的な思考パターンです。
まずはできることを実行することで、徐々に破滅的な思考を減らし、不安を減らし、より前向きで積極的な考え方を取り戻すことができます。
今日は破滅的思考のメカニズムと、その対処法を解説していきます。
トータルケアラボラトリーでは健康管理士資格保有者とトレーナー資格保有者があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
統合予防医療とフィットネスをコラボさせたパーソナルトレーニングジムです。
健康管理士であり、トレーナーでもある鳥飼が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。
ネガティブ=破滅的思考、もしも思考
破滅的思考とは、起きてもいないことに不安や心配を感じることです。
脳の認知の歪みと密接に関連しています。
破滅的な思考は、認知機能の不安や心配から生じます。
つまり、脳の性格です。
不安は、感じ取れる脅威や危険に対する人間の自然な反応です。
「カロリーを減らしすぎて死んだらどうしよう」
と不安視するから、人間は行き過ぎたダイエットを怖がり正しい判断を考えることができます。
不安も適切な量であれば良い結果につながります。
しかし、過度の不安は問題です。
ネガティブ思考、つまり破滅的な思考に陥ると、ネガティブな出来事が起こる可能性を高いと勝手に考え、それに対処する自分の能力も過小評価する傾向があります。
「私はダイエットをするつもりでジムに体験に行っても、しつこく入会の営業をされるんだろう」
という、まだ起きてもいない、事前情報もないのに「悪いことが起きるだろう」という風に不安視をしてしまいます。
もし、営業をされても嫌なら断ればいいだけなんですが、対処する能力を過小評価しているので対処することを最初からあきらめてしまいます。
「営業されたら私は断れないタイプだから、押しに負けて入会の契約をしてしまうだろう。」
「それなら、最初から体験にいかないことにしよう」
といった流れです。
心配は、破滅的な思考によく見られるもう 1 つの要素です。
潜在的なマイナスの結果について繰り返し考えたり、将来の出来事について勝手に心配したりすることが含まれます。
「ジムでダイエットに成功しても、リバウンドしてしまう」
「ジムでダイエットしても、トレーナーさんと相性悪かったらどうしよう」
このように、まだ起きていないのに過度に先に心配すると、ネガティブな思考や負の感情のサイクルにつながる可能性があります。
行ったこともないのに、「ジムは入会の押し売りがひどい」「ジムのトレーナーは嫌な人が多い」と自分の中で、ジムとはこういう場所という先入観念を作り上げてしまいます。
行ったこともないのに決めてしまう。そして行ったこともないのに、SNSに良かれと思って悪口を書いてしまう人は実際にいます。
ジム側からしても迷惑な話かもしれません。
このような方は、自分の生活のポジティブな側面に焦点を当てたり、積極的な行動をとったりすることが困難になります。
破局的思考だと幸せになりにくい
ネガティブな思考だと普段から、ストレスレベルの上昇、不安の増大、そして人生のコントロール低下につながります。
破滅的な考え方は、全般性不安障害やうつ病などの精神的な病気の発症、または悪化の原因となります。
そして、破滅的な思考は意思決定能力を損ない、行動力が下がり「何もできない人」になってしまいます。
「ジムに行くと続かなくてお金がもったいないことになりそう」
「食事のコントロールをすると体調を崩して病気になりそう」
「ウォーキングに出かけると、睡眠時間が削られて寝不足になって病気になりそう」
ネガティブな考えや心配事に囚われていると、自分の状況を客観的に見て、合理的な選択をすることが難しくなります。
「やめとこう。」
この心配からくる行動力の欠如により、問題解決のための努力やスキルが妨げられ、現実に起きていることに対処するために必要な行動を取ることがなくなります。
つまり、「何もできない人」になってしまいます。
破滅的思考を軽減する「自覚」
破滅的な思考は、否定的または不合理な考え方をしていることを自覚し、それに自分で対抗することです。
「私はネガティブに物事を考えてしまう性格だ」
「その考え方は間違っている」
「このままでは、何にもチャレンジできない」
このように自分で自覚をすることが大切です。
ネガティブな考え方の人は、物事を見る見え方は歪みがちです。
第3社の別の視点から見た世界を考えることで、よりバランスのとれた現実的な選択肢や、自分の考えというものを再構築することができます。
「ジムに行っても私はどうせ続かない。やめとこう。」
という考え方の後に、
「いや、待てよ。ポジティブな考え方を持つ主人だったらどう考えるかしら?やってみて続かなくなったら、その時は家でトレーニングすればいいっていうかもしれない」
「なら、一旦ジムに入会してダイエットを頑張り始めるって言いそうだ。」
「私もそうしてみよう!」
このようなマインドフルネスのテクニックを実践すると、自分の破滅的な思考に巻き込まれることなく、それに気づくことができます。
マインドフルネスの分野では、思考や感情だけで物事を判断せずに、まずは観察し、ネガティブな思考パターンから距離を置くことが重要視されます。
「私がジムで長続きしないとしたら、トレーニングのきつさがストレスに感じたときだ。このジムは個人の体力に合わせてくれるのか確認しよう」
「私が食事のコントロールが不健康だと思っているのは、食べる量が減ることに恐怖を感じているからだ。食事の量は変えずに栄養バランスを整える方法があるのか確認しよう」
このように、効果的な問題となること、それに対しての解決スキルを手に入れると、壊滅的な考えに圧倒されるのではなく、少しずつ行動を起こすことができるようになります。
問題を分解し、行動計画を立てる
物事に対してコントロールできる感覚を感じると、不安が軽くなります。
「ジムに体験に来た。トレーナーさんも優しそうだし、体力に合わせてくださると言ってくれた。体験メニューも楽しかった。」
ここまでくると不安は、安心に変わっていきます。
ここまでくると、魔法の言葉を1つ覚えておくと便利です。
魔法の言葉とは、「ありがとう」です。
「トレーナーさんのおかげで体験して不安がなくなった。ありがとう。」
「説明が分かりやすくて助かった。ありがとう」
感謝を習慣にすることを通じて、人生のポジティブな側面に焦点を当てることができると研究で報告されています。
感謝は、破滅的な思考に伴うネガティブな偏見を打ち消すことができます。
ポジティブな経験をするたびに、前向きに誰かに感謝することは、潜在的な大惨事から注意をそらすのに役立ちます。
それでも不安が取り除けないときもあるでしょう。
信頼できる友人、家族、または健康管理士や精神問題の専門家に相談するといいでしょう。
自分が感じている懸念を伝え、その人の視点を教えてもらうことができる「支援的な環境」を作ることができます。
あなた「あのジム体験に行ったけど結果が出るか不安なんだよね」
友人「あのジムかよったら、私は楽しく5kg痩せることができたよ!結果出なかったら早めにやめたらいいんじゃない??」
それでも不安が無くならない人もいます。
そういう場合は、精神問題の専門家がいます。破滅的な思考を管理するためのツールやテクニックを教えてもらうこともできます。1つの選択肢として考えておきましょう。
「認知的不協和」「確証バイアス」「選択的暴露」
起きてもいない不安や心配を想像すると、人はネガティブな不安や心配にかられることがよくあります。
「もしジムに通ったら、きついトレーニングに耐えられないかもしれない」
「体験に行きたいジムがあるが、怖いトレーナーさんがきっといる」
起きてもいない不安や心配が出てきたら、時間をかけずにタイムリーに処理できないと、さらなる精神的苦痛や意思決定の困難につながります。
なぜそんな事が起きるのかを理解するには、起きていないな想像世界に対して、私たちが本能的に反応する心理学的な出来事を知ることが重要です。
①認知的不協和
起きてもいない想像に、私たちの心が影響を受けることは、「認知的不協和」という概念が影響しています。
認知的不協和とは、人の信念や行動が新しい情報や経験によって、価値観と矛盾するときに生じる精神的不快感を指します。
「食事の量を減らせば綺麗に痩せると思っていた。でも、ジムの体験に行ったら筋肉量が少ないからむしろ食事の量を増やして筋肉をつけるようにと言われた。」
「体を細くしたいから体重を落とそうと思ってジムに行ったが、筋肉量が少ないので筋肉をつけて引き締めましょう。体重は筋肉の分増えていきます。と言われた。」
このように自分の頑張ろうと思っている信じている方法と、現実の情報が矛盾していることは多くあります。
矛盾に直面すると、人は自分の期待と現実の間に不協和音を感じ、不安や不確実性を感じることがあります。
「ジムでそう言われたけど、信用できない。」
「トレーナーさんに言われたことで、本当に大丈夫かな?だってYotubeで聞いた話と違う。」
など不安や不確実性が頭によぎります。
②確証バイアス
非現実的な出来事が、私たちの心に影響を与える要因の2つ目は、「確証バイアス」です。
確証バイアスとは、自分の既存の信念や仮説を裏付ける情報を検索し、解釈し、自分で好む傾向を指します。
「ジムでは食事の量を増やせといわれたけど、やっぱりYoutube検索したら食事の量を減らせっていう人がいた。私の考え方はやっぱり正しくて、ジムで言われたことが間違ってたんだ!」
非現実的な世界に生きる住人は、人は自分の信じている方法や、懸念の解決法だと思っているものが正しいと言っている情報を探してしまう人をいいます。
自分と同じことを言っている人を探し、心を掴まれ集中する可能性が高くなります。
すると正しい情報をアドバイスもらったとしても、不安をさらに増幅させる可能性があります。
③選択的暴露
3つ目の要因は、「選択的曝露」というものです。
選択的暴露とは、自分の信念や好みに反する情報への暴露を避ける傾向を指します。
人は自分のと矛盾する情報を探すことを積極的に避けることがあります。
その結果、不安や不確実性が高まります。
「私は運動が嫌い。運動しなくても食事制限だけで痩せられる。調べても、みんな私とは違う事ばかり書いている。私の考え方が正しいのだからもう調べたり相談したりしない」
「自分の思うようにやればいい。」
不安や心配を排除する
起きてもいないネガティブな想像に対して、不安や心配を排除するには、合理的思考と広い視野を持つことです。
①専門家に相談
「食事制限をしないダイエットなんて信じない。けど、管理栄養士の先生に詳しく聞いてみよう」
「運動は嫌い。ジムも続けられるとは思わない。この不安を1度トレーナーさんに相談してみよう」
このように、問題となっている不安や心配を、徐々に合理的で1歩行動的なプロセスに踏み出せるよう自分で奨励することです。
これは専門的に言えば「管理され、構造化された方法」です。
専門家に情報をさらされることにより、不安やリスクを徐々に正確に理解できるようになります。
②他社とのコミュニケーション
もう 1 つの重要なことは、自分の懸念や不確実性について他の人とオープンかつ正直にコミュニケーションをとることです。
これらの問題を友人、家族と話し合うことは、他者の視点を自分で受け取ることができます。
「私はジムは続かないって言っていたけど、主人に相談したら応援してくれるって言ってくれた。」
「友達にダイエットに対する不安を話したら、君なら大丈夫だよ。と言ってくれた。」
これらは不安の原因となっている根底にある認知バイアスや選択的曝露傾向に打ち勝つことに役立ちます。
まとめ
起きてもいない非現実的な不安や心配は、「認知的不協和」「確証バイアス」「選択的暴露」という心理学的要因によって、生み出されています。
これらは起きてもいない、不確実な想像を事実だと信じ込む危険があります。
悪化すれば「被害妄想」という症状に陥ります。
心は心理学的要因に大きく影響される可能性があります。
忘れてはならないのは、周囲の人間も巻き込んでしまうということです。
合理的思考と視野の広い心を奨励することで、非現実的な出来事に直面したときの不安や不確実性をより適切に管理できるようになります。
最終的にはより効果的な意思決定と感情的な幸福につながります。