【著者 パーソナルトレーナー・健康管理士・健康管理能力検定1級 鳥飼 祥秋】
日頃生活をしていて、怪我をしやすい箇所として肩があると思います。
スポーツをしていない一般の方でも四十肩など肩の痛みを伴う症状の名前を知っているのではないでしょうか?
肩関節は大きく動かせる関節ですが、腕を挙上しようとすると肩に痛みが出てしまいます。
スポーツをしている人は負荷がかかって痛めてしまいやすい場所でもあります。
また、筋力トレーニングをしている人も負荷がかかったり、肩の周囲が硬くなってしまって炎症が起きたりしやすい場所です。
今日はそんな方の詰まり感や痛みが出た場合の対処方法や予防の方法をお伝えしていきます。
トータルケアラボラトリーでは健康管理士資格保有者とトレーナー資格保有者があなたの健康、ダイエット、美容についてサポートさせていただきます。
予防医療とフィットネスをコラボさせたパーソナルトレーニングジムです。
健康管理士であり、トレーナーでもある鳥飼が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。
1章.肩関節の詰まり感や痛み
肩に詰まり感や痛みが出る場合、肩関節周りには何が起きているか見てみたいと思います。
まず、筋肉の緊張や疲労が原因となっている場合があります。
肩回りの筋肉に負荷がかかり長時間、緊張状態が続くことで詰まり感や痛みが発生することがあります。
負荷とは、座ってパソコン仕事をする姿勢や、重たいものを持ち運ぶことなどが考えられます。
次に、純粋に関節に問題がある場合があります。
関節の周りの組織や靭帯に問題があるとすれば、関節包炎やローテーターカフと言われるインナーマッスルの炎症や損傷、肩関節のバーサ滑液包と言われる箇所の炎症が考えられます。
更に、肩関節の神経を圧迫している可能性があります。
神経に圧迫がかかると頸椎ヘルニアや頸椎狭窄症、肩甲骨の位置がずれるなどが神経を圧迫する原因となります。
痛みがひどい場合には、肩関節の脱臼や亜脱臼、心臓の病気による放散痛、ストレスや不安による筋肉の過緊張が考えられます。
2章.ローテータカフの重要性
ローテータカフは回旋筋鍵盤ともいわれる、肩の関節を安定させるために大切な筋肉群です。
肩の関節は上腕骨頭と肩甲骨の関節窩のつなぎ目であり、自由度が高いため大きく動くことができます。
しかし、この広い範囲の運動は、安定性の問題を引き起こします。
ローテータカフは、肩関節を安定化し、正常な運動を可能にします。
ローテータカフは、4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)から構成されています。
これらの筋肉は、上腕骨の頭を包み込むように並んでいて、肩関節を固定し、回旋する運動を制御します。
ローテータカフは、外力や急激な運動による肩関節への負荷やストレスを吸収し、肩関節の損傷や脱臼を防ぐ役割も果たします。
ローテータカフは重要性が高く、肩関節の安定性の維持に役立ちます。
肩関節は、多くの方向への運動が可能であり、他の関節と比較して大きい角度で動かすことができます。
しかし、広い動作が可能だからこそローテータカフが弱くなったり、収縮不全などうまく使えなくなると肩関節を不安定にさせてしまう原因にもなります。
また、ローテータカフは肩関節の回旋する運動をコントロールする役割も果たします。
回旋する運動とは、上腕骨の頭が肩甲骨の関節窩内で円を描くように移動します。
この運動は、スポーツや日常生活の中で頻繁に行われます。
ローテータカフが正常に機能しない場合、回旋運動が制限されてしまいます。
このときに痛みや不快感が生じる可能性があります。
正しいローテーターカフの強さや柔軟性があれば、外力や急激な運動による肩関節への負荷やストレスを吸収して、肩関節の損傷や脱臼を防ぐ役割も果たします。
特にスポーツや肩を頻繁に使用する人々にとって、ローテータカフの強化と柔軟性の維持は重要です。
適切なトレーニングやケアをすることで、ローテータカフの損傷や障害を予防することができます。
3章.棘下筋と小円筋の役割
ローテータカフの中に、棘下筋と小円筋があります。
棘下筋は、肩甲骨と上腕骨の間に位置する大きな筋肉です。
この筋肉は、主に上腕骨を内側に捻るときに使われます。
また、棘下筋は肩甲骨を固定し、上腕骨が正常な位置に保たれるように支えます。
これにより、肩関節の安定性が向上し、上腕の内旋運動が円滑に行われます。
小円筋は、棘下筋の下部に位置する小さな筋肉です。
小円筋は主に上腕骨を外側に捻る役割があります。
また、小円筋は肩甲骨を引き下げるときに使われます。
これにより、肩関節の運動範囲が拡大し、上腕の動きがより自由になります。
棘下筋はボールを投げる、バットを振るなどの動作において必要不可欠です。
また、小円筋はゴルフスイングやテニスのフォアハンドなどの動作において重要な役割を果たします。
棘下筋と小円筋は、ストレッチでケア、また適切なトレーニングによって強化することができます。
4章.棘下筋と小円筋のストレッチ
棘下筋のストレッチ方法を解説します。
① 手の甲を背中にまわす。
② 反対の手で肘を前に倒す。
です。
20秒程度ゆっくり深呼吸しながら伸ばしましょう。
次に、小円筋のストレッチ方法を解説します。
①肘を90度に曲げます。
②肘を曲げたまま、拳が下に来るように反転させます
20秒程度、呼吸を止めないようにしながら伸ばしましょう。
5章.棘下筋と小円筋のトレーニング
棘下筋と小円筋のトレーニング方法について解説します。
①まずは自重、もしくは500gの重りを準備します。
②横向きに寝て、肘を90度に曲げ、前腕を床と平行にします。
③曲げている手をおへその方に下げ、元に戻します。
25回からスタートして、50回できるように少しずつ回数を増やしていきましょう。
6章.棘上筋の役割
棘上筋は、背骨の棘突起と肩甲骨(鎖骨と肩甲骨の間)を結ぶ役割を果たしています。
棘上筋の主な役割は肩甲骨の安定性を維持させることです。
また、棘上筋は、肩甲骨の回旋運動にも役立ちます。
肩甲骨が外転方向に移動する運動で、腕を横から挙上するときに働きます。
更に、姿勢制御にも役立ちます。
正しい姿勢は、身体のバランスを保ち、筋肉や関節への負荷を均等に分散させるために重要です。
棘上筋は、背骨と肩甲骨を連結することで、背中の安定性を高め、正しい姿勢を維持する役割を果たします。
7章.棘上筋のストレッチ
棘上筋のストレッチを説明します。
①片手を身体の後ろ側に回します。
②腕を反対側の肩の方に挙げていきます。
身体が硬くてやりにくい場合は、タオルを使って引き上げましょう。
20秒程度、呼吸を止めないように伸ばしていきましょう。
8章.棘上筋のトレーニング
棘上筋のトレーニング方法について解説していきます。
①横向きに寝て、上の手を小指が上にして肘を伸ばします。
②腕を伸ばしたまま、床と平行になるように腕を伸ばします。
③おへその方まで腕を下げて、ゆっくり挙げていきます。
9章.肩甲下筋の役割
肩甲下筋は、人体の上半身の筋肉の一部であり、肩甲骨と上腕骨をつなぐ役割を果たしています。
この筋肉は、肩甲骨の裏から中央に位置し広がっています。
肩甲下筋の主な役割は、肩甲骨の運動を制御することです。上腕骨は肩甲下筋の役割によって正常な範囲内で内旋させる運動することができます。
また、上腕骨の運動を補助する役割もあり、上腕を後ろに引く(伸ばす)動作や、上腕を内側に回す(内旋)動作において重要な役割を果たしています。
10章.肩甲下筋のストレッチ
肩甲下筋のストレッチを解説します。
①上向きで寝ていきます。
②肘を90度の曲げます。
③手の平を床に着けるように、肩を関節を内側に捻ります。
20秒程度を呼吸を止めないように伸ばします。
11章.肩甲下筋のトレーニング
肩甲下筋のトレーニング方法を解説します。
ゴムチューブを準備し固定して、端を手で握ります。
①肘を直角に曲げていきます。
②肩を外側に捻り、腕を広げます。
③肘は直角のまま、内側に戻していきます。
回数を20回から50回程度目指してトレーニングしていきましょう。
12章.まとめ
いかがだったでしょうか?
ローテーターカフが肩の詰まり感や痛みの予防に役立つことがご理解いただけたかと思います。ストレットやトレーニングが重要となってきますので、普段の生活に是非取り入れてみてください。
ローテータカフは、肩の関節を安定させるために重要な役割を果たしています。
そのため、ローテータカフのコンディションを高めておくことは非常に重要です。
コンディションが悪いと、肩の動きや機能に制限が生じる可能性があります。
ローテータカフは、4つの筋肉で構成され、肩関節を固定することで痛みを予防する効果があります。
日常の負荷やストレスを感じて結果、筋肉や腱に損傷や炎症が生じることがあります。
肩こりや四十肩もそのうちの一つです。
ローテータカフのコンディションを高めていくことが、大切です。