橋本病(慢性甲状腺炎)は、自己免疫疾患であり、甲状腺の機能低下を引き起こしやすい病気です。甲状腺ホルモンは基礎代謝に関与するため、甲状腺機能が低下するとエネルギー消費が減り、体脂肪が増えやすくなります。そのため、橋本病の人が体脂肪を落とすには、一般的なダイエットとは異なるアプローチが必要です。優先順位が高いものから①医療②睡眠③食事コントロールが合言葉になります。特に治療がうまくいかないときや睡眠時間や質が不足する場合はダイエットが成功しないことが橋本病の特徴です。今日は橋本病の人が健康的に体脂肪を落としたいときに知っておきたい具体的な方法を解説します。
1. 甲状腺機能を適切に管理する
① 医師の指導のもとで治療を継続する
橋本病の人が体脂肪を落とすためには、まず甲状腺機能を適切に管理することが最優先です。甲状腺ホルモンが不足すると基礎代謝が低下し、ダイエットの効果は望めないでしょう。まずは医療の力が最重要です。
橋本病の治療では、レボチロキシン(T4)などのホルモン補充療法が行われます。自己判断で薬の量を調整したり、中断したりせず、定期的に血液検査を受けながら、医師と相談しつつ適切な治療を続けることがダイエットに最重要です。
② 甲状腺機能を低下させる要因を避ける
甲状腺機能を低下させる要因をできるだけ避けることも重要です。
例えば、
- ヨウ素の過剰摂取を避ける
ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料ですが、橋本病の人が過剰に摂取すると甲状腺機能が低下する可能性があります。昆布や海苔などの海藻類を大量に摂取するのは避けたほうがよいでしょう。 - ストレスを管理する
慢性的なストレスはコルチゾールの分泌を増やし、甲状腺ホルモンの働きを妨げる可能性があります。適度な休息やリラックス法(深呼吸、瞑想、趣味の時間を持つなど)を取り入れましょう。不眠症もあれば著しくダイエット効果が落ちるため快眠を目指しましょう。 - 鉄やセレンの不足に注意する
甲状腺ホルモンの生成には鉄やセレンが必要です。貧血があると甲状腺機能が低下しやすくなるため、鉄分をしっかり摂取しましょう。セレンはブラジルナッツや魚類に多く含まれています。
2. 食事改善で基礎代謝を上げる
① PFCバランスを意識する
橋本病の人が体脂肪を落とすためには、極端な食事制限を避けながら、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
- タンパク質をしっかり摂る(体重1kgあたり1.2~1.5g)
タンパク質は筋肉量を維持し、基礎代謝を高めるために重要です。鶏肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などを意識して摂りましょう。 - 良質な脂質を少量摂取する
不飽和脂肪酸(オリーブオイル、ナッツ類、アボカド)を適度に摂ることで、ホルモンバランスを整えやすくなります。いい油も油です。大匙2~3までに抑えましょう。サラダ油やトランス脂肪酸は控えましょう。 - 糖質は抑える
糖質の過剰摂取は脂肪蓄積の原因になります。全粒穀物や野菜などの低GI食品を中心に少量を摂るのがポイントです。 - 空腹時間を延ばす 食間時間が6時間は続くことを意識しましょう。1回目の食事〔例えば朝8時〕から6時間は空けて2回目の食事〔例えば14時〕、それから次の日の1回目の食事〔次の日の朝8時〕まではなるだけ空腹を保てるようにしましょう。夜食は食事にカウントするというより控えめな量でスープやお野菜、水にお茶を利用すると良いです。基本は朝と昼食で食事は済ませましょう。
② 抗炎症作用のある食品を取り入れる
橋本病は自己免疫疾患のため、炎症を抑える食事が役立ちます。炎症を抑える食品を摂りましょう。
- オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油、チアシード)
- ポリフェノールを含む食品(緑茶、ベリー類、カカオ)
- 抗酸化作用のある野菜(ブロッコリー、ほうれん草、にんじん)
逆に、加工食品やトランス脂肪酸(マーガリン、揚げ物)を避けることで、炎症を抑えやすくなります。
3. 適切な運動で脂肪燃焼を促進する
① 有酸素運動を適度に取り入れる
橋本病の人は代謝が低下しやすいため、ウォーキングや軽めのジョギングなどの有酸素運動を週に5回30分以上行うことで脂肪燃焼を促進できます。
1回30~40分、週5回を目安に、無理のない範囲で続けましょう。
② 無酸素運動(筋トレ)で基礎代謝を上げる
筋肉量が減ると基礎代謝が下がり、脂肪が燃えにくくなるため、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどの筋トレを取り入れることも大切です。
特に大きな筋肉(脚・背中・胸)を鍛えることで、基礎代謝が効率的に上がります。
③ 運動後のストレッチで回復を促す
橋本病の人は疲れやすいため、運動後のストレッチやマッサージで回復を促し、無理のない範囲で継続することが大切です。
4. 睡眠と生活習慣を整える
① 睡眠の質を向上させる
甲状腺ホルモンのバランスは、睡眠の質に大きく影響されます。寝不足は必ず避けます。
- 7~8時間の睡眠を確保する
- 寝る前にスマホやPCの使用を控える
- カフェインの摂取を夕方以降控える
② 生活リズムを整える
体内時計の乱れはホルモンバランスに影響を与えるため、毎日同じ時間に寝起きし、食事をとることが重要です。
まとめ
橋本病の人が体脂肪を落とすためには、甲状腺機能の管理、食事改善、適度な運動、生活習慣の見直しが必要です。無理なダイエットではなく、長期的に続けられる健康的な方法を取り入れることが成功のカギとなります。医師と相談しながら、自分に合った方法で健康的に体脂肪を落としていきましょう。