はじめに
運動は健康的な生活に重要です。
運動する内容は運動する人の目的やなりたい理想像によって変わります。
一般的に筋力向上には高強度トレーニングが重要だと考えられています。
しかし、筋肉がトレーニングをしてもつきにくい方もいます。
筋肉の付きにくい体質です。
最近、研究によって筋肉がつきにくい人に重要なのは、質よりもトレーニング量だということが明らかにされました。
この研究は、トレーニング量と筋力向上の個人差を調べ、異なる関節動作のトレーニングを行うグループ間で比較を行うものです。
この研究の詳しい内容やそこから考えられることを解説していきたいと思います。
参考研究
https://www.ssu.ac.jp/news/press-release2022_1114/
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)システム理工学部・赤木亮太教授、静岡産業大学(静岡県藤枝市/学長 堀川知廣)スポーツ科学部・江間諒一准教授らの研究チーム
調査方法
運動習慣のない健康な26名の被験者を、膝関節伸展群と股関節屈曲群に分けます。
4週間、筋力トレーニングを行いました。
トレーニングは週3回行い、20秒ごとに3秒間の収縮運動を10回、これを4セット行いました。
参加者は、可能な限り速く、強く、最大限の力を発揮しました。
トレーニング量は「40回の収縮の時間-トルク曲線」の下の面積から算出しました。
トレーニング前後に最大随意筋収縮(MVC)トルクを測定し、膝関節伸展群と股関節屈曲群それぞれの筋力変化を評価しました。
結果
実験の結果、膝関節を伸ばす運動と股関節を曲げる運動を行ったどちらのグループでも筋力が明らかに増加しました。
その増加の程度には両グループ間で違いは見られませんでした。
また、トレーニング量の時間経過による変化も両グループで大きな違いはありませんでした。
次に、筋力の変化の程度に基づいて、筋力が大きく変化した人たちと変化が少なかった人たちに分けて分析を行いました。
その結果、筋力があまり変化しなかった人たちは、トレーニングを始める前の体重当たりの筋力と、全体のトレーニング量が多いことがわかりました。
また、総トレーニング量と筋力の変化の程度には、筋力があまり変化しなかった人たちだけに正の相関関係が見られました。
正の相関関係とは、ある2つの要素が一緒に増減する関係です。例えば、トレーニング量が増えると筋力の変化も増える、という関係を指します。
つまり、筋力があまり変化しなかった人たちだけ、トレーニング量が多いほど筋力の変化が大きくなることがわかりました。
トータルケアラボラトリーで実践
今回の研究に基づき、トータルケアラボラトリーでは、筋肉がつきにくい方に向けた特別なトレーニングメニューを提供しています。
筋肉がつきやすい方には重たい重りを使ったトレーニングを推奨していますが、筋肉がつきにくい方には、重さを軽くしつつ回数やセット数を増やすことで、より効果的に筋肉をつけられるよう工夫しています。
筋肉のつきにくさに悩んでいる方も、ぜひトータルケアラボラトリーで最適なトレーニングを体験し、理想の身体を手に入れてみませんか?