ランナーや水泳選手にとって、VO2MAX(最大酸素摂取量)を向上させることはパフォーマンスの向上に直結します。
VO2MAXを効果的に向上させるためのトレーニング法には、OBLAトレーニング、LTトレーニング、ラクテートトレーニングがあります。
それぞれのトレーニング法について把握しましょう。
1. OBLAトレーニング(Onset of Blood Lactate Accumulation)
OBLAとは、「血中乳酸蓄積開始点」のことです。LTより低い強度です。
これは、運動強度が上昇し、血中乳酸濃度が急激に増加し始めるポイントを指します。
OBLAトレーニングは、このポイント付近で運動を行い、身体が高強度の運動に適応するようにするトレーニングです。
OBLAトレーニングを行うことで、低強度で乳酸素除去する能力が高まり疲労回復が早まります。
方法
- インターバルトレーニング:高強度で短時間の運動を行い、その後低強度で休息するパターンを繰り返します。
- テンポランニング:HRがOBLA付近のペースで一定時間ランニングを行います。
効果
- 乳酸の生成と除去のバランスを改善し、より高い強度での運動を持続可能にします。
- VO2MAXを効果的に向上させます。
2. LTトレーニング(Lactate Threshold Training)
LT(乳酸閾値)トレーニングは、乳酸が急激に蓄積し始める強度の運動を指します。
OBLAより高い強度で、バテないぎりぎりの強度になります。
LTトレーニングでは、この閾値付近での運動を行い、乳酸の処理能力を向上させることを目指します。
LT値がより高い負荷のポイントまで向上すれば、より高い負荷で運動し続けてもバテない身体を作ることができます。
方法
- 一定ペースの持久走:乳酸閾値付近のペースで20〜40分間の持久走を行います。
- 長めのインターバルトレーニング:3〜10分の高強度の運動と、同じ時間の低強度の回復を繰り返します。
効果
- 乳酸の蓄積を抑え、持久力を向上させます。
- より長い時間、高強度で運動を続ける能力が向上します。
3. ラクテートトレーニング(Lactate Training)
ラクテートトレーニングは、乳酸生成と除去の両方を強化するためのトレーニングです。
LTよりも高強度の運動を行い、体内の乳酸濃度をわざと上昇させ、その後に低強度の運動を行いながら乳酸を除去します。
方法
- HIIT(高強度インターバルトレーニング):短時間の高強度の運動と短い休息を繰り返すトレーニング。
- 乳酸インターバル:全力での短時間のスプリントを行い、その後軽いジョギングやウォーキングで回復を図ります。
効果
- 高強度の運動に対する耐性を向上させます。
- 乳酸除去能力を強化し、運動後の回復を早めます。
まとめ
- OBLAトレーニング:乳酸蓄積開始点での運動により、高強度運動の持続能力を向上。
- LTトレーニング:乳酸閾値付近の運動で、持久力と乳酸処理能力を向上。
- ラクテートトレーニング:高強度運動と回復の繰り返しで、乳酸生成と除去のバランスを改善。
これらのトレーニング法をバランスよく組み合わせることで、ランナーや水泳選手はVO2MAXを効果的に向上させ、競技パフォーマンスを最大限に引き出すことができます。