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ダイエットにプロテインは必須か?

― 効果とリスクを医学的に整理する ―

結論

プロテインはダイエットに必須ではない。
しかし、たんぱく質摂取が不足する条件下では有効な補助手段である一方、
使い方を誤ると健康リスクを伴う可能性もある。


1. ダイエット中にたんぱく質が重要な理由(医学的根拠)

① 除脂肪量(LBM)低下の抑制

エネルギー制限下では
脂肪だけでなく筋肉も分解されやすい。

たんぱく質摂取量が不足すると

  • 筋肉量減少
  • 基礎代謝低下
  • リバウンドリスク上昇

が起こることが報告されている。


② 食欲調節作用

たんぱく質は

  • GLP-1
  • PYY

などの食欲抑制ホルモン分泌を促進し、
空腹感を抑えやすい栄養素である。


③ 食事誘発性熱産生(DIT)

たんぱく質は
摂取エネルギーの約20〜30%が消化・代謝に使われる。

同カロリー摂取でも
糖質・脂質よりエネルギー消費が大きい


2. プロテインが使われる理由

ダイエット中は

  • 食事量の制限
  • 脂質・糖質の制限

により、たんぱく質摂取量が不足しやすい

目安

  • 一般的ダイエット:体重×1.2〜1.5g/日
  • 運動併用:体重×1.6〜2.0g/日

これを食事のみで継続的に満たすのは難しく、
その補助手段としてプロテインが用いられる。


3. プロテイン摂取の医学的リスク

① 腎機能への負担

健康な腎機能を持つ成人では
通常量のたんぱく質摂取で腎障害が起こる明確な証拠はない。

しかし、

  • 慢性腎臓病
  • eGFR低下
  • 蛋白尿

がある場合、過剰なたんぱく質摂取は腎負担を増大させる可能性がある。

👉 医療・予防医学的には
腎機能に問題がある人への一律な高たんぱく推奨は不適切


② 肝臓への代謝負荷

たんぱく質代謝では
アンモニアが生成され、肝臓で尿素へ変換される。

  • 肝機能低下
  • 肝疾患
  • 極端な高たんぱく食

では
倦怠感・食欲不振・吐き気などが出ることがある。


③ 消化管トラブル

よく見られる症状

  • 腹部膨満感
  • 下痢・便秘
  • 吐き気

原因

  • 乳糖不耐症(ホエイ)
  • 甘味料(スクラロース等)
  • 摂取量過多

👉 体質に合わない場合は
食品由来たんぱく質への切り替えが望ましい


④ 栄養バランスの崩れ

プロテインを
食事代替として多用すると、

  • ビタミン
  • ミネラル
  • 食物繊維
  • 必須脂肪酸

が不足しやすくなる。

これは

  • 便秘
  • 代謝低下
  • ホルモンバランス乱れ

の原因となる。


⑤ 「飲めば痩せる」という誤解

プロテイン自体に
脂肪燃焼作用はない。

摂取エネルギーが消費を上回れば
体脂肪は増加する


4. プロテインが推奨されない、または慎重にすべき人

  • 腎機能低下・蛋白尿がある
  • 肝機能障害がある
  • 食事が十分に摂れている
  • 運動習慣がない
  • 胃腸が弱い

これらの場合、
医師・管理栄養士の判断が優先される。


5. 医学的に安全な使い方

  • 「補助」として使用する
  • 食事を基本にする
  • 1回20〜30g程度
  • 運動後・食事で不足するタイミングに限定
  • 体調不良があれば中止

まとめ

  • たんぱく質はダイエットに重要
  • プロテインは必須ではない
  • 不足を補う目的では有効
  • 過剰・誤用は健康リスクを伴う
  • 個人の体調・臓器機能を無視した使用は危険

プロテインは
「痩せるための飲み物」ではなく、
体を壊さずに痩せるための補助ツール

医学的には、
必要な人に、必要な量を、慎重にが正解です。