1章 なぜ16時間ファスティングで痩せやすくなるのか?
近年話題の「16時間ファスティング」は、単なるカロリー制限とは異なり、代謝やホルモン分泌の仕組みを利用して体脂肪を効率的に減らす方法です。
従来の「食べる量を減らすダイエット」では基礎代謝が落ち、リバウンドしやすいのが問題でした。
一方、16時間ファスティングでは「食べるタイミング」を制御することで、脂肪燃焼モードを最大化し、ホルモンバランスを整えます。
ここからは、なぜ代謝が改善され、どんなホルモンが関わっているのかを詳しく見ていきましょう。
2章 代謝が変わる仕組み:エネルギーの使い方がシフトする
① インスリンが下がり脂肪が使われる
食事をすると血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。インスリンは糖をエネルギーに変える一方で、余った糖を脂肪として蓄える作用も持っています。
断食時間を設けることでインスリンが低下し、体は「糖利用」から「脂肪利用」へとエネルギー源を切り替えます。
これにより、体脂肪が効率的に燃焼されやすくなるのです。
② グリコーゲンが枯渇すると脂肪燃焼が加速
肝臓に蓄えられたグリコーゲンは約12時間で使い果たされます。その後、体はエネルギー不足を補うために脂肪を分解し始めます。
16時間ファスティングは、この脂肪燃焼スイッチが入る時間帯を意識的に作る食事法なのです。
③ 代謝効率が上がる
空腹時に脂肪酸が分解されると、ケトン体という代謝産物が生まれます。ケトン体は脳や筋肉のエネルギー源となり、エネルギー効率を高めます。
結果として「頭が冴える」「体が軽くなる」と感じる人も多いのです。
3章 ホルモンの秘密①:インスリンとグルカゴン
インスリン:脂肪蓄積のスイッチ
- 食事で血糖値が上がると分泌される
- 余剰な糖を脂肪として蓄える
- 高インスリン状態が続くと太りやすい
グルカゴン:脂肪燃焼のスイッチ
- 断食中に分泌が増えるホルモン
- 肝臓からグリコーゲンを分解して血糖を維持
- さらに脂肪分解を促進する
👉 16時間ファスティングは「インスリン抑制」と「グルカゴン活性」を組み合わせ、脂肪燃焼を効率化します。
4章 ホルモンの秘密②:成長ホルモンとコルチゾール
成長ホルモン(GH)
- 空腹時や睡眠中に分泌が増える
- 筋肉や骨の合成を促し、基礎代謝を維持
- 脂肪分解作用もある
👉 断食+睡眠を組み合わせることで、成長ホルモンの効果が最大化し、「脂肪燃焼+筋肉維持」の理想的な状態をつくります。
コルチゾール
- ストレスホルモンとも呼ばれる
- 適度な分泌は脂肪分解をサポート
- しかし過剰だと筋肉分解や脂肪蓄積を招く
👉 睡眠不足や過度なストレスは、せっかくのファスティング効果を打ち消すため注意が必要です。
5章 ホルモンの秘密③:レプチンとグレリン(食欲ホルモン)
レプチン(満腹ホルモン)
- 脂肪細胞から分泌
- 「もうお腹いっぱい」と脳に伝える
- 過食を防ぐ働き
グレリン(空腹ホルモン)
- 胃から分泌される
- 「お腹が空いた」と脳に伝える
16時間ファスティングを続けると、レプチン感受性が改善し、少量の食事で満足できるようになります。
同時に、グレリンの分泌パターンも安定し、「常にお腹が空いている」状態から解放されます。
6章 ダイエットが加速する実践のポイント
✅ 空腹時間を水分で乗り切る
水・炭酸水・無糖コーヒー・お茶で空腹感を抑える。
✅ 断食明けの食事はタンパク質から
- 鶏胸肉、卵、魚、豆腐など
- 野菜を組み合わせて血糖値の急上昇を防ぐ
✅ 炭水化物は「運動前後」に摂る
運動前後に摂るとグリコーゲン補充に回り、脂肪になりにくい。
✅ 筋トレ+有酸素運動を組み合わせる
- 筋トレで成長ホルモン分泌を促進
- 有酸素運動で脂肪燃焼効率を高める
✅ 睡眠とストレス管理
7時間以上の睡眠でホルモンバランスを安定させ、ダイエット効果を最大化。
7章 まとめ:代謝とホルモンを味方につけるダイエット
16時間ファスティングがダイエットを加速させる理由は、単なる「食事制限」ではなく、代謝とホルモンの仕組みを利用して脂肪燃焼体質をつくる点にあります。
- インスリンを抑えて脂肪燃焼をオンに
- グルカゴンと成長ホルモンで燃焼効率を高める
- レプチン感受性改善で食欲をコントロール
このようにホルモンが連携することで、脂肪が落ちやすく、筋肉を守りながら痩せられるのが16時間ファスティングの魅力です。
無理なカロリー制限ではなく、「食べる時間を変える」というシンプルな工夫で、代謝とホルモンを味方にできるのです。