スクワットは「筋トレの王様」と呼ばれるほど効果の大きいトレーニングです。太ももやお尻を鍛えるだけでなく、体幹や姿勢改善にも役立ち、ダイエットや健康維持にも効果を発揮します。しかし、見た目がシンプルだからこそ「自己流」で間違ったやり方をしてしまう人が多いのも事実です。正しいフォームを知らないまま続けると、効果が半減するだけでなく、腰や膝を痛める原因にもなります。
ここでは、初心者が特に注意すべきスクワットのコツを解剖学・運動生理学的な視点も交えながら解説していきます。
1章 正しいフォームを意識することが第一歩
スクワットの基本は「背中をまっすぐにして、しゃがんで立ち上がる」動作ですが、細かい姿勢を誤るとすぐにフォームが崩れます。
コツ① 背中を丸めない
腰が丸まると腰椎に大きな負担がかかり、腰痛や椎間板ヘルニアのリスクが高まります。胸を張り、目線を前方に保つことで自然と背骨がニュートラルになります。
コツ② 膝が内側に入らない
しゃがんだときに膝が「内股」になるのは初心者に多いミスです。膝が内側に入ると靭帯に過度のストレスがかかり、ケガにつながります。つま先と膝の向きを揃え、やや外側に開く意識を持ちましょう。
コツ③ 重心はかかと寄りに
つま先重心になると前のめりになり、腰や膝に負担がかかります。足裏全体で床を押し、特にかかとに力を感じるように意識しましょう。
2章 しゃがみの深さと可動域
初心者が迷いやすいのが「どこまでしゃがむべきか」です。
- 浅すぎるスクワット:太ももの前面しか使えず、効果が薄い。
- 深すぎるスクワット:柔軟性が不足している人には危険。
コツ④ 太ももが床と平行を目安に
まずは「太ももが床と平行になるくらい」までを目標にしましょう。柔軟性がついてきたら徐々に深くしていくのもOKです。
コツ⑤ 股関節から曲げる意識
膝から先に動かすのではなく、お尻を後ろに引いて「股関節から折りたたむ」イメージを持ちましょう。これが正しいしゃがみの基本です。
3章 呼吸の使い方
スクワットで意外と見落とされがちなのが「呼吸」です。
コツ⑥ 下ろすときに吸い、立ち上がるときに吐く
しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くのが基本です。呼吸を止めると血圧が急上昇し、初心者にとって危険です。
コツ⑦ 体幹を安定させる
息を軽く止める「バルサルバ法」は高重量を扱う上級者向けです。初心者はまず「呼吸と動作の連動」を優先しましょう。
4章 柔軟性と可動域を整える
正しいフォームが取れない原因の多くは柔軟性不足です。
コツ⑧ 足首の柔軟性
足首が硬いと、しゃがむときにかかとが浮きやすくなります。ふくらはぎのストレッチやアキレス腱伸ばしを習慣にしましょう。
コツ⑨ 股関節の柔軟性
股関節が硬いと、膝が内側に入りやすくなります。ワイドスクワットやストレッチで股関節の可動域を広げることが大切です。
5章 負荷設定のコツ
初心者は「何回やるか」「どのくらいの重さを扱うか」で迷います。
コツ⑩ 自重から始める
まずは自重スクワットを10〜15回できるようにしましょう。正しいフォームを身につけることが第一歩です。
コツ⑪ 回数より質を重視
「回数をこなす」よりも「正しいフォームを保つ」ことを優先しましょう。フォームが崩れるなら回数は減らしてもOKです。
コツ⑫ 重量は“あと2回できる”程度
ダンベルやバーベルを使う場合は、余力を残すくらいの重量を選びましょう。限界まで追い込むのは上級者向けです。
6章 体幹の安定と姿勢意識
スクワットは脚だけの運動ではなく、体幹を安定させることが成功のカギです。
コツ⑬ お腹に力を入れる
腹筋を軽く固める意識を持つと、腰への負担を減らせます。ベルトを使うのは上級者向けですが、初心者も「体幹で支える感覚」を覚えることが重要です。
コツ⑭ 胸を張り、目線は前
猫背になると腰が丸まりやすいため、胸を開き、視線は正面やや上に向けるとフォームが安定します。
7章 初心者におすすめのプログラム
週2〜3回、30分から始める
- 自重スクワット 10〜15回 × 3セット
- ゴブレットスクワット 8〜12回 × 2セット
- ヒップリフトやプランクで体幹補強
慣れてきたらバーベルスクワットを導入し、少しずつ負荷を上げていきましょう。
8章 ケガを防ぐための注意点
- ウォーミングアップで筋肉と関節を温める
- 痛みを感じたら中止する
- 毎日やりすぎず、48時間以上の休養を取る
- シューズはクッション性よりも安定感を重視する
スクワットは正しくやれば安全ですが、無理なフォームや重量は必ずケガにつながります。
まとめ
スクワットは初心者にとって「体を変える第一歩」となる種目です。しかし、シンプルだからこそフォームのミスが多く、効果を半減させる原因にもなります。
初心者が注意すべきコツをまとめると:
- 背中を丸めない、膝を内側に入れない、かかと重心
- 太もも平行を目安に、股関節から動かす
- 呼吸を止めず、動作と連動させる
- 柔軟性を整え、無理な重量は扱わない
- 体幹を安定させ、胸を張る
これらを守れば、初心者でも安全に効果的にスクワットを行えます。最初は10回からでもOK。大切なのは「正しいフォームを継続すること」です。
スクワットを味方につければ、体型改善も、健康維持も、そして自分への自信も手に入れられるでしょう。