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「見せ筋」と「使える筋肉」という表現が嫌いです。

「見せ筋」や「使える筋肉」という言葉に、私は抵抗感を感じます。

これらの表現は、筋肉の役割や機能をどのように評価するかによって変わってしまうからです。

この2つの表現は、特にトレーニングやフィットネスの分野でよく表現される言い回しです。

しかし、必ずしも正確な表現をするものではありません。

筋肉の特性を深く理解し、両者を効果的に組み合わせることが重要です。

見せ筋

「見せ筋」や「使えない筋肉」と呼ばれる筋肉について説明します。

この表現は、主に見た目を重視したトレーニングによって発達した筋肉を指します。

結論から言いますが生きた人間には、使えない筋肉なんて存在しません。

筋肥大に特化したトレーニングを行い、筋肉量を増やすことに焦点を置くと、筋肉のサイズは肥大し大きくなります。

ボディビルダーやフィジーク競技者などのアスリートは、見た目の美しさやバランスを追求するために、この肥大した筋肉を重視します。

大きな重量を扱うことができる一方で、筋持久力や耐乳酸能力が欠けることがあるとされています。

「見せ筋」という表現が使われる背景には、これらの筋肉が瞬発力や筋出力には優れていても、長時間の運動や日常生活における実用性においては劣るという見方があります。

例えば、パワーリフティングやボディビルのように、短期間で大きな筋力を発揮するスポーツでは、筋肥大が効果的に働きます。

しかし、筋肉量が増えると心臓や血管系に負担がかかり、コンディションの管理が難しくなることもあります。

そのため、筋肉量が増加することで逆に体全体の健康リスクが高まる可能性も指摘されています。

特に、筋肉量が極端に多いと、心血管系への負荷が増加し、心臓の負担が増すことによる突然死のリスクも懸念されます。

使える筋肉

一方で、「使える筋肉」と呼ばれる筋肉は、パフォーマンスや日常生活での持久力や機能性に焦点を当てた筋肉です。

このタイプの筋肉は、筋サイズはそれほど大きくなくとも、高い筋持久力や耐乳酸能力、さらには効率的なエネルギー代謝を特徴とします。

筋肉内のミトコンドリアが活性化しており、脂肪燃焼効率が良いため、筋肉量が少なくても健康的な体脂肪率を維持できるのが特徴です。

加えて、筋肉量が標準的な範囲に収まっているため、心血管系への負担が少なく、長期的な健康リスクも低いとされています。

筋肉量を示す指標として、LBMi(Lean Body Mass Index)がよく使われます。

健康的な範囲は18~25とされていますが、見せ筋のアスリートの場合、この範囲を超えてしまうことがあります。

一方、使える筋肉とされる人々は、この範囲内に収まることが多く、心臓への負担も少ないため、死亡リスクが低いとされています。

使えない筋肉なんてない

「使えない筋肉」という考え方に対しては異論があります。

例えば、高重量ウェイトトレーニングやパワーリフティングの選手は、見た目だけでなく、実際に筋肉を使用して非常に高い筋出力を発揮しています。

大きな筋肉は瞬発力や筋力に優れているため、「使えない」と断じるのは不適切です。

また、見せ筋といわれる筋肉を持つアスリートは、魅せる筋肉を持っていて価値があります。

機能性や健康を度外視し、筋肥大と筋出力に特化しこだわっているから、大きなパワーを発揮することができるのです。デメリットは承知の上です。

両立も可能

適切なトレーニングを組み合わせることで、筋力と持久力の両方を兼ね備えた「使える筋肉」を作り上げることは十分可能です。

実際、海兵隊員やレンジャー隊員などの軍事部隊に所属する人々は、筋肥大と筋持久力の両方を兼ね備えた身体を持っています。

高い筋出力を発揮するだけでなく、長時間の耐久訓練にも耐えることができる身体能力を持ち合わせています。

このように、適切なトレーニング方法やアプローチを用いれば、「見せ筋」と「使える筋肉」は相反するものではなく、両立させることが可能です。

どのようなトレーニングが両者をバランスよく発展させるのでしょうか。

まず、筋肥大を目的とするトレーニングは、重量を重視し、低回数・高強度のセットを繰り返すことが一般的です。

これに対して、持久力や耐乳酸能力を高めるためには、高回数・低強度のトレーニングや有酸素運動を取り入れる必要があります。

さらに、両者をバランスよく発展させるためには、トレーニングプログラムの周期化が重要です。

特定の期間に筋肥大を重視し、その後持久力やコンディショニングを強化する期間を設けることで、体全体の機能性を高めることができます。

まとめ

見せ筋と使える筋肉の違いは、単に筋肉の大きさや外見に依存するものではなく、その機能やトレーニング方法に大きく左右されます。

筋肉の使い方や目的に応じたトレーニングを行うことで、どちらのタイプの筋肉も発展させることができるため、自分の目標に合わせた方法を選択することが重要です。

参考研究:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/4/41_KJ00009498090/_pdf

     https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/24/4/24_4_625/_article/-char/ja/