VO2MAXは、運動中に体が最大限に取り込むことができる酸素の量を示し、心肺機能や体力の指標です。
本当は専門の設備を用いて直接計測されますが、これには時間と費用がかかります。
様々な推測計測方法があり、方法によって精度に違いがあります。
今日は4つの主要な推測計測方法を紹介し、最も正確なものから順位をつけて解説します。
1. 12分間走からの推測計測
12分間走(クーパー・テスト)は、ジョギングやランニングで12分間に走った距離を基にVO2MAXを推測する方法です。この方法は簡便で、器具を必要とせずに実施できるため広く用いられています。
計算式
VO2MAX = (走行距離(メートル) – 504.9) / 44.73
長所
- 器具が不要
- 実施が簡単
- 有酸素運動の強度を直接反映
短所
- 走る能力に依存するため、足腰の障害がある人には適さない
2. 6分間歩行距離からの推測計測
6分間歩行テストは、6分間でどれだけの距離を歩けるかを測定し、VO2MAXを推測する方法です。この方法は、特に高齢者やリハビリに対して効果的です。
計算式
VO2MAX = 0.03 * 6分間歩行距離(メートル) + 3.98
長所
- 高齢者や体力の低い人にも実施可能
- 特別な器具が不要
短所
- 高強度の運動を反映しにくい
- 健康な成人にはやや精度が劣る
3. 水泳選手のための30分間泳からの推測計測
水泳選手のための方法として、30分間泳での距離を基にVO2MAXを推測する方法があります。水泳は全身運動で、水中での運動負荷を考慮することができます。
計算式
VO2MAX = (30分間での距離(メートル) / 30) * 0.2 + 7.0
長所
- 水泳選手に特化している
- 全身運動を反映
短所
- 水泳能力に依存するため、非水泳選手には適さない
- プールが必要
4. 安静時脈拍からの推測計測
安静時脈拍数を基にVO2MAXを推測する方法もあります。最も簡単で、安静時の心拍数と年齢、体重などを利用して計算されます。
計算式
VO2MAX = 15.3 * (最大心拍数 / 安静時心拍数)
長所
- 簡便で特別な運動が不要
- 高齢者や体力の低い人にも実施可能
短所
- 他の方法と比べて精度が低い
- 安静時脈拍数の変動が大きい
まとめ
- 12分間走からの推測計測が最も正確で、直接的に有酸素運動能力を反映するため、幅広い年齢層や体力レベルの人々に適用可能です。
- 6分間歩行距離からの推測計測は高齢者やリハビリ中の患者に対して有用で、特別な器具が不要で実施が容易です。
- 水泳選手のための30分間泳からの推測計測は水泳選手に特化しており、水泳という特定の運動におけるVO2MAXを評価するために有効です。
- 安静時脈拍からの推測計測は最も簡単ですが、補助的な手段として利用されることが多いです。
VO2MAXは推測が可能で、健康管理やトレーニング計画に役立てることができます。